3月17日、消費者庁は福岡市の健康食品等の販売事業者(株)あすなろわかさに対し、同社が通信販売で供給する黒髪効果を謳ったサプリメント「黒椿」の表示について、景品表示法違反(優良誤認)の措置命令を行いました。
消費者庁及び公正取引委員会事務総局九州事務所の調査による事案です。
優良誤認は不実証広告規制(※)を用いた処分となっています。
認められない打消し表示についても言及されています。
黒髪効果サプリに対する景表法の措置命令は、2019年3月のアルトルイズムの「黒フサ習慣ブラックマックスS」、2019年6月のECホールディングスの「ブラックサプリEX」に続き3事案目となります。
処分のポイントについて確認します。
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株式会社あすなろわかさに対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 2020年3月17日)
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_200317_03.pdf
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(※)
不実証広告規制(7条2項)
消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
⇒ 事業者が資料を提出しない場合又は提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされる。
●違反概要
【対象商品】
「黒椿」と称する食品
【表示媒体・期間】
自社ウェブサイト
2019年7月4日、7月5日、7月8日
【違反内容】
表示内容:
例えば、商品の容器包装及び黒髪の人物の写真と共に、「黒々艶やかな 髪本来の美しさを取り戻す 黒椿 -KUROTUBAKI- 黒ゴマ、黒ウコン、亜鉛、ビオチンなどの黒々艶やかな天然成分をたっぷり使ったサプリメントです。あなたの髪本来の、若々しくて美しい黒髪を取り戻します。 市販の白髪染めや美容院で染めるのが面倒な方にオススメです」等と記載。
あたかも、対象商品を摂取することで、白髪が黒髪となる効果が得られるかのように示す表示をしていた。
実際:
同社に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、資料が提出された。しかし、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった。
違反表示例:
●体験談広告の打消し表示について
自社ウェブサイトのうち体験談の表示について、「※お客様個人の感想であり実感には個人差があります。」と表示していたが、当該表示は、一般消費者が対象表示から受ける商品の効果に関する認識を打ち消すものではない。
打消し表示例:
本事案の違反表示の表示期間は、2019年7月4日と5日、8日の3日間となっています。同年3月にはアルトルイズムに、同年6月にはECホールディングスに、黒髪効果サプリに対する景表法の措置命令が出される中、あすなろわかさの広告コンプライアンス管理は甘いと言わざるを得ません。
措置命令と同日に同社のウェブサイト上に掲載された「お詫びとお知らせ」において、「今回の消費者庁の措置命令を真摯に受け止め、今後このようなことが起きないように再発防止に向けて取り組み、お客様からの信頼回復に努めてまいります」としています。
《参考記事》
・ECホールディングスに景表法措置命令。続く、黒髪効果サプリの処分
(消費者庁:平成31年6月5日)
・「健幸生活研究社」アルトルイズムの黒髪効果サプリに景表法措置命令(消費者庁:平成31年3月29日)
・痩身系健康茶、ティーライフ(株)に対し景表法措置命令。体験談広告の問題点は?
(消費者庁:平成29年9月29日)
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