食品購入時の判断基準「価格」が最多、次いで「鮮度」、「国産」(日本政策金融公庫 2020年1月消費者動向調査)

食の志向について取り上げた日本政策金融公庫の食品に関する消費者動向調査(2020年1月)より、生鮮食品の購入場所や購入時の判断基準をご紹介します。平成 27 年(2015年)調査との比較も行っています。

《調査のポイント》
●食品の購入場所、トップは「食品スーパー」。米は「通販・宅配」が1割
●食品購入時の判断基準は、「価格」が最多、次いで「鮮度」、「国産」
●米は「価格」と「産地」、野菜・果物は「価格」と「鮮度」
●肉類は「価格」と「鮮度」と「国産」。「国産」大きく低下
●牛乳乳製品と魚介類は「価格」と「鮮度」と「国産」。卵は3位が「国内産地」


●食品の購入場所、トップは「食品スーパー」。米は「通販・宅配」が1割
生鮮食品の主な購入場所は、すべての品目において「食品スーパー」が最も多く、次いで「総合スーパー」。
品目別では、米は「生産者からの購入」「通販・宅配」が他品目より高く、野菜と果物は「直売所」、牛乳乳製品と卵は「ドラッグストア」の割合が他品目より高い。

●食品購入時の判断基準は、「価格」が最多、次いで「鮮度」、「国産」
食品購入時の判断基準は、すべての品目で「価格」が最も多くなった。
2番目に多いのは「鮮度」(「米」は選択肢非該当)。3番目は「国産」(「米」「卵」は選択肢非該当)。
前回調査(平成 27 年1月調査)との比較では、すべての品目で「価格」の割合が上昇する半面、「鮮度」は果物を除くすべての品目で、「国産」「国内産地」「味」「安全性」はすべての品目で低下している。

●米は「価格」と「産地」、野菜・果物は「価格」と「鮮度」
米は、「価格」(66.9%)に次いで、「国内産地」(56.3%)、「銘柄」(44.3%)の順。前回調査との比較で10 ポイント以上の増減は、「価格」(55.4%→66.9%)が上昇、「安全性」(31.3%→20.9%)は低下。

野菜は、「価格」(70.3%)と「鮮度」(70.2%)が同水準で、次いで「国産」(37.1%)。前回調査との比較では、「安全性」(28.6%→15.1%)が10 ポイント以上の低下。

果物は、「価格」(72.0%)に次いで、「鮮度」(67.4%)、「味」(29.3%)の順で、「国産」よりも「味」が上位となっている。前回調査との比較では、「味」(39.9%→29.3%)、「国内産地」(28.9%→17.4%)が10 ポイント以上の低下。

●肉類は「価格」と「鮮度」と「国産」。「国産」大きく低下
肉類は、「価格」と「鮮度」と「国産」の順。
「価格」の割合は、「牛肉」(74.5%)、「豚肉」(74.0%)、鶏肉(73.8%)で大きな差は見られない。
「国産」の割合は、前回調査との比較で「牛肉」(42.6%→29.8%)、「豚肉」(46.1%→32.9%)、鶏肉(48.2%→35.9%)と、10 ポイント以上の大幅低下となった。
「鮮度」も各3ポイント程度の低下。

●牛乳乳製品と魚介類は「価格」と「鮮度」と「国産」。卵は3位が「国内産地」
「価格」の割合は、「卵」(75.6%)、「牛乳乳製品」(72.6%)、魚介類(72.6%)で大きな差は見られない。
前回調査との比較では、「鮮度」は各3ポイント程度の低下。
「国産」は、「魚介類」(33.5%→23.4%)で、10 ポイント以上の大幅低下となった。

本調査は1月時点のものですので、前回調査(平成 27 年1月調査)との比較において、すべての品目で「価格」の割合が上昇したのは、消費税増税の影響があるかもしれません。

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食品の購入基準に関する消費者動向調査結果
(日本政策金融公庫 2020年1月調査)
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_200310a.pdf

調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査対象:全国の20歳代~70歳代の男女2,000人(男女各1,000人)
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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。