先日の記事では、JADMA発表の「第3回サプリメント登録制調査資料」(※1)から登録企業の「広告表示のチェック体制」についてご紹介しました。
今回は、登録企業の「安全性対応状況」について取り上げます。
● 原材料・製品の安全性確認
・ 原材料の安全性確認は91.0%(133社)の企業が行っている。
・ 原材料の安全性の確認項目で最も多いのは「残留農薬検査」64%(94社)、次いで「栄養成分分析」が 62%(90社)、「外観」60%(88社)で、各々6割を超えている。
・ 5項目以上の安全性確認を行っている企業は58%。
・ 行っていない企業は9%(13社)で、仕入れ販売形態の企業である。
・ 製品レベルでの安全性確認は、93%(136社)の企業が行っている。
・ 製品レベルでの安全性の確認項目で最も多いのは「外観」が75%(110社)、次いで「栄養成分分析」が73%(107社)で、各々7割を超えている。
・ 確認項目数は2項目が最多で20%、次いで4項目で17%。
・ 製品レベルでの安全性確認は、原材料の安全性確認より確認項目数で少なくなる傾向。
●「健康食品」の安全性評価フローチャートの認知率と活用状況
・ 【「健康食品」の安全性評価フローチャート】(※2参照)認知率は45%(65社)と半数を割っており、2012年度と変化なし。
・ 認知している企業のうち、「安全性に関する文献調査・試験実施している」が34%(22社)に留まっている。
●製造工場の健康食品GMP取得状況
・製造工場がGMP(※2参照)を取得していると回答の企業は全体の73%(106社)。12年度は71.0%(142社)であった。
・そのうち、全ての商品をGMP取得工場で製造している企業は34%(36社)。12年度は35.2%(50社)であった。
●安全性のチェック体制
・12年度と比較すると、「委託メーカーや卸で行っている」63.5%(127社)→58%(85社)、次いで「社内の専門部署で行っている」41.0%(82社)→46%(67社)となっている。
・社内の専門部署でのチェックの割合が拡大している
・販売形態別に見ると、「自社で製造販売」の企業は「社内の専門部署で行う」が70%。一方、「他社で製造し自社ブランドで販売」「仕入れて販売」の企業は「委託メーカーや卸で行っている」が、各々63%、71%となっている。
サプリメント登録している企業においては、原材料・製品レベルでの何らかの安全性確認を行っている状況を確認できます。
しかし、登録企業においても「健康食品」の安全性評価フローチャート認知率は45.0%と半数を割っており、さらに「安全性に関する文献調査・試験実施している」企業の割合は15%に留まる結果となっています。
現在検討されている「食品の新たな機能性表示制度」においても、食品の安全性について、事業者が自ら評価する方針であることから、上記取組が事業者に拡大することが求められるといえるでしょう。
(※1)
第3回サプリメント登録制調査資料(JADMA 2014年5月19日)
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