消費者庁 健康食品広告ネット監視 30年度第1四半期は105事業者(119商品)の表示に改善要請

平成21年度より継続実施されている、消費者庁による健康食品等の虚偽・誇大表示のインターネット監視。
平成30年4月~6月の結果が平成30年8月22日に公表されました。

ネット監視の方法は、ロボット型全文検索システムを用いて、キーワードによる無作為検索の上、検索されたサイトを目視により確認するというもの。
28年度から29年度上半期までは、検索キーワードは年間を通じて複数のテーマで検索する運用を行っていましたが、第3四半期以降、四半期ごとの検索テーマを設定する運用に戻しています。

今回の監視では105事業者(119商品)の表示について、健康増進法に違反するおそれのある文言等を含む表示があったとして、消費者庁がこれらの事業者に対し、表示の適正化を求めるとともに、ショッピングモール運営事業者へも協力を要請しています。

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インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について
(平成30年4月~平成30年6月)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/pdf/extravagant_advertisement_180822_0001.pdf
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●新検索キーワードに「うつ」、「脳梗塞」、「豊胸」
今回(平成30年4月~平成30年6月)の検索キーワードは、以下の3テーマとなっています。これまで常に検索ワードとなっていた、「がん」、「動脈硬化」、「糖尿病」に代わって「うつ」、「脳梗塞」が盛り込まれています。
また、今回新たに「豊胸」が取り上げられています。

・「うつ」、「脳梗塞」等の疾病の治療又は予防を目的とする効果があるかのような表現
・「ストレス」等の身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果があるかのような表現
・「ダイエット」、「豊胸」等の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変える効果があるかのような表現

【今回、適正化を要請された表示例(一部)】

今回検索ワードとなった「豊胸」については、消費者庁が7月30日にバストアップサプリの通販を行っていた(株)GLORIAに対し、景品表示法に基づく措置命令を出しています。
消費者庁は平成28年6月30日付けで公表した「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」について、啓発パンフレット等を活用し、健康食品を販売する事業者等に対して周知啓発を図っています。
本ガイドラインが、虚偽・誇大広告規制の判断基準とされていますのでしっかりチェックしておきましょう。

●健康⾷品に関する景品表⽰法及び健康増進法上の留意事項について(要約版)
(パンフレット:消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_9.pdf

●健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について
(全部改定 平成 28 年6月 30 日 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_8.pdf

また、消費者啓発として健康食品に関するパンフレットやリーフレットを公表しています。
国の考え方を理解する上で、併せて確認しておくとよいでしょう。

健康食品Q&A(2017年10月 消費者庁)

健康食品5つの問題(2017年10月 消費者庁)

≪関連記事≫
・インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視状況(消費者庁)
平成30年1月~3月

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。