消費者庁も注目!口コミ・インフルエンサーマーケティングの消費トラブルと業界自主規制(第30回インターネット消費者取引連絡会(平成30年9月))

【口コミサイト・インフルエンサーマーケティング事業者の取組】
●投稿者の信頼性確保
投稿者の事前登録、信頼できる口コミかユーザーが判断するための情報提供

・「携帯電話番号認証」や、登録時に実名登録のSNSプラットフォームの認証を活用するなどで、ユーザーの実在性を確認。
・サイトを通じて予約した店舗についてのみ投稿可能(複数投稿禁止)、投稿件数制限など。
・「いいね!」「フォロワー数」「レビュー数」を表示

投稿者とのコミュニケーション
•オフ会を開催し、投稿の多いレビュアー等と実際に会うことで架空アカウントを排除
インフルエンサーの選定・育成
•従来からの付き合い、発信コンテンツの事前確認などで信用できるインフルエンサーを選定
•Bot等によりフォロアーを不正に増やす行為等を検知(インフルエンサーマーケティングプラットフォーム)
・インフルエンサー向け勉強会の開催(著作権などコンプライアンス)、定例会議で事案を共有

●コンテンツの信頼性確保
対象商品/サービス等の選定

• 引き受けない商品/サービス等を規定(ギャンブル、金融商品、保険、たばこ、酒類、出会い系等)

口コミ・コンテンツについてのガイドライン等
・投稿者向けに口コミ内容に関わるガイドラインを策定、周知、薬機法等法令遵守等。
・コンテンツに関わるガイドラインを策定、運用(ハッシュタグやコンテンツで広告とわかる表示義務等)

信頼できるコンテンツかユーザーが判断するための情報を提供
•コンテンツにおいて関係性(広告主体、便益)の表示義務

モニタリング
•口コミ内容・コンテンツを審査後に掲載・発信(事前審査の徹底)
•一般消費者の口コミを全てチェック
•口コミ内容をガイドラインに照らし合わせてシステム及び目視で確認
•問題のある投稿について、他のユーザーや店舗等から通報できる機能を用意
•意図的な口コミの傾向を分析し、システム化を行い、検地
•不正な口コミを検知(投稿の急増、デバイス所在地確認等)し、アカウントの停止、口コミを削除

不正行為の排除
•店舗等が点数向上や口コミに働きかけることを禁止
•店舗等の関係者が口コミ投稿することを禁止し、該当する口コミは削除
•信頼度の高い投稿者(口コミ数が多い等)のランキング反映度を大きくした算出方法により、店舗等の関係者といった意図的な口コミの影響を低減
•店舗等に対して業者から不正操作の提案があった場合に通報できる環境を整備
•外部リンク(商品購入への導線)が張れないなど管理が容易なSNSプラットフォームを利用

問い合わせ対応
•電子メール等で口コミの削除依頼やクレーム等を受け付け
•事実確認の上、口コミの修正依頼等の対応実施
•(問題点があれば)社内関係部署で共有、対応を協議

口コミやインフルエンサーの発信するコンテンツの信頼性確保に向けて、運営事業者側の自主規制の努力は評価されます。
しかし、悪質事業者対策としては、やはり法規制が求められるといえます。

次回は、口コミサイト・インフルエンサーマーケティングに関連する法令について、解説します。

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第30回インターネット消費者取引連絡会
平成30年9月19日(水)10時~12時
テーマ:口コミサイト・インフルエンサーマーケティング
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/#m30
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≪関連記事≫

・ステルスマーケティングに関するユーザー意識と商品レビュー
http://blog.fides-cd.co.jp/article/260182233.html

・口コミサイト関連の消費者相談 は「返金、支払回避、契約解除、賠償請求等」が約6割
http://blog.fides-cd.co.jp/article/355869683.html

・アフィリエイト広告に注意喚起。都、日本アフィリエイト・サービス協会と連携強化
http://blog.fides-cd.co.jp/article/307501095.html

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。