ロイヤルパークホテル4度のお詫び。メニュー表示に景表法措置命令 (消費者庁:平成27年2月4日)

昨年12月に景品表示法が改正され、課徴金も課されることとなったきっかけは、ご存じ2013年のメニュー偽装問題でした。
そろそろ違反も改善され、一段落かと思っていたところでの、ホテルでのメニュー食材偽装表示措置命令事案となりました。
消費者庁は、2月4日、(株)ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツの運営するホテルとホテル内の飲食店で提供する料理の表示に対し、景品表示法(優良誤認)の措置命令を行いました。

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株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツに対する景品表示法に基づく措置命令について
 (消費者庁 平成27年2月4日)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/150204premiums_1.pdf
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【違反内容】
対象表示:
a) 「岩のり」【表示例1】
提供場所:
仙台ロイヤルパークホテル及びび仙台ロイヤルパークホテル内で運営する桂花苑
表示媒体:
婚礼用メニュー、チラシ及びメニュー(表示期間:H23.9.1~H26.3.17)
※提供する料理により表示媒体・期間は異なる。
表示内容:
例えば、「A.La.Japone」と称する対象料理について、「黒毛和牛ヒレ肉の低温ロースト 磯の香りをのせた岩海苔のブールコンポーゼを添えて 黒酢ソースと仙台小ねぎのコンビネーションと共に」と記載するなど、あたかも、岩礁等に自生する岩のりを使用
しているかのように表示していたが、養殖ののりを使用していた。

対象表示:
b) 「和牛」【表示例2】
提供場所:
仙台ロイヤルパークホテル
表示媒体:
婚礼用メニュー(表示期間:H25.4.1~H26.7.22)
表示内容:
「The Menu on My Message」と称する対象料理について、「ヴァン・ルージュで煮込んだ黒毛和牛頬肉の宝石箱見立て 野菜のロンドと共に」と記載することにより、あたかも、黒毛和牛の頬肉を使用しているかのように表示していたが、「和牛等特色ある食肉の表示に関するガイドライン」(平成19年3月26日18生畜第2676号農林水産省生産局長通知)に定められた和牛の定義に該当しない牛の頬肉を使用していた。

平成19年3月26日18生畜第2676号農林水産省生産局長通知
http://www.maff.go.jp/j/press/2007/pdf/20070326press_6b.pdf

ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツのホームページ中央に、「使用食材とメニュー表示が異なっていたことに関するお詫びとお知らせ」があり、そこをクリックすると4度のお詫びが表示されています。

◆ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツホームページ
http://www.royalparkhotels.co.jp/

措置命令を受けた不当表示は昨年12月に自ら公表していますが、これとは別に13年11月に傘下ホテルでの誤表示と、14年4月には「2013年11月8日に公表した内容に関し、使用食材を正確に表示していなかったメニューが新たに判明」したと公表しています。

再発防止策として、以下のように公表しています。

2013年11月公表:
メニュー作成に際して、関連する各部門の責任者に総支配人が加わった組織による検討・確認のルール化。
景品表示法やJAS規格等に関する社員教育の実施並びに、メニュー表示に関するガイドライン作成。

2014年4月公表:
再発防止策に関する表記なし。

2014 年12月公表:
グループホテル全体でメニュー表示に関する対策を講じ改善を図ってきたが、今回の再発を受け、以下のような厳格な再発防止策を構築し運用を開始した。
① メニュー作成に関する規定の厳格運用
② 従業員に対する教育・研修の徹底
③ グループホテル統括会社による業務監査

2015年2月公表:
措置命令を受けたことを真摯に受け止め、既に取組んでいる再発防止策を更に強化し、その徹底を図る。

お客様への対応方法:
いずれの公表においても、利用客に対して、領収書等により利用確認の上、ホテル利用券を提供。

信頼回復のためには、徹底した調査と再発防止策が求められることは言うまでもありません。

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。