通販定期購入に対する、特定商取引法の誇大広告(12条)+最終確認画面の表示違反(12条の6)を適用条項とした法執行が続いています。
消費者庁は、2025年3月13日、ダイエット食品等を販売する通信販売業者である(株)フォックス(本店所在地:京都府京都市)と同社の代表取締役 成松伸朗に対して、特定商取引法違反で6カ月間の業務停止(禁止)を命じました。
今回の事案では、第12条の誇大広告については、ダイエット食品の合理的根拠のない痩身効果に対する第12条の2の規定に基づく優良誤認認定でした。
定期購入契約の最終確認画面の表示違反では、商品の初回引渡時期の非表示と、定期購入契約で2回目を受け取らず解約する際の違約金の誤認表示となっています。
処分の内容について確認します。
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通信販売業者【株式会社フォックス】に対する行政処分について
特定商取引法違反の通信販売業者に対する業務停止命令(6か月)及び指示並びに
当該業者の代表取締役に対する業務禁止命令(6か月)について
(消費者庁 2025年3月14日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/041431
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【事業概要】
処分対象事業者:株式会社フォックス(本店所在地:京都市山科区)
取扱商品:「Re-CABO」(リカボ)と称するダイエット食品等
取引類型:通信販売 自社が運営するウェブサイト「https://foxinc.co.jp/lineup/」
代表者:代表取締役 成松 伸朗
【認定した違反行為】
同社は、次のとおり、特定商取引法の規定に違反する行為をしており、通通信販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認められた。
(1)誇大広告(優良誤認)(特定商取引法第12条)
少なくとも2024年8月15日から同年10月29日までの間、本件商品の効能について以下の広告をしていた。
あたかも、本件商品を摂取しさえすれば、誰でも、容易に、体重を10キログラム減少させることができる痩身効果を得られるかのような表示及び食事の摂取量にかかわらず、体重が増加することのない効果を得られるかのような表示。
(1)「肥満患者専用 脂肪吸引級の体重激減ができる “コレ”さえ飲めば 1週間で-10kgは確実なんです!」
(2)「糖代謝向上で-10kgを誰でも簡単に達成することができたってわけなんです」との表示とともに、本件商品の効能を示す画像の表示、
(3)「コレは摂取した糖質全てをエネルギーとして消費できるリカボならでは! どれだけ食べても、太らない体が勝手に手に入るんです!」
(4)「どんだけ食べても太らない半永久的に『奇跡の体質』『最強の体型』を手に入れられるんです」
消費者庁は、フォックスに対し、特定商取引法第12条の2の規定に基づき当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されなかった。
よって、商品の効能につき、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させるような表示に該当するものとみなされる。
【表示例】本件商品の効能に関する表示(2)

(2)最終確認画面における表示義務違反(特定商取引法第12条の6第1項)
少なくとも2024年8月15日から同年10月29日までの間、チャットボットページ上における定期購入契約の最終確認画面上において、商品の初回引渡時期について表示していなかった。
(3)最終確認画面における誤認表示(特定商取引法第12条の6第2項)
少なくとも2024年8月15日から同年10月29日までの間、定期購入契約で2回目を受け取らず解約する際の違約金の表示について、商品の売買契約の解除に関する事項につき、人を誤認させるような表示をしていた。
実際には、「特定商取引法に基づく表記」ページに表示されている、送料込通常価格10,480円と初回価格500円の差額である、9,980円が請求されるにもかかわらず、最終確認欄において、「通常価格9,980円から初回価格500円を引いた9,480円のキャンセル料を頂戴いたします。(すべて税込)」と表示。
【表示例】定期購⼊契約の最終確認画面

【処分の内容】
(1)業務停止命令
内容:
通信販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
1)フォックスが行う通信販売に関する商品の販売条件について広告を行うこと。
2)フォックスが行う通信販売に関する商品の売買契約の申込みを受けること。
3)フォックスが行う通信販売に関する商品の売買契約を締結すること。
期間:
2025年3月14日から2025年9月13日まで(6か月間)
業務停止命令に違反した場合は、行為者に対して3年以下の懲役又は300万円以下の罰金又はこれを併科する手続きを、法人に対しては3億円以下の罰金を科する手続きを行うこととなっています。
(2)指示
1.前記違反行為の発生原因について検証し、違反行為の再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築(法令及び契約に基づく返金及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。)して、これを同社の役員及び従業員に、業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
2.2024年8月15日から2025年3月13日までの間にフォックスとの間で本件売買契約を締結した全ての相手方に対し、消費者庁のウェブサイトに掲載される、業務停止命令及び本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、2025年4月14日までに文書により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに文書により報告すること。
3.誇大広告の内容を消費者に周知すること。
4.今後、フォックスが行う通信販売について、特定商取引法の各規定を遵守すること。
上記指示に違反した者には、6月以下の懲役又は100 万円以下の罰金、又はこれを併科、違反が法人の業務の場合には、行為者を罰するほか、その法人に対し100 万円以下の罰金が課せられます。
また、本件では、フォックスの代表取締役 成松 伸朗に対して、同社が命ぜられた業務停止の範囲内の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を6か月間禁じる処分が下っています。
※成松は、フォックスの代表取締役であり、かつ、同社が停止を命ぜられた業務の遂行に主導的な役割を果たしていた。
上記指示に違反した者には、個人は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金が科せられます。
続く、誇大広告(12条)+最終確認画面の表示義務違反(12条の6第1項)による法執行
2024年3月15日の(株)サン(健康食品)、4月9日の(株)オルリンクス製薬(健康食品)、4月18日の(株)HAL(電子たばこ)、10月4日(株)SUNSIRI(美容クリーム)、10月16日(株)HappyLifeBio(美容液)、12月20日(株)VERIFY(美容クリーム)に続き、今回で7事案目となります。
《処分事例記事》
・美容クリームの通販定期購入でVERIFYに特商法業務停止命令(6カ月)。誇大広告はシワ・シミ改善効能の優良誤認と販売条件の事実相違を違反認定 (消費者庁 2024年12月23日)
・美容液のシミ改善効果+通販定期購入でHappyLifeBioに特商法業務停止命令(9カ月)。続く、誇大広告+最終確認画面の表示義務違反による法執行 (消費者庁 2024年10月16日)
・特商法でも不実証広告規制による違反認定。美容クリームのシミ・しわ改善効果+通販定期購入でSUNSIRIに特商法業務停止命令(3カ月) (消費者庁 2024年10月4日)
・電子たばこのネット通販定期購入(株)HALに特商法業務停止命令(3カ月)。「メーカー希望小売価格」に誇大広告認定 (消費者庁 2024年4月18日)
・定期購入契約が容易に解約できるかのような表示。ネット通販定期購入オルリンクス製薬に特商法業務停止命令(3カ月) (消費者庁 2024年4月10日)
・No.1不当表示、特商法の通信販売規制でも。法改正後2件目の処分、ネット通販定期購入(株)サンに業務停止命令(3カ月) (消費者庁 2024年3月15日)
通販定期購入による消費者被害が沈静化するまで、誇大広告(12条)+最終確認画面の表示義務違反(12条の6第1項)による法執行は続くことが予測されます。
特定商取引法のポイントについて、以下の記事で解説しています。
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≪参考記事≫
・改正特商法対応急務、「最終確認画面」の義務表示事項と定期購入での禁止表示のポイント(2022年6月1日施行)
・消費者保護の更なる強化。特商法・消契法の改正案閣議決定(平成28年3月4日)
・特商法改正後初の処分。ネット通販定期購入(株)LITに特商法による業務停止命令(6カ月)。積極的な消費者被害救済の指示も(消費者庁 2023年6月28日)
・ネット通販定期購入(株)BIZENTOに特商法による業務停止命令(3カ月)。「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン(案)」のパブコメ開始(東北経済産業局 2021年11月25日)
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