機能性表示食品の事後チェック指針案のパブコメ開始! 指針に対する消費者庁の思惑は?(消費者庁 2020年1月16日:公表)

今回のトピックは、最近動きが活発な機能性表示食品の規制動向です。

先週1月16日に、機能性表示食品の事後チェック指針案のパブリックコメントが開始されました!
事後チェック指針策定については、昨年12月の記事でも取り上げたところですが、2月14日のパブコメ終了後、年度内に指針の公表、4月から運用開始の予定となっています。

同日の伊藤消費者庁長官記者会見において、本指針についての国の考え方が語られています。

本指針の目的は、国が行う事後チェックの透明性を向上させることで、販売後の関係法令上の問題点を事業者が自主点検できるようにすることです。

消費者庁としては、本指針が運用されることによって、指針を守っていない問題がある事案について、様々な規制への対処にリソースを投入することができるメリットがあるとしています。

業界による、客観性を持った「第三者機関」の設立に対しても、期待をにじませています。
「第三者機関」により科学的観点から評価を受けてきたものであれば、その結果を踏まえた上での事後チェック体制が考えられるとして、そういった組織の活用を消費者庁としても推奨していきたい、と述べています。

法執行は最小限に留めつつ、事業者の自主管理の推進によりコンプライアンスの向上が図られるということは、理想的な市場形成につながることと思います。

2015年の4月の制度運用開始から間もなく5年。
社会に望まれる制度に育てるには、時間と努力が必要ですね。

———————–
伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(消費者庁 2020年1月16日)
https://www.caa.go.jp/notice/statement/ito/018640.html
———————–
———————–
「機能性表示食品に対する食品表示等関係法令に基づく事後的規制(事後チェック)の透明性の確保等に関する指針(案)」に関する意見募集
(消費者庁 2020年1月16日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/018613/
———————–

《関連記事》
・令和の健康食品広告の法規制動向と事業者のコンプライアンス傾向

・「葛の花」16社に、機能性表示食品で初の景表法措置命令。届出内容と表示の整合性
(消費者庁:平成29年11月7日)

======================================
◆広告法務コンサルティング・社員教育◆
販促・広報戦略、商品表示・広告チェック社内体制構築等、
社外専門家としてのノウハウとサポート
詳細はこちら
======================================

————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの1週間分の情報を、ダイジェストでお届けしています。

登録はこちら

————————————————————-

関連記事

  1. 消費者庁 健康食品広告ネット監視 2019年度第3四半期は82事業者(…

  2. 「健康情報提供」と「広告」の境目。「検索誘導」も「リンク」と同等の判断…

  3. 令和元年度食品表示法違反「指導」件数は169件 加工食品では「原材料名…

  4. 年末一斉、食品表示の取締り。猶予期限が来年3月末に迫った食品表示新基準…

  5. JAROへの苦情媒体、ネット広告が53%増。動画広告が4倍に。 (日本…

  6. デジタル・プラットフォーマーによる個人情報の取扱い、独占禁止法に基づく…

コメント

最近の記事

2025年2月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  

久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。