都道府県、措置命令権限を「活用できていない」が5割超
消費者庁が実施した「都道府県等への景品表示法上の権限の委任に関する意識調査」(※)によると、措置命令権限を「活用できている」が45%(「十分活用できている」6%、「ある程度活用できている」39%の計)に対して、「活用できていない」が51%(「活用できていない」22%、「あまり活用できていない」29%)と6ポイント上回っています。
措置命令権限活用の課題はノウハウ、知識不足
権限活用ができていないとする意見が過半数を超える中、景表法の運用課題について聞くと、「調査の手法についてノウハウが不足している」が最多で86%、次いで、「法令や各要件に関する知識が不足」76%が多くなっています。
「担当職員不足」51%、「事件が少なく経験を積み重ねることが難しい」45%、「指導か措置命令かの判断が難しい」45%が、5割程度となっています。
都道府県等の関係行政機関との連携に期待
ノウハウや知識不足を訴える都道府県等の取り組みとして、「景品表示法初任者研修・ブロック会議に参加」が90%、「消費者庁への相談」が84%と、関係行政機関と連携した情報共有が積極的に行われていることが読み取れます。
都道府県等においての景品表示法の執行力強化や関係行政機関相互間の連携強化に向けた取り組みとしては、以下のものがあります。
- 景品表示法ブロック会議(原則年2回、全国7ブロックで開催)
公正取引委員会と北海道・東北地区、関東甲信越地区、中部地区、近畿地区、中国地区、四国地区、九州・沖縄地区の各ブロックの都道府県等との連絡会議、景品表示法担当職員向けの研修を毎年度実施。 - 都道府県等において景品表示法執行に従事している職員を対象とした、景品表示法執行研修(原則年2回、消費者庁で開催)
- 景品表示法執行NETシステム
平成24年度から運用開始されている、景品表示法に関する調査情報共有ネットワーク - 消費者庁、公正取引委員会による都道府県等への景品表示法運用に関する助言
インターネット上の表示に対する違反事案が増える中、事業者の所在地に関わらず県をまたいだ処分が都道府県等によって行われています。
都道府県等への措置命令権限付与から7年が経過し、都道府県等の執行体制はまだまだ十分とは言えない状況ですが、今後、関係行政機関との連携が深まり、事件処理のノウハウや知識が高まることで、より活発化していくことが期待されています。
(※)
都道府県等への景品表示法上の権限の委任に関する意識調査
調査対象:
47都道府県及び条例で法執行権限を府県から移譲されている3市(新潟市、大阪市、鳥取市)。なお、県庁内の2つの部署が景品表示法の調査等を担当しているため、2つの部署から回答があった都道府県が1つあった。したがって、総回答数(N)は51(47+3+1)となっている。
調査期間: 令和3年8月~9月
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