医薬品ネット販売対応、濫用等のおそれがある医薬品の複数購入対応が大幅改善(令和3年9月 医薬品販売制度実態把握調査)

平成26年6月12日に施行された改正薬事法により、第1類医薬品を含むすべての一般用医薬品のネット販売が解禁され、7年が経過しました。

厚生労働省では、毎年、医薬品の店舗販売とネット販売の販売ルールの 遵守 状況について、一般消費者の立場から実際の医薬品販売の状況を調査しています。
調査期間は令和2年11月〜令和3年3月、一般消費者である調査員が店頭販売する全国5,025件の薬局・薬店と、特定販売の届出を行い、ネット販売する500サイトが対象。

調査では、ネット販売対応の遵守率は多くの項目において9割程度と、前回に比べて全体的に改善傾向が見られました。
特に、「濫用等のおそれがある医薬品を複数購入しようとしたときの対応」の項目は、前回から大きく改善し、遵守率が70%を上回り店舗販売と同レベルの遵守状況となりました。
ただし、依然として他の項目より低い割合となっています。

ネット販売に関する調査内容を確認します。

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令和元年度医薬品販売制度実態把握調査結果(令和3年9月3日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20750.html
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●要指導医薬品、一般用医薬品の取扱い状況
第3類医薬品の「取扱あり」は 93.4%(467件)。
第2類医薬品(指定第2類医薬品は除く)の「取扱あり」は 91.0%(455件)。
指定第2類医薬品の「取扱あり」は77.2%(386件)。
第1類医薬品の「取扱あり」は 24.6%(123件)。
要指導医薬品の取扱いはなし、薬局製造販売用医薬品の「取扱あり」は 1.0%(5件)。

●ウェブサイトへの記載状況
口コミや使用感など書込みの記載の状況:
購入者による医薬品に関するレビューや口コミは禁止されています。
(店舗に対する評価や口コミを除く。)
過去の医薬品購入履歴等に基づき、自動的に特定製品の購入の勧誘をすること(レコメンド)も禁止されています。

記載なし 97.0% (令和元年度:98.0%)/記載あり3.0 % (令和元年度:2.0%)

前年度より「記載あり」の割合が1ポイント増加した。

●一般用医薬品の情報提供状況
ネット販売ルールでは、専門家(薬剤師・登録販売者)が購入者の状況に応じた適切な情報提供を行うことが義務付けられています。(参考情報参照)

第1類医薬品を販売する際の対応状況:
(1)使用者の状態等の確認
購入希望者から、年齢、性別、症状等、適切な情報提供に必要な事項を確認する。
確認あり98.0%(99件)(令和元年度:98.1%(106件))

令和元年度より0.1ポイント下回ったが、店頭販売の94.5%(1516件)を上回った。

(2)使用者の状態に応じた個別の情報提供
薬局、店舗にいる専門家から、使用者個々の状態に応じた情報提供(用法・用量、服用上の留意点等)を行う。(自動返信メールは情報提供に該当せず。)

情報提供あり88.1%(89件) (令和元年度:81.5%(88件))

令和元年度より6.6ポイント改善されたが、店頭販売の94.3%(1512件)には劣る。

情報提供を行った者の資格は、薬剤師76.4%(68件)(令和元年度:86.4%(76件)/店頭販売:96.5%(1459件))
登録販売者 1.1%(1件)(令和元年度:0.0%(0件)/店頭販売:0.8%(12件))
その他・わからなかった 22.5% (20件)(令和元年度:13.6%(12件)/店頭販売:2.6%(39件))

前年度より「薬剤師」の割合が10ポイント減少し、「その他・わからなかった」の割合が8.9ポイント増加した。

(3)第1類医薬品販売時の相談対応
相談*に対し回答あり 96.0%(96件)(令和元年度:96.1%(98件)/店頭販売:98.4%(1578件))。

相談対応した者の資格は、薬剤師72.9%(70件)(令和元年度:82.7%(81件)/店頭販売:95.8%(1537件))。
登録販売者 1.0%(1件)(令和元年度:0.0%(0件)/店頭販売:0.6%(10件))。
その他・わからなかった26.0%(25件) (令和元年度:17.3%(17件)/店頭販売:3.4%(55件))

前年度より「薬剤師」の対応率が9.8ポイント低下、「対応者資格不明」は8.7ポイント上昇した。
店頭販売の薬剤師または登録販売者の対応率が96.4%であるのに対して、ネット販売は73.9%22.5ポイント低く、対応者の資格管理が劣っている。

*「子供に飲ませても(使用しても)大丈夫か」、「この薬を飲むと眠くなるか」、「他の薬を飲んでいるが一緒に飲んでも大丈夫か」等を質問し、それに対応する注意事項(添付文書に記載されている事項)等が回答された場合を「適切な回答があった」とした。

次ページでは、第2類医薬品等を販売する際の対応状況について確認します。

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。