先日の記事では、消費者庁によるダイエット酵素食品5社に対する景表法措置命令事案と、東京都が実施している健康食品試買調査結果について取り上げました。
そもそも、行政が健康食品の取り締まりに目くじらを立てているのには、ワケがあります。
その最大の理由は、「保健衛生上の危害を生じさせる」ことです。
健康食品による健康被害は、実は多発しています。
2017年度に全国の消費生活センター等に寄せられた、身体にけが、病気等の疾病が生じた「危害情報」では、「健康食品」に関するものが1,847件と最多で、特に「酵素食品」(284件)などが多かったと報告されています。
・国センに寄せられた健康被害情報、上位3商品・役務は「健康食品」「化粧品」「医療サービス」(国民生活センター 平成30年8月)
厚生労働省では各都道府県知事あてに「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(昭和46年6月1日 薬発第476号)を通知し、全国的に指導取締りを行っています。
特に、医薬品成分が含まれるものは、「食品」と称された場合であっても医薬品とみなされ、未承認の医薬品販売等を行ったものとして、薬機法違反の厳しい処分を受けます。
・無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日 薬発第476号)
(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/torishimari.pdf
これを受け、国及び都道府県では、定期的にインターネット販売業者等から「いわゆる健康食品」の買上げ、検査を行っており、年度末には多くの「医薬品成分を含有する健康食品」の発見が報告されています。
医薬品成分を含有するいわゆる健康食品の発見について
(厚生労働省 平成31年4月5日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04328.html
医薬品成分を含有する健康食品の発見について
(福岡県 2019年3月28日)
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kenko-h30-3.html
医薬品成分を含有する製品の発見について
(東京都 2019年3月27日)
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/03/27/17.html
医薬品成分を含有する製品の発見について
(千葉県 2019年3月27日)
https://www.pref.chiba.lg.jp/yakumu/press/2018/20190305_2iyakuhin.html
医薬品成分が検出された健康食品について
(大阪府 2019年3月27日)
http://www.pref.osaka.lg.jp/yakumu/kenkoushokuhin/kenh30kaiage2.html
「食品」と「医薬品」の棲み分けがきちんとなされ、製造、販売、品質、表示、広告等について、必要な規制が守られることが、消費者の安全につながります。
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