JARO と粧工連の化粧品のネット広告共同調査 85%に問題表示のおそれ (平成28年10月12日 日本広告審査機構 日本化粧品工業連合会)

日本広告審査機構(JARO)と日本化粧品工業連合会(粧工連)が共同で、化粧品(医薬部外品含む)のネット広告・表示の調査を行いました。

広告調査は、スキンケア関連の12のキーワード(※)検索により掲載されたリスティング広告(検索連動型広告)とリンク先の商品説明ページを対象に、「医薬品等適正広告基準」への適合性の観点から分析されています。
※キーワード:
①「スキンケア 化粧水」②「スキンケア ローション」③「スキンケア 美容液」④「スキンケア乳液」⑤「スキンケア クリーム」⑥「スキンケア オールインワン」⑦「化粧水」⑧「ローション」⑨「美容液」⑩「乳液」⑪「クリーム」⑫「オールインワン」 計 12 キーワード

調査対象となった300件の広告・表示のうち、85%に問題表示のおそれがあったと報告されています。
今回初めての共同調査ですが、ネット通販の普及に伴い、消費者保護の観点からインターネット上の広告・表示の適正化は急務であるとしています。

調査概要を確認します。

【調査結果概要】
1.300 件の広告・表示の中で 203件(85%)に問題表示のおそれ
2.リンク先の商品説明ページの 83.3%、リスティング広告の 22.3%に問題表示のおそれ
3.商品カテゴリー別では 1 位が美容液の 57 件(19.6%)、2 位がセット商品(17.9%)、化粧水で同数の 52 件(17.9%)
※ 問題表示のおそれがある広告・表示 255 件の商品数は 291。
4.違反内容は、基準 3(6)(効能効果又は安全性の保証)が 216件でトップ
5.問題表示のおそれのある体験談が179 件(59.7%)

1.300 件の広告・表示の中で203件(85%)に問題表示のおそれ
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2.リンク先の商品説明ページの83.3%、リスティング広告の22.3%に問題表示のおそれ
抽出数 300 中で、「LP のみに問題表示のおそれ」が 188 件。「L および LP 共に問題表示のおそれ」62 件を合わせると 250 件となり、全体の 83.3%がLP に何らかの問題表示のおそれがある。
また、リスティング広告での問題のおそれは67件、22.3%となった。
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3.商品カテゴリー別では1位が美容液、2位がセット商品、化粧水、3位がオールインワン
問題のおそれがあった広告・表示 255 件の商品数は 291 商品。
1位が「美容液」で57件(19.6%)、2位が同数で「セット商品」「化粧水」が52件(17.9%)、3位が「オールインワン」38件(13.1%)となった。
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4.違反内容は、基準 3(6)(効能効果又は安全性の保証)が 216件でトップ
「医薬品等適正広告基準」違反のおそれの内訳は、基準 3(6)(効能効果又は安全性の保証)が 216件でトップ。次に基準 3(3)(承認を要しない化粧品についての効能効果等の表現の範囲)が187件、3 位が基準 3(4)(医薬品等の成分及びその分量又は本質並びに医療機器の原材料、形状、構造及び寸法についての表現の範囲)が100件。
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5.問題表示のおそれのある体験談が179 件(59.7%)
体験談における基準 3(6)(効能効果又は安全性の保証)の問題表示は179件(59.7%)となり、全体の 6 割近くを体験談の問題表示が占めている。
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結果を受けて粧工連は、行政との情報共有・連携を図るとともに、関係団体(日本アドバタイザーズ協会・日本広告業協会・日本インタラクティブ広告協会・日本通信販売協会)等への協力要請も行うとしています。
また、加盟する会員(約1150社)に対しては、ネット広告の適正化推進要請を行い、非会員に対しては意識啓発の方策を検討するとしています。

本ブログでも化粧品・健康雑貨広告の薬機法規制をクイズ形式で解説しています。
ぜひチェックしてみてください。

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。