アマゾン出品事業者「100%カシミヤ」虚偽表示に消安法の注意喚起 DTFの対応は?(消費者庁 2021年12月17日)

アマゾンで「素材構成 100%カシミヤ」などとうたったストールの広告が偽物であるとして、消費者庁は12月17日、消費者安全法に基づき出品事業者3社の社名を公表し消費者への注意喚起を行いました。

ECモールサイトでの偽表示販売事業者に対する注意喚起では、2020年4月に、アマゾンで偽ブランド品を販売していた通販事業者13社に対する事案がありました。
その事案では、消費者安全法による社名公表にとどまらず、特定商取引法に基づく業務停止命令(3カ月)と、違反行為の是正等の指示の一斉処分となりました。

いずれの事案についても、消費者庁の調査では販売業者の実体を特定できませんでした。
(偽ブランド品販売13社に対しては、「公示送達(※)」により業務停止命令が交付された。)

(※)公示送達
違反事業者のホームページに住所の記載がない場合など、所在不明で処分書が送付できない場合、処分書を交付する旨を一定期間掲示することで事業者に交付されたものとみなす処分。2016年の特定商取引法改正により規定が導入された。

注意喚起の内容と、デジタルプラットフォーム事業者であるアマゾンの対応を確認します。

———————
デジタルプラットフォーム事業者が運営するショッピングモールサイトにおいて
カシミヤが含まれるとうたう偽表示商品の販売業者に関する注意喚起
(消費者庁 2021年12月17日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/026944/
———————

【販売元店舗名】
teamma、ailan国際貿易、Hoomoi JAPAN(メーカー直営店)

【虚偽の広告・表示】
大手ショッピングモールサイト(アマゾン)において、「カシミヤ」、「素材構成:100% カシミヤ」などと、あたかもカシミヤが含まれているかのような広告を行ってストールを販売していた。
消費者庁が購入して調査したところ、素材はポリエステルやレーヨンで、いずれもカシミヤが全く含まれていなかった。

販売していた商品ブランド:
「Sooyi」(表示例1)、「Larmliss」(表示例2)、「Hoomoi」(表示例3)

表示例1:

(消費者庁公表資料引用)

表示例2:

(消費者庁公表資料引用)

表示例3:

(消費者庁公表資料引用)

●販売業者の実体が特定できなかった
事業者は、知名度がある大手ショッピングモールサイトの信用力を利用して、本件商品を販売していた。
消費者庁が行った事業者に対する調査において、これらの事業者について実体を把握できなかった。また、teammaについては、調査の過程で販売元の表示が変更されたため、実体調査の対象とはできなかった。

●同様の手口による偽表示商品の販売が繰り返される恐れ
消費者庁は、teamma、Hoomoi JAPANのサイト上では、令和3年11月においても、「カシミア100%」、「素材構成:70%カシミヤ」との広告によって商品の販売が行われている。

●アマゾンの自主的対応
今回のケースでは、消費者への注意喚起と自治体への情報提供のみで、20年4月の偽ブランド品販売13社のケースのように、デジタルプラットフォーム事業者への情報提供と消費者被害の発生・拡大の防止に向けた対応要請については言及されていません。
しかし、アマゾンの対応について以下のように報じられています。

業務への活用を目的に義表示商品があったことは伝えた。アマゾンは、当該商品をサイトから削除した。また、違反が疑われる商品は、販売前の対策、販売商品のチェックにより調査の上削除するとしている。
3社について、確実に連絡がとれる連絡先の把握や事業者への連絡の有無、苦情・相談情報の把握も尋ねたが「個別案件は回答を控える」(アマゾンジャパン)としている。

通販新聞社(2021年12月24日)
https://www.tsuhanshimbun.com/products/article_detail.php?product_id=6077

21年4月に公布、22年度施行予定の「取引デジタルプラットフォーム消費者保護法(取引DPF法)」では、DTF提供者の努力義務として、危険商品等の出品の停止や、取引DTF上での通販取引の適正化及び紛争解決の促進のために、消費者が販売業者との円滑な連絡を可能とする措置を講じること、販売条件等の表示に関する苦情の申出を受けた場合の調査、販売業者の身元確認を行うことを定めています。

DPF法の規定はあくまで努力義務であり、罰則もありませんが、アマゾンにおいては、商品の出品停止だけでなく、出品者・出店者の身元確認や調査といった対応が今後強く求められます。

◆取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律(概要)https://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2021/359/doc/20211119_shiryou1_1.pdf

《関連記事》
・消費者庁 アマゾンで偽ブランド品販売13社に特商法業務停止命令。違法行為は氷山の一角(消費者庁 2020年4月7日)

・クレジットカード悪質加盟店排除に向けた取組と割賦販売法改正(経済産業省)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。