「クレベリン」の大幸薬品に景表法措置命令。「空間除菌製品」の除菌効果表示の合理的根拠に波紋(消費者庁 2022年1月20日)

空間除菌製品の菌・ウイルス除去効果の合理的根拠の考え方に波紋

菌・ウイルス除去効果の合理的根拠が認められた理由について、商品特性から考察してみると、措置命令の対象となった商品の利用方法は、スティックタイプは屋内外を問わず携帯したり、場所を移動させるもの、スプレータイプは局所的に瞬間的に噴霧するものです。他方、「置き型」タイプは、固定して「使用期間にわたり徐放的に二酸化塩素ガスが揮散する製品」であることから、閉鎖空間における試験データであっても空間の菌・ウィルス除去効果の合理的根拠として認められたのでは、と考えられます。

いずれにしても、今回の地裁や高裁判決は、これまで消費者庁が実生活空間での試験にこだわってきた空間除菌製品の菌・ウイルス除去効果の合理的根拠の考え方を、大きく揺るがすこととなりそうです。消費者庁も判決を不服として、争う可能性もあります。

大幸薬品は、2014年3月の空間除菌製品17社に対しする一斉処分において、クレベリンシリーズの「携帯型」「据え置き型」商品の表示に対する措置命令を受けています。

今後の動向に注目します。

フィデスでは、商品の効能効果訴求を支える根拠データの妥当性評価や試験設計について、コンサルティングしています。
お気軽にご相談ください。

・景品表示法上の表示の裏付けとなる「合理的な根拠」。効能効果の適切な実証方法

======================================
◆エビデンスチェックコンサルティング◆
試験デザインや測定方法など科学的視点から、
広告表現と試験データの対応を検証します。
詳細はこちら
======================================

————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの1週間分の情報を、ダイジェストでお届けしています。

登録はこちら

————————————————————-

1 2

3

関連記事

  1. 止まらない、No.1表示の景表法措置命令。蓄電池とその施行サービス2社…

  2. 糖質カット炊飯器の販売事業者4社に景表法措置命令。みせかけの糖質低減率…

  3. 度重なる措置命令。過去事例にみる空間除菌製品広告表示で留意すべきポイン…

  4. 5コーポレーション、個別学習指導の不適正な「比較広告」に景表法措置命令…

  5. ダイエット酵素食品5社に対する景表法措置命令。薬機法だけでなく、景表法…

  6. 水素水再び。老化や疾病の予防効果を謳った水素水生成器の販売・レンタル4…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

最近の記事

2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。