2019年度 2件目のメニュー偽装。ダイナックの料理メニュー食材表示に景表法措置命令(東京都:平成31年5月22日)

東京都は5月22日、飲食業(株)ダイナック(東京都新宿区)に対し、同社が運営する飲食店で提供している料理のメニュー表示について、景品表示法の措置命令を行いました。

同社が運営する「ダイナミックキッチン&バー 響 お台場店」と称する飲食店で、料理メニューにあたかも黒毛和牛や国産豚肉、地鶏の卵、九条葱を使用しているかのように表示をしていましたが、実際は外国産のものや表示と異なる食材を使用しており、優良誤認表示とみなされました。

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不当なメニュー表示をしていた飲食店運営事業者に景品表示法に基づく措置命令
(2019年5月22日 東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/05/22/14.html
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内容を確認します。


【対象料理・表示期間】
「ダイナミックキッチン&バー 響 お台場店」と称する飲食店において提供する料理
牛肉を使用する料理:
・鹿児島黒牛溶岩石ステーキ(2017年11月1日~2018年8月13日)
・鹿児島黒牛ステーキ(2017年11月1日~2018年8月13日)
豚肉を使用する料理:
・響喜豚ロース炙り(2017年1月1日~2018年5月23日)
・響喜豚骨付きロース炙り(2017年1月1日~2018年5月23日)
・響喜豚のポッサム(2017年1月1日~2018年5月23日)
・響喜豚とゴーヤのチャンプル(2017年6月6日~2018年9月25日)
・響喜豚 ローストポーク(2017年6月6日~2018年9月25日)
・響喜豚の蒸篭蒸し(2017年1月1日~2018年2月28日)
・響喜豚肩ロースの鉄板焼き(2017年3月1日~2018年5月31日)
卵を使用する料理:
・比内地鶏 地卵の卵焼き(2017年7月1日~2018年8月13日)
ねぎを使用する料理:
・山形牛スジと九条葱の牛ぺい焼き(2017年1月1日~2018年8月13日)
・京鴨と九条葱の巻き揚げ(2018年1月16日~2018年3月14日)

【表示媒体】
店舗におけるメニュー

【違反内容】
牛肉を使用する料理
表示:
「鹿児島黒牛溶岩石ステーキ」等と記載し、鹿児島県産の黒毛和牛を使用しているかのように示す表示を行っていた。
実際:
アメリカ産の牛肉を使用していた。

豚肉を使用する料理
表示:
「群馬県林牧場 響喜豚ロース炙り」等と記載し、国産の豚肉を使用しているかのように示す表示を行っていた。
実際:
カナダ産の豚肉を使用していた。

卵を使用する料理
表示:
「比内地鶏 地卵の卵焼き」と記載し、地鶏の卵を使用しているかのように示す表示を行っていた。
実際:
地鶏に該当しない鶏の卵を使用していた。

ねぎを使用する料理
表示:
「山形牛スジと九条葱の牛ぺい焼き」等と記載し、九条葱を使用しているかのように示す表示を行っていた。
実際:
分葱(わけぎ)を使用していた。

表示例:

同社は、本件について措置命令の出た5月22にお詫びをHPに掲載しています。
それによると、同社は当該表示の誤りを発見した直後の2018年8月22日以降、自主的に消費者庁及び東京都に報告するとともに、当該店舗及びホームページにて公表を行い、お客様対応を実施したということです。
また、お詫び掲載において、対象期間中に対象料理を注文した顧客に対して、利用状況を確認した上で、相当額の同社食事券を提供するとしています。

《中略》

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東京都の措置命令についてのお詫びとお知らせ
((株)ダイナック 2019年5月22日)
https://www.dynac.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/05/20190522I01.pdf
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対象表示による売上高が5000万円以上の場合、消費者庁より課徴金納付命令を受けることとなりますが(課徴金納付命令の権限は、都道府県にはなく消費者庁のみ)、自主報告による課徴金額の2分の1減額及び、お詫び対応が返金措置として課徴金額の減額が認められるか、消費者庁の判断が気になります。

料理メニューの食材偽装に関する措置命令は、ロイヤルダイニングの牛肉料理メニュー表示に続き2019年度に入って2件目となっています。

・ロイヤルダイニングの牛肉料理メニューに景表法措置命令。黒毛和牛表示、実際は外国産牛(消費者庁:平成31年4月26日)

≪関連記事≫
・「塚田農場」運営元に景表法措置命令。「地鶏」メニューから一般消費者が受ける印象は?(消費者庁:平成30年5月22日)

・「塚田農場」運営元「地鶏」メニューに景表法課徴金納付命令。払い戻し対応を行うも、返金措置による課徴金減額なし(消費者庁:平成31年3月1日)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。