●転倒流水対策Sマーク認証基準を超える、行き過ぎた性能表現が問題に
タイガー魔法瓶は措置命令を受けた同日に、発表した「電気ケトル「PCK-A080」に関するお詫びとお知らせ」において、「本件表示は景品表示法違反とされたが、商品は第三者認証機関である一般財団法人日本品質保証機構等の「電気湯沸器(電気ケトル及び電気ポット)の転倒流水対策に係る取り扱い運用」(※3)に定めるSマーク認証基準を満たす性能を有しており、転倒時のお湯もれによる事故の未然防止の観点からは十分な安全性を備えているため、今後も安心して使用できる」と説明しています。
Sマーク認証基準の試験条件では、水平に保ったゴムなどの滑り止めのある台の上に製品本体を載せ、静かに台を傾けて行き、厚さ30mm のラワン板上に転倒させた際の湯の流出量が50mL 以下であることとされています。
本件テレビコマーシャルでのシーンのように、つまずいて商品をソファ上に落とすといった衝撃を与えるものではなく、また、50mL以下であれば湯の流出が認められるものです。
(※3)
電気湯沸器(電気ケトル及び電気ポット)の転倒流水対策に係る取扱運用
(電気製品認証協議会 2013年3月22日付制定)
http://www.s-ninsho.com/pdf/tsuika11_kijun.pdf
転倒時のお湯もれ防止機能の安全性は確保されていたものの、それを強調するあまり、優良誤認表示と認定されてしまったケースといえます。
広告制作にあたっては広告で訴求する内容と根拠データとが適切に対応したものとなるよう、十分注意が必要です。
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続く、東京都の子供用ライフジャケットの浮力表示に対する景品表示法措置命令(東京都 2020年4月7日)
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