景品表示法規制強まる。25年度処分件数 過去7年間で最高! (平成25年度景品表示法の運用状況 消費者庁)

消費者庁が年度ごとの景表法違反に関する事件処理件数や、国や自治体の取り組みをまとめた「景品表示法の運用状況及び消費者取引の適正化への取組」。
7月9日に公表された25年度版報告書より、今回は、25年度の景表法違反状況を報告します。

●調査件数は大幅増加。職権探知は減少するが、外部の情報提供件数は増加
25年度の景品表示法違反に関する調査件数は868件で、前年の726件から大幅に増加した。
特に、一般の消費者や事業者からの情報提供件数総数は5858件(前年5082件)、内、調査件数560件(前年425件)で、前年度から大きく増加した。

調査件数等の推移

●国の措置命令件数、都道府県の指示件数の合計、過去7年間で最高
国の措置命令件数と都道府県の指示件数の合計が、平成19年の84件を大きく上回り、101件となった。
国の措置命令件数について見ると、消費者庁が発足した平成21年以降、年々増加し、25年度は45件と、前年度(37件)から増加。

一方、都道府県が行った法的措置(指示)は25年度は64件で、前年の28件ら2倍以上増加している。

【国の措置命令件数と都道府県の指示件数推移】
*措置命令件数について:平成21年8月末日までは公正取引委員会における排除命令件数、同年9月以降は消費者庁における措置命令件数。

●措置命令、指導件数ともに前年度より大幅増加。優良誤認(不実証広告規制)の増加が顕著!
25年度の措置命令は表示事件のみで、最も多かったのは優良誤認の41件。内、不実証広告規制が22件と半数を占める。有利誤認については、4件。
指導については359件と、前年度273件から大幅に増加した。
(平成24年度から、「警告」、「注意」の区分を廃止し、「指導」にまとめられた。)

景品事件は、指導のみで24件。前年度9件を大きく上回った。

表示事件の内訳

*関係法条が2以上に渡る事件があるため、本表の合計は表1の合計と一致しない。

景品事件の内訳

●措置命令の多かった商品役務は「保健衛生品」「車両・乗り物」
商品役務別の措置命令処分件数を見ると、「保健衛生品」が18件(前年0件)、「教養娯楽品」が6件(前年2件)、「車両・乗り物」が6件(前年1件)と増えている。
24年度に件数の多かった「被服品」は13件から0件に減り、「土地・建物・設備」も7件から0件に減少した。

処理事件の商品役務別分類

※関係する商品役務が2以上にわたる事件があるため、本表の合計は「調査件数等の推移」の合計と一致しない。
(*)外食等、役務に分類されるものは含まない。

●平成25年度の措置命令を行った事件
措置命令事件は次のとおり、全て表示事件であり、その件数は計45件である。

・中古自動車の修復歴に関する不当表示  3件
・中古自動車の走行距離数に関する不当表示  1件
・中古自動車の修復歴に関する不当表示及び中古自動車に関するおとり広告   1件
・「小顔矯正」と称する役務に関する不当表示  1件
・歯列矯正に係る役務の料金に関する不当表示   1件
・宿泊又は浴場利用役務に関する不当表示   2件
・家庭教師派遣に係る役務の料金に関する不当表示   1件
・健康食品の痩身効果に関する不当表示  2件
・粉末飲料の含有成分量に関する不当表示  1件
・家庭用電位治療器の効能又は効果に関する不当表示   1件
・二酸化塩素を利用した空間除菌グッズの効果に関する不当表示及び同グッズの価格に関する不当表示  17件
・漬物容器の発酵促進効果に関する不当表示  1件
・ベビーカーのシートの通気性に関する不当表示   1件
・携帯電話等用ソーラー式充電器の充電時間に関する不当表示  5件
・移動体通信サービスの利用可能地域に関する不当表示   1件
・漫画雑誌の懸賞企画の当選者数に関する不当表示  1件
・旅館等で提供される料理の原材料に関する不当表示及び提供される料理に関するおとり広告  4件
・うなぎ及びうなぎ蒲焼に関するおとり広告  1件

●都道府県の指示内容
都道府県の64件の指示は、全てが表示事件だった。主な内容は以下の通り。
・メニュー・料理等の食品表示に関する不当表示事件
・水産物・水産加工品・農産加工品の原料原産地に関する不当表示事件
・畜産物や飲料水の内容に関する不当表示事件
・冷凍食品における不当な二重価格表示事件
など。

冷凍食品の価格表示については、平成25年4月25日、11都県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県)合同調査の結果、約6割の事業者において景品表示法違反のおそれのある表示が確認され、業界団体に対して表示の適正を図るよう要望した。
さらに、平成26年3月20日には、4都県(千葉県、東京都、神奈川県及び静岡県)が、不当な二重価格表示を行っていた事業者に対して、調査を実施して表示の改善を指導した。

国及び都道府県の処理件数が大幅に増加した要因として、食品や冷凍食品の販売価格、中古自動車、空間除菌グッズといった業界全体の表示について、適正化を図ろうとした行政の消費者保護方針が顕著に表れた、と結果と言えます。

次回は同じく25年度版報告書より、25年度の消費者庁の表示適正化への具体的な取組について報告します。

(※1)
平成25年度における景品表示法の運用状況及び表示等の適正化への取組http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140709premiums_1.pdf

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。