国の都道府県との連携・監視強化!26年度の消費者庁の広告表示適正化への取組

前回の記事では、消費者庁の「景品表示法の運用状況及び消費者取引の適正化への取組」(※1)より、景表法違反状況を取り上げました。
今回は、26年度の消費者庁の表示適正化への具体的な取組について報告します。
自社のコンプライアンス対策に、チェックしてみてください。

●景品表示法の改正
●事業者が講ずべき管理上の措置に対する指針と執行
●公正競争規約の変更
●インターネット上の広告表示の監視調査は継続中
●法改正で都道府県との連携、更に強化
●健康食品に対する景品表示法と健康増進法との一体的な執行

●景品表示法の改正
6月改正法(平成26年12月1日施行)
・事業者への、不当表示等発生防止のために必要な体制の整備を義務化。
・都道府県知事への、措置命令権限及び合理的根拠提出要求権限付与。
・事業所管大臣又は金融庁長官に対して、緊急かつ重点的に不当表示等に対処する必要がある場合の調査権限委任。

11月改正法(公布の日(平成26年11月27日)から起算して1年6月以内に施行)
・景品表示法への課徴金制度導入

●事業者が講ずべき管理上の措置に対する指針と執行
・不当表示等の発生を防止するために、事業者が講ずべき必要な体制の整備その他の必要な措置について、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を公表。
・事業者が講ずべき措置について、消費者庁は必要な指導及び助言、勧告をすることができ、勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。26年度は「指導及び助言」が1件となった。

●公正競争規約の変更
平成26年度に消費者庁長官及び公正取引委員会の認定した規約変更7件のうち、内容に実質的な変更があったものは次のとおり。

タイヤ(表示):
低燃費タイヤを意味する用語に関する規定の追加、低燃費性能を等級又は数値で表示する場合の規定の追加等の変更。(4月16日認定、4月25日官報告示)
・「タイヤの表示に関する公正競争規約」(表示規約)の一部を変更
http://www.tftc.gr.jp/data/info_kiyaku_henkou.pdf

旅行(表示):
告知広告に関する規定の追加、協議会マーク及びロゴマークを規定する等の変更。
(6月12日認定、6月24日官報告示)
・募集型企画旅行の表示に関する公正競争規約、同施行規則及び運用基準の一部変更について
http://www.kotorikyo.org/topics/140626_2/index.html

家電小売(表示):
未使用品に関する規定の新設、セット販売する際の価格表示に関する規定等の変更。
(7月15日認定、7月25日官報告示)
・家庭電気製品小売業における表示に関する公正競争規約、同規約の施行規則及び同規約の運用基準の一部変更について
https://www.eftc.or.jp/news_20140725.html

●インターネット上の広告表示の監視調査は継続中
・消費者庁では、一般消費者に「電子商取引表示調査員」として、インターネット上の広告表示の調査を委託している。
・26年度は、1,216件(前年度1,174件)が報告され、そのうち、景品表示法違反の問題があると認められたサイトは、116サイト(前年126サイト)98事業者(前年123事業者)。景品表示法の未然防止の観点から注意が行われた。
・「ストールの組成に係る表示の適正化について」の公表
オンラインショッピングサイトにおいて販売されるカシミヤ使用を標榜するストールの表示に関して調査を実施。家庭用品品質表示法及び景品表示法上問題となる表示を行っていた18事業者に対して指示・指導を行う。
指示・指導の対象となった事例の概要を公表した。(平成26年6月26日)

・カシミアストール表示違反。家庭用品品質表示法と景品表示法の観点

●法改正で都道府県との連携、更に強化
・平成26年度からの新たな取組として、都道府県における景品表示法の執行力の強化に向けて、平成26年4月、11月に、都道府県(及び公正取引委員会事務総局地方事務所・支所等)の景品表示法担当職員向けに研修を実施。
・消費者庁は北海道・東北地区、関東甲信越地区、中部地区、近畿地区、中国地区、四国地区、九州・沖縄地区のブロックごとに都道府県との連絡会議を開催。
・都道府県職員対象の執行研修や、都道府県が行う景品表示法の運用に関して助言を行う。
・消費者庁は、都道府県と情報共有を図るため、景品表示法に関する法執行NETシステムを整備し、平成24年4月1日から施行。(※2)
これにより、都道府県と消費者庁とが情報共有の緊密化、協力関係強化を図っている。

●健康食品に対する景品表示法と健康増進法との一体的な執行
・消費者庁の食品表示対策室において、平成26年度においては、景品表示法措置命令6件(前年度4件)及び指導54件(前年度63件)のほか、健康増進法第32条の2第1項(虚偽・誇大広告の禁止。平成27年4月1日以降、健康増進法第31条第1項へと条文番号が変更)に違反するおそれがある事案について20件(前年度10件)の指導を行った。
・「いわゆる健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」の一部改定。(平成27年1月13日)
景品表示法に基づく措置命令を行った事例を追加。
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/150113premiums_3.pdf

26年度は景表法違反の処分件数は減少しましたが、法改正により都道府県との連携や監視強化の流れはさらに進むと考えられます。
事業者が講ずべき管理上の措置に対する勧告や公表の実績は上がっていませんが、事業者の皆さんには、一層の管理体制への取り組みが求められます。
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(※1)
平成26年度における景品表示法の運用状況及び表示等の適正化への取組
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/150618premiums_3.pdf

《関連記事》

・景表法課徴金は対象売上高の3%、課徴金賦課の対象外となるケースは?(消費者庁 平成24年8月26日)

・景表法改正、事業者が講ずべき広告表示の適正管理の指針案(消費者庁 平成24年8月8日)

・景表法改正、広告表示の適正管理のための7つのポイン+1

景表法改正案閣議決定!急務となる事業者コンプライアンス対策

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。