急増するSNSの消費者通販トラブルと海外の詐欺的事業者  (国民生活センター 平成27年8月18日 )

「SNSの広告を見て、有名女優も使っているという化粧品を申し込んだが、注文した内容の数倍の金額を請求された」

SNSに表示された広告をきっかけに購入して、海外の詐欺的事業者とのトラブルになるケースが寄せられています。
海外の事業者と国内の消費者とのトラブルを専門に扱う国民生活センター越境消費者センター(Cross-Border Consumer Center Japan: CCJ)に寄せられる、上記のような
トラブル相談は、2015年6月は約10件でしたが、7月には約300件と急増しており、国民生活センターが注意喚起しています。

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SNSの広告で購入した化粧品で思わぬ請求が!
‐日本語のサイトでも契約先は海外の詐欺的事業者!?‐
(国民生活センター 平成27年8月18日 )
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20150818_1.pdf
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≪相談事例≫
【事例1】SNSの広告からテレビ局をかたるサイトにリンクし、有名女優が使っているという化粧品を申し込んだが、表示より高額な代金を請求された

SNSの広告をクリックすると、テレビ局が運営するというサイトに飛んだ。そのサイトで「数週間でシワが消える化粧品が今なら通常よりお得な約 5,000 円で買える」と紹介されていた。有名女優も使っているということだったので、購入することにした。しかし注文の際、最終確認画面がなく個数や金額を確認できないまま注文確定画面になってしまった。クレジットカード会社に確認すると約 4 万円もの金額になっているという。
キャンセルのメールも送ったが、返信が英語で内容がわからない。最初に飛んだテレビ局のサイトも偽物のようだ。キャンセルしたい。

【事例2】SNSの投稿をきっかけにアクセスした化粧品の通販サイトで、申し込みを途中でやめたのに受注メールが来た
SNSで「化粧品を期間限定で安く買える」との投稿を見て、リンク先のページで名前や住所、クレジットカード情報を入力し次の画面に進んだ。すると、別の商品を注文に追加する画面が2回出て、仕方なく商品を選択した。
金額の表示がないので、おかしいと思い途中で画面を閉じたが、事業者から「商品を3つ受注・発送した」というメールが届いた。解約したいと思い事業者にメールをしたら不自然な日本語で「商品代の半額か解約手数料を払ってほしい」との返信が届いた。
金額もわからなかったし、注文したつもりもない。全てキャンセルしたい。
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いずれも、「普段よく利用するSNS等に広告が出ていた」「広告に芸能人が使っていると書かれていた」「通販サイトが日本語で書かれていた」等の理由で、消費者が通販サイト内の情報を信頼し海外の事業者と気づかずに契約してトラブルとなっています。
海外の事業者との取引では、事業者と連絡がとれない、事業者との言葉の壁があり十分な解約交渉ができない等、トラブルが起こった際に解決することが困難となります。

通販サイトがテレビ局の公式サイトの体裁を装うなど詐欺的手口が巧妙化する中、「特定商取引法に基づく表記」や、利用規約を確認するだけでは、なかなか信頼できる事業者か否かを判断することが難しくなっています。
何はともあれ、消費者への注意喚起が大切ですが、SNS事業者が広告収入をビジネスモデルとしているのであれば、メディアとしての広告審査体制の強化など、自主的な取り組みが求められるのではないでしょうか。

国の対策としては、越境消費者トラブルに対応するために平成 23 年 11 月に開設された「消費者庁越境消費者センター(CCJ)」が、国民生活センターに事業を引き継がれ、6月1日より本格運営されることとなりました。
CCJでは、海外の消費者相談機関と連携し、海外に所在する相手方事業者に相談内容を伝達するなどして事業者の対応を促し、日本の消費者と海外の事業者のトラブル解決の支援をしていくとしています。

◆「国民生活センター越境消費者センター(CCJ)」を開設します
(国民生活センター 平成27年3月5日)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20150305_2.pdf

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お問合せ情報を分析し、顧客対応スクリプトや適切なFAQ構成、文章作成します。
継続的な顧客対応のクオリティを確保する、運営体制構築をサポートします。

FAQ作成・顧客対応マネージメント支援
http://www.fides-cd.co.jp/category/ser02/
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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。