燃費不正問題、三菱自、日産に追加の景表法課徴金納付命令。自主報告と返金措置で大幅減額(消費者庁:平成28年6月14日)

燃費不正問題で今年1月に景表法措置命令を受けた三菱自動車(株)の普通車と軽自動車、日産自動車(株)の軽自動車ですが、課徴金納付命令を受けたのは、三菱自の普通車のみでした。
今回、6月14日に、消費者庁は三菱自の軽自動車と日産の軽自動車に対し、課徴金納付を命じました。
1月の三菱自の課徴金は4億8507万円でしたが、今回は自主的な報告があり返金も行ったことから、大幅に減額され453万円となりました。
また、同社からのOEM供給で軽自動車を販売していた日産自動車(株)に対しても、「十分に確認しなかった」として317万円の支払いを命じています。

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三菱自動車工業株式会社及び日産自動車株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について (消費者庁 平成29年6月14日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170614_0004.pdf
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●三菱自動車工業に対する課徴金納付命令の概要
対象商品:
軽自動車「eK ワゴン」「eKスペース」「eKスペースカスタム」8商品

課徴金対象行為:
a 表示媒体
カタログ及び自社ウェブサイト

b 表示内容
あたかも、国が定める試験方法に基づく燃費性能は、「燃料消費率JC08 モード(国土交通省審査値)」(表示例:30.4km/L)/「燃費基準達成状況」(表示例:平成32年度燃費基準+20%達成車)であるかのように示す表示をしていた。

c 実際
表示された燃費性能は、国が定める試験方法に基づくものとはいえないものであった。
三菱自動車工業は、表示例の自動車の燃料消費率について、自ら測定した値を基に「30.4km/L」で国へ届出を行っていた。国が改めて表示例の自動車の燃料消費率について確認を行ったところ、当該自動車の燃費性能として表示できる上限は、(表示例:「燃料消費率(国土交通省審査値)26.1km/L/燃費基準達成状況 平成32年度燃費基準達成車」)であって、当該値を超えた値及び基準の達成状況を表示することはできないものであった。

表示例:
三菱自動車(軽)
燃料消費率(国土交通省審査値)について:
自動車の製造販売業者等は、自らが製造販売等を行う自動車について、国が定め又は採用する試験方法に基づき測定した燃料消費率が、国において測定した値以下である場合に、当該燃料消費率を「国土交通省審査値」として用いることができる。
エネルギーの使用の合理化等に関する法律(昭和54年法律第49号)の対象となる自動車について、燃料消費率をカタログに表示することが義務付けられている。
燃費基準達成状況について:
自動車の製造販売業者等は、国が燃料消費率と車両重量に基づき判定した平成32年度燃費基準又は平成27年度燃費基準の達成状況をカタログ等に表示している。

課徴金対象期間:
平成28年4月1日から同月20日まで
平成28年7月1日に誤認解消措置をとっていると認定される。
課徴金対象行為をやめた日(4月20日)から誤認解消措置をとった日(7月1日)までの間に取引をしていない。

課徴金負荷の対象外と認められる「相当の注意」について:
・三菱自動車工業は、本件商品の燃費性能について改ざん等の行為を行い、また、当該行為の防止等を図るための管理監督を十分に行っていない。
・同社は、かかる状況の下、課徴金対象行為をしていたことから、当該行為をした期間を通じて対象表示が違反表示に該当することを知らず、かつ、知らないことにつき「相当の注意を怠った者でない」とは認められない。

自主的報告による2分の1減額:
同社の課徴金対象行為の報告は、当該課徴金対象行為についての調査があったことにより、課徴金納付命令があるべきことを予知してされたものではない。
当該報告は景品表示法第9条ただし書の規定に該当しないため、課徴金の額を2分の1減額する。

返金措置による減額:
同社が各商品について実施した返金措置は、それぞれ、消費者庁長官が認定した実施予定返金措置計画に適合して実施されたと認められるため、課徴金の額から返金相当額を減額する。

課徴金の額:
同社は、平成30年1月15日までに、本件8商品の売上額に、それぞれ、3%を乗じて得た額から2分の1減額し、さらに、返金措置による減額した「課徴金額」453万円(1万円未満の端数を切り捨て)を支払わなければならない。

課徴金の計算の基礎
三菱自動車(軽)課徴金

●日産自動車に対する課徴金納付命令の概要
対象商品:
軽自動車「デイズ」「デイズルークス」6商品

課徴金対象行為:
a 表示媒体
カタログ及び自社ウェブサイト

b 表示内容
あたかも、国が定める試験方法に基づく燃費性能は、「燃料消費率JC08 モード(国土交通省審査値)」(表示例:30.4km/L)/「燃費基準達成状況」(表示例:平成32年度燃費基準+20%達成車)であるかのように示す表示をしていた。

c 実際
表示された燃費性能は、国が定める試験方法に基づくものとはいえないものであった。
日産自動車は、表示例の自動車の燃料消費率について、自ら測定した値を基に「30.4km/L」で国へ届出を行っていた。国が改めて表示例の自動車の燃料消費率について確認を行ったところ、当該自動車の燃費性能として表示できる上限は、(表示例:「燃料消費率(国土交通省審査値)26.1km/L/燃費基準達成状況 平成32年度燃費基準達成車」)であって、当該値を超えた値及び基準の達成状況を表示することはできないものであった。

表示例:
日産自動車(軽)

課徴金対象期間:
平成28年4月1日から同月20日まで
平成28年7月1日に誤認解消措置をとっていると認定される。
課徴金対象行為をやめた日(4月20日)から誤認解消措置をとった日(7月1日)までの間に取引をしていない。

課徴金負荷の対象外と認められる「相当の注意」について:

・日産自動車は、三菱自動車工業と共同して実施した燃料消費率に係る検証において、各商品の燃費性能の根拠となる情報を十分に確認することなく課徴金対象行為をしていた。
・同社は、かかる状況の下、課徴金対象行為をしていたことから、当該行為をした期間を通じて対象表示が違反表示に該当することを知らず、かつ、知らないことにつき「相当の注意を怠った者でない」とは認められない。

自主的報告による2分の1減額:
同社の課徴金対象行為の報告は、当該課徴金対象行為についての調査があったことにより、課徴金納付命令があるべきことを予知してされたものではない。
当該報告は景品表示法第9条ただし書の規定に該当しないため、課徴金の額を2分の1減額する。

返金措置による減額:
同社が各商品について実施した返金措置は、それぞれ、消費者庁長官が認定した実施予定返金措置計画に適合して実施されたと認められるため、課徴金の額から返金相当額を減額する。

課徴金の額:
同社は、平成30年1月15日までに、本件6商品の売上額に、それぞれ、3%を乗じて得た額から2分の1減額し、さらに、返金措置による減額した「課徴金額」317万円(1万円未満の端数を切り捨て)を支払わなければならない。

課徴金の計算の基礎
日産自動車(軽)課徴金

●消費者庁長官が認定した返金措置
三菱自動車工業:軽自動車8商品
日産自動車:軽自動車20商品
お支払い金額の考え方:
・新届出燃費値と旧届出燃費値との差による燃料代の差額
・今後の車検時等に想定される自動車関連諸税の増額分
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認定された返金措置一覧(消費者庁HP)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/authorization_list/
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≪参考記事≫
・景表法課徴金制度の初の適用は4億8507万円!三菱自、日産に措置命令
(消費者庁:平成28年1月27日)

・景表法課徴金は対象売上高の3%、課徴金賦課の対象外となるケースは?
http://blog.fides-cd.co.jp/article/404818968.html

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。