通販広告折込チラシ、不適正広告事例解説(JADMA「平成27年度 通販広告実態調査(新聞折込チラシ編)」)

前回ご紹介した(社)日本通信販売協会(JADMA)が2015年に実施した通信販売広告実態調査結果(※)より、今回は表示に問題のあった新聞折込チラシの個別広告事例を解説します。

調査報告書では、「一部不適正な表示が見られ、改善が必要な広告」「通販に関連する法令に抵触する怖れのある広告」について紹介されています。
違反内容は過去調査と大きな違いは見られませんでした。

≪問題広告事例≫
事例1:ありえない「通常価格」、「景品の金額」(寝間着の二重価格表示広告)
事例2:化粧品のいきすぎた効能・効果訴求広告
事例3:何も変えずに燃焼力アップ(ダイエットサプリ広告)
事例4:化粧品の医薬品的な効能・効果訴求広告
事例5:社名・所在地不明(年末商材ずわいかに広告)

《通販に関連する法令に抵触する怖れのある広告》
・特商法の記載事項や返品特約が不記載であり、意図的とも取れる広告。
・商品の説明について、景品表示法や医薬品医療機器等法などの関連法令に抵触するおそれのある表示が散見する広告。
・意図的に消費者の誤認を誘発しようとするような表示が散見する広告。

事例1:ありえない「通常価格」、「景品の金額」(寝間着の二重価格表示広告)
折込みチラシ調査2015(事例1)

二重価格表示の注意点~セール時の価格表示~
http://blog.fides-cd.co.jp/article/138857977.html
「もれなく」プレゼントキャンペーンの景品設定条件

事例2:化粧品のいきすぎた効能・効果訴求広告
A)個人の体験談で効能訴求(石鹸)

折込みチラシ調査2015(事例2) B) シワ・ほうれい線対策(オールインワン化粧品)
折込みチラシ調査2015(事例2b)

JADMAコメント:
A)個人の体験談として「石鹸の泡の効果で身体にミネラルを補給し、足や体のだるさやむくみ方が変化する。美白効果も」と説明。石鹸の効能効果を逸脱している。
B)美容ライターの個人体験として「ほうれい線が1回使っただけで目立たなくなった」。「皇室御用達!最高級品質の特別な桃の葉エキスは一般の約5倍のコラーゲン保護効果」「全額返金保証つき」と表示。関連法令に抵触するおそれあり。

体験談を自社ショップサイトに掲載する際の注意点
薬事法NG広告クイズ「肌の生まれ変わりをサポートする成分○○○を配合」(化粧品)
薬事法NG広告クイズ 「効果がなければ全額返金」

事例3:何も変えずに燃焼力アップ(ダイエットサプリ広告)
折込みチラシ調査2015(事例3)
JADMAコメント:

「1日一粒、食後に食べるだけで3kg減」「戻りにくい女性の体質改善」と表示。関連法令に抵触するおそれあり。説明画像も商品との関係が不明瞭。「私たちが選ぶ健康ダイエット1位」は短期間の自社調査で信憑性が薄い。

健康食品NG広告クイズ
何を根拠に「No.1」と表示するのか

事例4:化粧品の医薬品的な効能・効果訴求広告
A)塗るだけで痛みが和らぐ(ローション)

折込みチラシ調査2015(事例4a) B)漢方薬局販売の漢方石鹸
折込みチラシ調査2015(事例4b)

JADMAコメント:
A)スキンローションの広告であるが、全体的な印象は「塗り薬」と誤認しかねない。「痛みのある間接に直接塗るだけ」「気持ちの良い温かさを感じながら痛みがスーっと消えていく」と、医薬品的な効能効果を標ぼうしている。
化粧品の広告表示においては、医療関係者が登場して商品を推薦することは避けなければならい。
B)漢方薬局が販売する洗顔石鹸の広告。「肌に良い生薬成分の泡が奥深くからあなたのキレイを磨きます」「漢方の石鹸を使ってシミが薄くなってきました!」「東洋古来の漢方薬“連解毒湯”ベース!」「昔から皮膚病などに応用されてきた漢方レシピをたっぷり配合」と、医薬品的な効能効果を標ぼうしている。

医薬品医療機器等法(旧薬事法)NG広告クイズ

事例5:社名・所在地不明(年末商材ずわいかに広告)
折込みチラシ調査2015(事例5)

JADMAコメント:
・屋号のみで正式社名が未記載。
・消費税について、税込価格か税抜価格かを明記する。

特定商取引法表示のチェックポイントをまとめています。

他社広告でやっているから大丈夫ということではなく、正しい法律理解と消費者にわかりやすく信頼される広告制作を心がけましょう。


通信販売取引改善のための通販広告実態調査 (2015年度調査)
(社)日本通信販売協会 JADMA NEWS
http://www.jadma.org/pdf/news/2016_06.pdf

《関連記事》
・通販広告折込チラシ、不適正広告事例解説 (JADMA「平成26年度 通販広告実態調査(新聞折込チラシ編)」)

・通販広告折込チラシ、不適正広告の多いエリアは福岡、業態ではメーカー系通販 (JADMA「平成26年度 通販広告実態調査(新聞折込チラシ編)」)

・求められる折込チラシの通信販売広告改善、商品不適切表示は約3割 (JADMA「平成25年度 通販広告実態調査(新聞折込チラシ編)」)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。