2015年4月に制度が始まった機能性表示食品ですが、1年半後の2016年10月1日時点での届け出件数は468件(届出撤回含む)となりました。
日本政策金融公庫では、平成 28 年7月に実施した「平成28年度上半期消費者動向調査」において、食品関係企業に対して機能性表示食品の扱いについて調査しています。
調査によれば、食品関係企業(製造業、卸売業、小売業、飲食業)の2/3が機能性表示食品の取扱いに関心を持ち、「中性脂肪・体脂肪」、「血糖値」、「コレステロール」、「血圧」の効果を狙いとする傾向が高いという結果となっています。
調査データを見てみましょう。
●66.9%の企業が機能性表示食品の取扱いに関心。小売業では45.6%が「既に取り扱っている」
全国の食品関係企業の機能性表示食品の取扱い状況は、「既に取り扱っている」(10.5%)、
「検討又は計画している」(5.4%)、「検討していないが、関心はある」(51.0%)となっており、66.9%の企業が機能性表示食品の取扱いに関心を示している。
業種別にみると、小売業の「既に取り扱っている」が 45.6%で他業種(製造業 7.2%、卸売業 7.5%、飲食業 2.9%)と比べ機能性表示食品の取扱いが圧倒的に進んでいる。
●小売業では売上規模500億円以上の企業の86.7%が「既に取り扱っている」
製造業と小売業について売上高別にみると、売上規模が大きくなるほど「既に取り扱っている」の割合が大きくなる傾向。特に小売業の売上規模500億円以上の企業の86.7%は「既に取り扱っている」。
●狙っている機能性表示食品の効果、小売業では「中性脂肪・体脂肪」(84.5%)
機能性表示食品について「既に取り扱っている」「検討又は計画している」と回答した企業を対象に、どのような機能性表示食品の効果を狙いとしているか聞いた。
小売業では「中性脂肪・体脂肪」(84.5%)が突出しており、次いで「血糖値」(62.7%)、「コレステロール」(54.5%)、「血圧」(48.2%)の順で高い。
製造業では「血糖値」(34.1%)、「中性脂肪・体脂肪」(33.2%)、「コレステロール」(27.4%)が上位となっているが、小売業ほど集中は見られない。
●製造業は研究人材の確保、小売業は消費者ニーズ把握や機能性訴求が経営課題
機能性表示食品を取り扱ううえでの課題について、製造業では「研究開発スタッフの充実」46.5%が最も多い。一方、小売業では「消費者ニーズ把握のためのマーケティング」47.8%、「訴求したい機能性をうまく消費者に伝えること」46.2%が多い。
食品関係企業、特に小売業において機能性表示食品の取扱いに積極的であることが分かりました。今後は売り上げ規模の小さい企業にも、取り扱いは浸透していくことが予測されます。
新しい商材として注目が高まる一方で、「消費者ニーズ把握」や、「消費者への機能性の訴求」についてどのように取り組んでいくかがカギとなりそうです。
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機能性表示食品に関する調査結果
(日本政策金融公庫 平成28年7月調査)
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_161003a.pdf
調査時点: 2016年7月1日
調査方法:郵送により調査票を配布し郵送により回収
有効回収数: 全体で2,705 社 (回収率38.4%)
《内訳》 製造業:1,731 社、卸売業:665 社、小売業:237 社、飲食業:72 社
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≪関連記事≫
(東京都「都民を対象とした「健康食品」の摂取に係る調査」)
・機能性表示食品「全く知らない」3割。健康食品の制度を重視する人は5割前後
・「健康食品」で体調不良を感じた経験は11.8%。「そのまま利用」が34.2%
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