ボーネルンド、輸入玩具「商品の原産国に関する不当な表示」に景表法措置命令 (消費者庁 平成29年6月23日)

(株)ボーネルンドが販売する玩具の原産国に関する表示について、景品表示法「商品の原産国に関する不当な表示」に該当するとして措置命令が出されています。

ボーネルンドは新聞折り込みチラシに、対象商品の写真と共に米国や英国、日本などの国旗を掲載していましたが、実際は、対象商品の原産国は中華人民共和国でした。
企画・開発した国の国旗をチラシに掲載し、チラシの裏表紙に一括して「国旗の表記はメーカー所在国です。」との断り書きを入れていましたが、一般消費者が原産国と誤認する恐れがあると判断されました。

判断根拠を確認してみましょう。

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株式会社ボーネルンドに対する景品表示法に基づく措置命令について
(平成29年6月23日 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170623_0002.pdf
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【対象商品】
玩具16商品

【表示媒体】
新聞折込チラシ
24都道府県で配布された日刊新聞紙に折り込み

【表示期間】
平成28年12月7日~同月9日

【違反内容】
対象商品について、例えば、英国の国旗を掲載するとともに、「イギリス」と記載するなど、国の国旗を掲載するとともに、国名を記載していた。
実際には、本件16商品の原産国は中華人民共和国であった。
本件16商品の取引に関し、原産国が中華人民共和国であることを、一般消費者が判別することが困難である表示をしていた。

【表示例】

《裏表紙》
※ページ下部に「国旗の表記はメーカー所在国です。」と記載。


今回の処分についてのお知らせとして、同社は、以下のように説明しています。
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【お詫び】2016年12月クリスマスフェアチラシ掲載商品16品目の表示について
(株式会社ボーネルンド 2017年6月23日)
https://www.bornelund.co.jp/news#2797
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弊社取り扱い商品においては、企画・開発した国と原産国が異なる場合があり両国の表記義務がございますが、本チラシ掲載商品 26 品目の内、16 品目においてお客様に原産国を誤認されるおそれがございました。

企画・開発した国の国旗をチラシに明示し、国旗の国が原産国であると誤認回避のため、チラシの裏表紙に一括して「国旗の表記はメーカー所在国です。」との断り書きを入れておりましたが、本件役務の内容についての表示が不十分でございました。

(「【お詫び】2016年12月クリスマスフェアチラシ掲載商品16品目の表示について」
(2017年6月23日)キャプチャ画面)

同社は、「企画・開発した国の国旗をチラシに明示し、国旗の国が原産国であると誤認回避のため、チラシの裏表紙に一括して「国旗の表記はメーカー所在国です。」との断り書きを入れた」としていますが、例え、広告中に記載されていたとしても、気付きにくい位置や読みにくい表示である場合、消費者は誤認してしまい、不当表示とみなされるおそれがあります。
また、企画・開発した国の国旗を表示するのであれば、併せて商品の原産国を明瞭に表示する必要があります。

景品表示法では「商品の原産国に関する不当な表示」として、以下のように規定しています。

外国で生産された商品について、以下のような表示で、その商品がその原産国で生産されたものであることを、一般消費者が判別することが困難であると認められるもの。

1)その商品の原産国以外の国の国名、地名、国旗、紋章その他これらに類するものの
表示
2)その商品の原産国以外の国の事業者又はデザイナーの氏名、名称又は商標の表示
3)文字による表示の全部又は主要部分が和文で示されている表示

・「原産国」とは、その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行なわれた国をいう。
・商品の原産地が一般に国名よりも地名で知られている場合は、その原産地を原産国とみなして適用する。

景品表示法では原産国は必ず表示しないといけないのか?

商品に、上記1)~3)のような、その商品の原産国以外の国を連想させる表示がなされている場合は、原則として、その表示がなされている表示媒体に商品の原産国を明瞭に表示する必要があります。
扱い商材の原産国表示については、常に、お客様目線でのチェックを心がけましょう。

商品の原産国や原材料の産地表示を行う際の留意点を以下にまとめています。
【景表法】「○○産」と表示する際の注意点

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≪参考記事≫

・天然はちみつ「商品の原産国に関する不当な表示」に景表法措置命令
(消費者庁平成24年9月28日)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。