第5波後の衛生意識、感染拡大前より高くなった72%、もともと高く変化なし15%。衛生意識に付け込む不当表示に注意(消費者庁 令和3年12月物価モニター調査)

2020年から始まった新型コロナウイルスとの戦いも3年目に突入し、状況は変化しながら第6波の感染拡大を迎えています。長引く感染症との戦いの中で、人々の衛生意識はどのように変化しているのでしょうか。

国の物価モニター調査では、新型コロナウイルス感染拡大以降の衛生意識の変化について、2021年6月、9月、12月に聴取しています。
第5波の感染拡大が収まっていた12月の調査では、感染拡大前(2020年1月以前)と比較した現在の衛生意識について「感染拡大前はあまり高くなかったが、現在はそれよりも高い」人の割合が最も高く51.9%。
「感染拡大前から高かったが、現在はそれよりも高い」が19.9%、「感染拡大前から高かったが、現在もそれと変わらない」が15.2%となっており、衛生意識の高い人の割合は87%と依然高い状況でした。

調査では、感染拡大前(2020年1月以前)、感染拡大直後(2021年春頃)、現在(2021年12月)の衛生意識の変化、感染症対策用品の購入状況、今後の購入意向も聴取しています。

●感染拡大前より衛生意識の高くなった人は72%、もともと高く変化なしは15%
感染拡大前(2020年1月以前)と比較した現在の衛生意識の変化では、
衛生意識の高くなった人の割合は71.8%(「感染拡大前はあまり高くなかったが、現在はそれよりも高い」(51.9%)、「感染拡大前から高かったが、現在はそれよりも高い」(19.9%)の計)。

変わらない人の割合は24.5%(「感染拡大前から高かったが、現在もそれと変わらない」(15.2%)「感染拡大前はあまり高くなかったが、現在もそれと変わらない」(9.3%)の計)。

低くなった人の割合は3.8%(「感染拡大前はあまり高くなかったが、現在はそれよりも低い」(2.0%)、「感染拡大前から高かったが、現在はそれよりも低い」(1.8%)の計)。

●感染拡大直後より衛生意識の高くなった人は54%に。変化なしが41%
感染拡大直後(令和2年春頃)と比較した現在の衛生意識の変化では、
衛生意識の高くなった人の割合は54.2%、変わらない人の割合は、40.7%、低くなった人の割合は5.0%。

感染拡大前と比較した意識変化より、高くなった人の割合は17.6ポイントダウン。変化なしが16.2ポイントアップ。低下したが1.2ポイントアップしている。

感染拡大前→感染拡大直後→現在の意識変化を確認すると、
「感染拡大前はあまり高くなかったが、感染拡大直後に高くなり、現在はそれよりも高い」人の割合が最も高く35.9%。
次いで、「感染拡大前はあまり高くなかったが、感染拡大直後に高くなり、現在も変わらない」(13.5%)、「感染拡大前から高かったが、感染拡大直後にさらに高くなり、現在はそれよりも高い」(12.6%)、「感染拡大前から高かったが、感染拡大直後も変わらず現在も変わらない」(11.5%)と続く。

●空間のウイルス衛生対策用品を購入した人、今後購入不要の人、ともに2割
新型コロナウイルス感染症対策として、すでに購入したことのあるもの(既購入)、今後の購入は特に必要ではないと考えているもの(購入不要)について聞いた。

マスク(既購入:95.9%、購入不要:5.1%)
手指のウイルス衛生対策用品(手指消毒用アルコール、石けん、ハンドソープ等)(既購入:85.1%、購入不要:5.6%)
物品のウイルス衛生対策用品(塩素系漂白剤、家庭用洗剤等)」(既購入:41.7%、購入不要:9.9%)
体温計(既購入:39.1%、購入不要:14.6%)
空間のウイルス衛生対策用品(空気清浄機、エアコンディショナー等)(既購入:19.3%、購入不要:21.5%)
体調管理のための用品(スマートウォッチ等)(既購入:7.2%、購入不要:37.5%)

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◆物価モニター調査
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/price_measures/
令和3年12月物価モニター調査
[参考・12月(確報)]インターネット購入及び新型コロナウイルス感染拡大以降の衛生意識の変化に関する意識調査結果(消費者庁:令和4年1月19日)
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本調査は、第5波の感染拡大が収まっていた12月のデータですが、人々の衛生意識はさらに高まる傾向にあることがわかります。
また、マスクはもとより、消耗品である手指や物品のウィルス衛生対策用品については、9割以上が今後も購入が必要としています。

2022年1月に第6波の感染拡大に突入し、今後も引き続きウィルス衛生対策用品に対する需要は高まると予想されます。
消費者庁は、新型コロナウイルスへの効果を標ぼうする商品の不当表示がより多く発生すると考えられ、不当表示対応として、健康食品や除菌関連商品等の性能・効果の科学的根拠について調査・検証を行う体制・環境の充実・強化を図る、としています。

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。