改正景表法、初の確約計画認定。パーソナルジム運営caname、期間限定キャンペーン表示 (消費者庁:2025年2月26日)

2024年10月1日施行の改正景品表示法による、初の確約計画認定です。
消費者庁は2月26日に、パーソナルジムの運営(直営及びフランチャイズ等)を行うcaname(株)(東京都渋谷区)の景品表示法違反被疑事件に対し、景品表示法第31条第3項の規定に基づく確約計画の認定を行いました。

確約計画認定とは、改正景品表示法に導入された確約手続において、違反被疑行為をした事業者が、自主的に違反被疑行為及びその影響を是正するための是正措置計画等を作成・申請し、その措置内容や実施の確実性について内閣総理大臣(消費者庁長官)から認定を受けるものです。
事業者が認定を受ける効果としては、措置命令・課徴金納付命令の適用を受けません。
ただし、法運用の透明性及び事業者の予見可能性を確保する観点から、認定した確約計画の概要、違反被疑行為の概要、認定を受けた事業者名等は公表されます。
(公表に当たっては、景表法の規定に違反することを認定したものではないことが付記されます。)

今回認定を受けた確約計画における違反被疑行為は、期間限定での入会金割引をうたいながら、期限後も割引されるものであり、有利誤認表示の疑いです。
違反被疑行為の概要、認定された確約計画の概要について確認します。

———-
caname株式会社から申請があった確約計画の認定について
 (消費者庁:2025年2月26日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/041208
———-


【違反被疑行為の概要】

対象役務:
「かたぎり塾」と称するパーソナルジムにおいて提供する運動指導
表示媒体:
自社ウェブサイト
期間:
2020年9月1日から2024年7月31日までの間
表示内容:
あたかも、表示されている期限までに本件役務の無料体験を行い、無料体験当日に入会した場合に限り、通常50,000円の入会金が値引きされるかのように表示していたが、実際には、表示していた期限後であっても、無料体験当日に入会した場合は、入会金が値引きされるものである疑いがあった。

【表示例】

(消費者庁発表資料より抜粋)

【確約計画の概要】

1)本違反被疑行為と同様の行為を行わない旨を取締役会で決議すること
2)本行為の内容について一般消費者に周知徹底すること
3)本行為及び同種の行為が再び行われることを防止するための各種措置を講じること
4)本行為を行っていた期間に「かたぎり塾」に入会した一般消費者に対し、支払われた入会金の一部を返金すること
5)1)~4)の措置の履行状況を消費者庁に報告すること

canameの確約認定事案から、確約手続きの流れ、確約計画の認定要件について確認します。
(会員限定コンテンツです。会員登録(無料)はこちらから

===================================
◆フィデスの美・健広告法務オンライン講座◆
法律を「知っている」から、実務で「判断」「活用」
できるコンプライアンス対応力向上を図ります。
詳細はこちら
===================================

===================================
◆フィデスの広告法務コンサルティング◆
消費生活アドバイザーが、貴社の広告コンプライアンス
体制構築をサポートします。
詳細はこちら
===================================

————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの更新情報を、ダイジェストでお届けしています。
登録はこちら
————————————————————

関連記事

  1. 「chocoZAP」の不当表示にみる打消し表示の問題点と、SNSタイア…

  2. 言歩木のアイケア酵素飲料に景表法措置命令と課徴金1814万円(消費者庁…

  3. ステラ漢方に景表法措置命令。 ダイエットサプリ痩身効果表示は消費者庁5…

  4. 東京都 子供用ライフジャケットの浮力表示に優良誤認の景品表示法措置命令…

  5. 課徴金額16億円超となった中国電力の電気料金プランの非公正な料金比較表…

  6. 東京都に続き静岡県も!「骨気(コルギ)」小顔矯正事業者に景表法不実証広…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

最近の記事

2025年3月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。