食品の異物混入相談、2009年度以降累積で約 16,000件(国民生活センター 平成27年1月)

先日の記事では、食品の異物混入に関する行政の動向と、都内の保健所等に寄せられた最近の苦情状況についてご紹介しました。

消費者庁は、1月9日、消費者から健康被害につながるおそれが否定できない異物混入等の相談情報が寄せられた際には、保健所に情報が共有されるよう都道府県や国民生活センターなどに協力を要請しました。

健康被害の恐れがある場合は、事業者による原因究明や再発防止が適切に行われるよう保健所などが監視指導を行うということです。
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食品への異物混入等に関する消費者からの相談情報への対応について
地方自治体等に通知を行いました(消費者庁 平成27年1月9日)
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/150109kouhyou_2.pdf
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1月26日には、国民生活センターが、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に登録された「食品の異物混入」(注)に関する相談の概要を公表しました。
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食品の異物混入に関する相談の概要(国民生活センター 2015年1月26日)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20150126_1.html
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(注)
「異物混入」に関する相談のうち、主な商品・役務である「食料品」と「外食・食事宅配」を合わせたもの。

内容をご紹介します。

●食品の異物混入相談、2009 年度以降累積で約16,000件、そのうち危害情報は約3,000件
「食料品」異物混入(14,656件)と、そのうち危害情報(2,583件)の年度別件数は図1、「外食・食事宅配」異物混入(1,438件)と、そのうち危害情報(608件)の年度別件数は図2の通り。
「食料品」および「外食・食事宅配」に関する相談における「異物混入」に関する相談は約 5.4%を占めている。
「食料品」および「外食・食事宅配」に関する危害情報について、「異物混入」に関するものは約 23.4%を占めている。
異物混入件数(国セン)
※図1の 2013 年度の「食料品」異物混入相談 6,219 件のうち 3,583 件(危害情報は 1,362 件のうち 956 件)は、2013年度特有の冷凍食品への農薬(マラチオン)の混入事案に関するもの。

●「食料品」では、「歯が欠けた」「歯が痛い」などの「その他の傷病及び諸症状」(注)が最多
2014 年度受付分(2015 年 1 月 10 日までの登録分)について、「その他の傷病及び諸症状」が77 件、次いで「刺傷・切傷」が 69 件、さらに「消化器障害」が 58 件と続く。(表1)
(注)
「その他の傷病及び諸症状」とは、「骨折」「脱臼・捻挫」「切断」「擦過傷・挫傷・打撲傷」「刺傷・切傷」「頭蓋(内)損傷」「内臓損傷」「神経・脊髄の損傷」「筋・腱の損傷」「窒息」「感覚機能の低下」「熱傷」「凍傷」「皮膚障害」「感電障害」「中毒」「呼吸器障害」「消化器障害」に該当しないもので、「不明」を除いたもの。
異物混入危害内容(国セン)

●異物が入っていた食品、1 位「調理食品」、2 位「穀類」、3位「菓子類」
食品の異物混入に関する相談(1,852 件)のうち、「食料品」の 1,656 件について、異物が入っていた食品ごとの件数では、「調理食品」が 1 位で 471 件、「穀類」が 2 位で 277 件、「菓子類」が 3位で 213 件となっている。
さらに食品の内訳をみると、ハンバーグなどの総菜などを含む「他の調理食品」が、「弁当」とともに 104 件と最多、次いで、「米」が 90 件、「冷凍調理食品」が 88 件と続く。(表2)
異物混入食品内容(国セン)

●異物の内容、虫などの混入が最多(345 件)、金属片などが次に多い(253 件)
「食料品」の相談1,656 件について、食品ごとに異物の内容をみると、ほとんどの食品で「虫など」や「金属片など」が多くなっている。
一方、「外食・食事宅配」の 196 件の異物の内容では、毛髪や体毛などの「人の身体に係るもの」が 33 件で最多となっている。(表4)
異物内容(国セン)

●相談内容、「品質・機能、役務品質」や「安全・衛生」に関する相談のほか、「接客対応」に関する相談が多い
食品の異物混入に関する相談(1,852 件)について、相談の内容別にみると、「品質・機能、役務品質」に関する相談が 1,513 件と最も多く、次いで「安全・衛生」に関する相談が 1,414 件、さらに「接客対応」に関する相談が 635 件となっている。(表 5)
異物混入相談内容(国セン)

具体的な内容としては、「品質・機能、役務品質」に関する相談では、異物が見つかり、どうしたらよいかわからず、申し出先や相談先を知りたい等の事例が目立つ。(事例4,5)。
「安全・衛生」に関する相談は、衛生面に不安を抱いている相談が多くを占めるが、中にはけがをしたという危害情報も含む。(事例1~3)
「接客対応」に関する相談には、「事業者へ申し出たのに、その後連絡がない」「現物も確認せずに、製造過程で混入する可能性が低いと言われた」「調査した結果、原因不明とされた」など事業者の対応に関わる相談となっている。(事例6~8)

《相談事例》
(1)「食品の異物混入」に関する危害事例
【事例1】魚のフライに釘が混入し、食べたところ腹痛と嘔吐した
【事例2】牛丼を食べたら混入していた骨が刺さり、口の中が血だらけになった
【事例3】ハンバーガーに硬いものが混入し、食べたら歯がぐらつくようになった

(2)「品質・機能、役務品質」に関する相談事例
【事例4】スパゲティに虫が混入しているが、どのように対処したらよいか
【事例5】とんかつに輪ゴムの様な異物が混入していたが、店に言うべきか

(3)「接客対応」に関する相談事例
【事例6】ウインナーの袋を開封したら、生きている芋虫が出てきた。メーカーに連絡したが、現物を見る前に製造過程での混入の可能性は低いと言われた
【事例7】カップめんにウジ虫が混入。工場での混入は認められないという調査結果に不満
【事例8】パフェにガラス片が混入。店長不在のため、後で連絡すると言ったのに連絡がこない

メーカーやサービス提供者は、異物混入等で健康被害が生じていない場合は、その商品代金だけを返金すれば、消費者など購入者に対する会社の法律上の責任は果たすことになります。

ただ、マニュアル通りの対応だけでは、事例のように消費者に不満を残してしまうこともあります。「工場での混入は認められず、メーカーに責任はない。」といった、自社の責任範囲のみに固執せず、事故原因究明の調査と、迅速で正確な情報提供に努める姿勢を伝えましょう。

ただし、損害が生じたとして代金以上の金銭を要求されるなど、悪質な被害者に対しては真摯な態度でありながら、断固とした対応が必要です。

《関連記事》
・異物混入 保健所情報共有を自治体に協力要請(消費者庁)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。