4月7日、アマゾンで偽ブランド品を販売していた通販事業者13社に、消費者庁による特定商取引法に基づく一斉処分が下されました。
処分内容は、業務停止命令(3カ月)と、違反行為の是正等の指示ですが、13社のいずれも身元を把握できなかったことから、「公示送達(※)」により交付されています。
また、今後も、同様の手口による偽ブランド品の販売が繰り返し行われる可能性が高いとして、同日付で、消費者安全法に基づき、消費者への注意喚起を行っています。
同時に、複数のデジタルプラットフォーム事業者に対して、今後消費者被害の発生又は拡大の防止に向けた対応を行うよう要請しました。
(※)公示送達
違反事業者のホームページに住所の記載がない場合など、所在不明で処分書が送付できない場合、処分書を交付する旨を一定期間掲示することで事業者に交付されたものとみなす処分。2016年の特定商取引法改正により規定が導入された。
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特定商取引法違反の通信販売業者13事業者に対する 業務停止命令(3か月)及び指示について
(消費者庁 2020年4月7日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/019559/
デジタルプラットフォーム事業者が提供するショッピングモールサイトにおける偽ブランド品の販売に関する注意喚起
(消費者庁 2020年4月7日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/019557/index.html
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【処分対象事業者(店舗名又は販売業者名)】
「CHIAI BING」、「DSfweq」、「MIYAネット」、「MEDSストア」、「松田商〓(〓はふゆがしらに力)」、「BURM FASHION」、「County store」、「olkdafls」、「メンズVIP」、「谷井」、「Gwen―doly」、「shinemuy」「JYUNKO」
【違反概要】
13社は、いずれも、アマゾンのマーケットプレイスに、その身元を隠して、偽ブランド品を、あたかも正規のブランド品であるかのように表示して販売していた。
販売していた商品:
Vivienne Westwood(ヴィヴィアンウエストウッド)、HERMES(エルメス)、 Christian Louboutin(クリスチャンルブタン)、GOYARD(ゴヤール)、 LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)等のブランドの財布又はバッグ
(1)広告の表示義務に違反する行為(住所及び電話番号)(特定商取引法第11条)
販売業者の住所及び電話番号として、実在しない住所及び電話番号を表示していた。
(2)誇大広告等(虚偽表示)(特定商取引法第12条)
ルイヴィトンやゴヤールなどのブランドの財布又はバッグを出品。「並行輸入品」などと記載するとともに、ブランドの登録商標のついた商品写真を掲載することにより、あたかも正規のブランド品であるかのように表示していたが、実際は偽造品だった。
表示例:
●出品者・出店者の身元隠匿の手口
(1)以下の手段を用いて、サイト上に、①使われていない住所・電話番号や②無関係の他人の住所・電話番号を、自らの住所・電話番号として表示していた。
・ショッピングモールの出品アカウント開設時に登録した住所を、開設後、本人確認書類と異なる住所に変更。
・本人確認書類は、偽造された書類(免許証、外国人在留カード等)のデータを提出。
(2)本人確認が厳格でない以下の銀行口座又はクレジットカードを、①使われていない住所・電話番号や②無関係の他人の住所・電話番号のみを登録するなどして取得し、出品アカウントに登録していた。
・オンラインで利用申込みをして開設及び発行ができるバーチャルな銀行口座及びクレジットカード
・プリペイド式のクレジットカード
●同様の手口による偽ブランド品販売が繰り返される恐れ
消費者庁は、13社の出品アカウントが停止された後も、アマゾンサイト上で、複数の出品アカウントによって虚偽広告による偽ブランド品の販売が行われており、13 社のうち複数の事業者が使用していた売上の振込先口座や、販売商品の返送先等として使用されていた住所が、13社以外の他の多数の出品者・出店者によっても使用されていることを確認しました。
販売していた商品:
Van Cleef & Arpels(ヴァンクリーフ&アーペル) 、EMPORIO ARMANI(エンポリオアルマーニ)、 Dior(ディオール)、Balenciaga(バレンシアガ)、 MARC BY MARC JACOBS(マークバイマークジェイコブス)等のブランドのバッグ、財布、時計、アクセサリー
このことから、消費者庁は今回処分を命じた13 社の虚偽広告による偽ブランド品の販売は、氷山の一角であり、今後、大手ショッピングモールサイトにおいて、多数の出品者・出店者が、同様の手口で偽ブランド品販売を繰り返し行う可能性が高いとしています。
そのため、複数のデジタルプラットフォーム事業者に対して、消費者安全法に基づく情報提供を行い、今後消費者被害の発生又は拡大の防止に向けた対応を行うよう要請しました。
13社のいずれも身元を把握できなかったことから、デジタルプラットフォーム事業者側での出品者・出店者の本人確認や情報提供といった対応が強く求められます。
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