根拠なし新型コロナの感染予防効果、34事業者41商品の表示に改善要請。消費者庁の緊急監視(第2弾) (消費者庁  2020年3月9日~3月19日)

消費者庁による、新型コロナウイルス感染症の拡大に乗じた、新型コロナウイルスに対する予防効果をうたったネット広告の緊急監視の第2弾です。

今回、第2弾の監視は、3月9日から3月19日までの期間で、34事業者による41商品(内訳、「いわゆる健康食品(31業者38商品)」、「アロマオイル(2事業者2商品)」、「光触媒スプレー(1事業者1商品)」について、緊急の改善要請を行いました。

改善要請を受けた主な健康食品の表示成分・食品:
ビタミン(A、C、D、グルタミンビタミン)、アルキルグリセロール、ジアスターゼ、オリーブ葉エキス、マヌカハニー、青汁、ポリフェノール、カテキン、プロテイン、松種子エキス、たんぽぽ茶、植物酵素、納豆、アリシン、あおさ海苔、乳酸菌、ウコン、水素水・水素サプリ

また、店舗のチラシ広告において「マスク入荷」のおとり広告を行っていた2事業者に対しても、再発防止の指導を行っています。

前回、第1弾監視では、2月25日から3月6日までの期間で、30事業者による46商品(内訳、「いわゆる健康食品(23業者40商品)」、「マイナスイオン発生器・イオン空気清浄機(4事業者3商品)」、「空間除菌商品(4事業者3商品)」)について、改善要請を行われ、全ての表示が改善されています。

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新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品の表示に関する改善要請等及び一般消費者等への注意喚起について(第2報)
(消費者庁 2020年3月27日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/019433/
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《改善要請を受けた表示》
いわゆる健康食品(カプセル、錠剤、粉末など):31事業者38商品
・今、世間をザワつかせている新型コロナウイルス、ビタミンD摂取の重要性が明らかに
・現代人のほとんどが欠乏症だった!?新型コロナウイルス対策に必要な「ビタミンD」
・コロナウイルスは日本中に蔓延している可能性は高く、感染予防としては、免疫力強化に即効性のあるビタミンC、ビタミンDサプリメントの摂取がお勧め
・新型コロナウイルス予防にはビタミンCではなくビタミンD、さらに亜鉛摂取で予防効果を高める
・新型コロナウイルス対策、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、グルタミンビタミン、オリーブ葉エキス
・新型コロナウイルス感染症対策&免疫力アップにオリーブ葉エキスが有効!
・新型コロナウイルスにも負けない体に!新型だろうが…なんでも来い!強力なウイルス対策ハーブ、オリーブの葉
・深海サメの肝油に含まれているアルキルグリセロールという成分が、新型コロナウイルスによる人体の免疫力破壊に対抗できる
・マスクや消毒スプレーが売り切れ続出!インフルやコロナウイルスから身を守るにはこれだ!はちみつと大根に含まれるジアスターゼという酵素でウイルス防御
・コロナウイルスの流行もまだまだ収まりそうもない、マスク入手が困難な今、マヌカハニーの力が、感染症からあなたを守る!
・新型コロナウイルス感染防止策に青汁
・新型コロナウイルス対策、ポリフェノールとカテキンを配合した青汁
・新型コロナウイルスの影響で体調管理に注目、青汁とプロテインでウイルス感染予防
・新型コロナウイルスが世界各地で確認、松種子エキスの抗ウイルス作用
・新型肺炎コロナウイルスの予防にはたんぽぽ茶
・新型肺炎の予防にはタンポポ茶と漢方
・植物酵素が細胞の活性化に作用、新型コロナウイルスが体内に侵入してきても負けない身体作り
アロマオイル:2事業者2商品
・新型コロナウイルス(COVID-19)予防対策精油
・非常に強力な抗菌、免疫賦活の特質の精油を配合、新型コロナウイルス(COVID-19)の予防対策用ブレンド精油。ラビィンツァラ、タイム、スターアニス、ジンジャー、シナモンカシア他 12 種類の精油をブレンド。
・新型肺炎対策用ブレンド精油、体内に入り込む前に精油を使って防御
光触媒スプレー:1事業者1商品
・新型コロナウイルス対策に!光触媒/除菌・抗菌・消臭スプレー、マスクや服に吹き付けたり、ソファーや壁、空間に吹き付けてもOK
・新型コロナウイルス、脅威のウイルス対策に、光触媒により菌やウイルスの根本となる DNA を破壊し不活化、光触媒でウイルス不活化全身ガード!

新型コロナウイルスについては、その性状特性が必ずしも明らかではなく、民間施設での試験などの実施も不可能な現状で、消費者庁は、「ウイルス予防商品」のウイルスに対する予防効果を裏付ける根拠は認められていないとしています。
このような表示は景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大 表示)に違反するおそれがあります。

前回同様、表示を行っている事業者が出店していたショッピングモール運営事業者への表示の適正化について協力要請と、消費者庁の公式ツイッターとフェイスブックを通じた一般消費者への注意喚起も行われています。

さらに、「マスク入荷」のおとり広告を行っていた2事業者に対して、景品表示法(おとり広告告示)の観点から再発防止の指導を行いました。昨今のマスクの供給がひっ迫している状況下において、マスクの在庫が十分ないにもかかわらず、チラシ広告において、在庫があるかのように表示していたとして問題となりました。

報道によると、2社はドラッグストアチェーン「ウエルシア」とディスカウントストア「ダイレックス」。
ウエルシアは自社HPにおいて、「新型コロナウイルス感染予防のために急激に需要が高まったことから、チラシ折込日の前日、一部店舗において十分な在庫を確保できないことが想定されたため、お詫びの告知を店頭とホームページにて掲載した」文書を掲載しています。


おとり広告に関する注意ポイントについては、以下の記事をご参考ください。
【景表法】目玉商品販売時の注意点

≪関連記事≫
・消費者庁、新型コロナウイルス予防商品緊急監視 30事業者による46商品の表示に改善要請(消費者庁  2020年2月25日~3月6日)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。