(社)日本通信販売協会「通販110番」に寄せられた、通販事業者(会員、非会員)からのトラブル相談から最近の通販事業者のトラブル相談の傾向について、確認してみました。
2013年度 事業者相談件数とその概要が発表されています。(※)
2012年度に3年ぶりに減少した事業者からの相談件数は、13年度は再び増加しました。特に、「悪質顧客対応」が前年度比約4倍と大幅に増加しています。
「顧客対応」の「個人情報管理」に関する相談は減少していますが、14年度はベネッセ問題もあり、再び増加することが予測されます。
●2013年度 事業者相談件数
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13年度に寄せられた相談件数は519件で、前年度比15.6%の増加。
相談内容では、「顧客対応」が289件で前年度比19.9%の増加、「顧客対応以外」が230件で前年度比10.6%の増加。相談比率はそれぞれ、55.7%、44.3%だった。
会員、非会員別の相談内容の傾向を見ると、会員では、「顧客対応」が216件で前年度比11.3%の増加、「顧客対応以外」が130件で前年度比7.4%の増加。相談比率はそれぞれ、62.4%、37.6%だった。
非会員は「顧客対応」が73件で前年度比55.3%の増加、「顧客対応以外」が100件で前年度比14.9%の増加。相談比率はそれぞれ、42.2%、57.8%だった。
●顧客対応の内容(複数集計)
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「顧客対応」の相談内容合計は303件、対前年比17.0%増。(相談内容は、複数の要素が含まれるため、複数集計)
相談内容1位は「規定外返品・返金・その他過剰要求」で82件(27.1%)前年度比17.1%の増加。
2位は「悪質顧客対応(詐欺等を含む)」が45件(14.9%)で、前年度比約4.1倍に大幅増。クレジットカードの不正利用が発覚し、カード会社からチャージバックを要求されたり、顧客が登録住所地とは異なる届け先を配送業者に転送させ、商品を詐取したと思われる例など。
3位の「請求・督促」は29件(9.6%)で前年度比23.7%減少している。
4位は、「商品二次被害補償(拡大損害)」(「規定外返品・返金・その他過剰要求」の類似項目)で、25件(8.3%)、前年度比47.1%増加した。購入した製品の不具合により損害を被ったため、常識を超えた多額の賠償を求めるなどのケース。同じく4位の「広告内容・表現」は、25件(8.3%)、前年度比92.3%の増加。価格表示の桁数を少なく表示し、受注時、あるいは請求時に苦情となるケースが多かった。
6位は「個人情報管理」で23件、前年度比17.9%減少した。個人データの利用停止または消去を求められたときの対応についての相談が目立った。
●顧客対応以外の内容(複数集計)
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「顧客対応以外」の相談内容合計は247件、対前年比1.2%減。
相談内容の1位は「法規制情報」に関するもので、69件(27.9%)対前年比増減なし。
2位は、「広告内容・表現記載」に関するもので、47件(19.0%)対前年比19.0%減。3位は「販売方法」に関する相談で、28件(11.4%)と対前年比30.0%減となっている。
これら上位3項目については、横ばいあるいは減少傾向となっている。
なお、「その他」の相談が52件と57.6%増加している。増加の主因として「詐欺サイトに自社ホームページをコピーされた」(会員5件、非会員13件)、非会員の中小の通販業者に対して「詐欺まがいの強引な営業行為が行われた」(12件)などがあげられる。
協会では、消費者対応は勝ち負けやシロクロをはっきりさせるというよりも、お互いの主張に耳を傾け、バランスのとれた決着を目指すべき。 ただし、顧客の主張内容が「社会通念上、許容される範囲を超えている」、または顧客の言動が「円滑な企業活動を妨げるなどの支障を生じさせており、社会通念上許されるべきものではない」場合は、毅然とした対応が必要であると、コメントしています。
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(※)
(社)日本通信販売協会 通販110番「2013年度 事業者相談件数とその概要」http://www.jadma.org/jadma_news/110_201406.html
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