消費者庁は2025年2月28日に、和洋家具、室内装飾品、事務機器、寝具等の販売を行う長谷川産業(株)(北海道帯広市)が運営する自社ECサイトに対し、景品表示法(有利誤認)の措置命令を行いました。
対象となったのはオフィスチェアなど53商品についての、販売実績のない「通常価格」での二重価格表示です。
販売実績のない「通常価格」での有利誤認表示での処分は、令和6年度において4事案目となります。
【令和6年度違反事例】
・提供実績のない通常授業料50%割引表示に有利誤認。ネイルスクール運営の(株)デザインワードに措置命令 (消費者庁:2024年12月17日)
・通信講座サイトの二重価格と期間限定キャンペーンに有利誤認。キャリカレ2度目の措置命令 (消費者庁:2024年7月19日)
・「直送」「火葬」サービス(株)那覇直葬センターに景表法措置命令。(消費者庁 2024年5月30日)低価格を訴求する際の注意ポイントは?
処分内容と、問題となった二重価格表示における通常価格での販売実績の有利誤認の考え方を確認します。
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長谷川産業株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁:2025年2月28日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/041261
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【違反内容】
対象商品:
「スイデコ公式ネットショップ」と称する自社ウェブサイトにおいて供給する53商品
表示媒体:
「スイデコ公式ネットショップ」と称する自社ウェブサイト
期間:
遅くとも2024年5月18日から8月26日までの間
同年9月1日から9月18日までの間
同年9月26日から10月4日までの間
表示内容:
例えば、「回転オフィスチェア ミッテ2」と称する商品について、「通常価格:\25,190 10%税込(+送料 \2,310~) \18,590 10%税込(+送料 \2,310~)」と表示。
あたかも、「通常価格」と称する価額は、本件53商品について通常販売している価格であり、実際の販売価格が当該「通常価格」に比して安いかのように表示していた。
実際:
通常価格は、本件53商品について最近相当期間にわたって提供された実績のないものであった。
【表示例】

「最近相当期間にわたって販売されていた価格」か否かの判断基準
「最近相当期間にわたって販売された実績のない価格」とみなされた本事案の「通常授業料」と称する比較対照価格ですが、公正取引委員会が示すガイドライン(※)では、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」の一般的な目安として、以下の要件をすべて満たすことが示されています。
1)二重価格表示を行う最近時(セールの各時点において、その時点からさかのぼる8週間が目安)において、「通常価格」で販売されていた期間が当該商品の販売期間の過半を占めていること。(8週間未満の場合はその過半)
2)「通常価格」での販売期間が通算して2週間以上であること。
3)「通常価格」で販売された最後の日からセール開始時までに2週間以上経過していないこと。
《注意》
セール開始時点では1)の要件をクリアしていても、セール期間が4週間を超えると、「通常価格」での販売期間が8週間の過半を満たさなくなるため、そのまま二重価格表示を続けることは不当表示となるおそれがあります。
セール期間が4週間を超える場合は、消費者の誤認を防ぐために、セール開始時点でセール期間を明示しておくことが求められます。
本事案では、「通常価格」で販売されていた期間について公表されていないため、どの要件に抵触したのかは特定できません。
しかし、同一の「通常価格」で連続して二重価格表示を行なっていた期間が2024年5月18日から8月26日と14週間強となっており、セール期間の明示もないことから、少なくとも1)の要件を満たしていないことが推定されます。
(※)
◆不当な価格表示についての景品表示法上の考え方
(平成12年6月30日公正取引委員会 改定 平成28年4月1日消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/pdf/100121premiums_35.pdf
本件と同様、販売実績のない「通常価格」での二重価格表示が問題となった措置命令事案は多数あります。二重価格表示における通常価格での有利誤認の考え方と、期間限定キャンペーンの留意事項について、以下の記事で詳しく解説しています。
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