「明日以降は〇〇円!」将来の販売価格を用いた二重価格表示に注意!ジュピターショップチャンネルに景表法措置命令(消費者庁:平成30年3月16日)

消費者庁は3月16日に、TV通信販売事業者ジュピターショップチャンネル(株)が提供するテレビ及びずわいがにに関する表示に対し、景品表示法の措置命令を行いました。
不当な二重価格表示による有利誤認表示とみなされました。

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ジュピターショップチャンネル株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
(平成30年3月16日 消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_180316_0001.pdf
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「将来の販売価格」を用いた期間限定キャンペーンの二重価格表示について、景品表示法上の留意点を確認しておきましょう。


【対象商品・表示媒体・期間】
(1)三菱電機 1台4役!かんたん録画テレビ“リアル”<32V型>
(2)三菱電機 1台4役!かんたん録画テレビ“リアル”<40V型>
(3)甘くてぷりっぷり!特大ずわいがに一番脚肉むき身&かに爪<計1.1kg>

ジュピターショップチャンネルが、地上波放送、CS放送又はBS放送を通じて放送したテレビショッピング番組「ショップチャンネル」
表示期間:
平成28年12月9日~平成29年4月23日

【違反内容】
表示内容(A):
実際の販売価格にそれを上回る「明日以降」(または「期間以降価格」)と称する価額を併記した映像を放送することにより、あたかも、「明日以降」と称する価額は、セール企画終了後に適用される通常の販売価格であって、実際の販売価格が当該価格に比して安いものであるかのように表示していた。
実際:
セール企画終了後に、「明日以降」(または「期間以降価格」)で販売される期間は、本件32V型、40V型テレビは3日間、ズワイガニは2日間のみであって、ごく短期間で販売するにすぎず、当該価額での販売実績も同社において実質的に問われないもので、将来の販売価格として十分な根拠のあるものとは認められない。

(放送日:平成28年12月9日「オールスター家電祭 2016冬」と称するセール企画)
(1) 32型テレビ
「<49%OFF!> 明日以降 ¥192,240 ¥97,800」
(2)40型テレビ
「<43%OFF!> 明日以降 ¥224,640 ¥127,800」

(放送日:平成29年1月2日~同月7日 平成28年12月30日から平成29年1月7日までの間に実施したセール企画)
(1)32型テレビ
「期間限定:12/30~1/7 <48%OFF!> 期間以降 ¥192,240 ¥99,800」
(3) 40型テレビ
「<42%OFF!> 期間以降¥224,640 ¥129,800」

(放送日:平成29年3月20日「春いち!家電買い替え大作戦」と称するセール企画)
(1)32型テレビ
「<50%OFF!> 明日以降\192,240 \95,900」
(4)40型テレビ
「<51%OFF!> 明日以降¥224,640 ¥107,900」

(放送日:平成28年12月13日「食の祭典!24時間グルメ祭」」と称するセール企画)
(3)ずわいがに
「<32%OFF!> 明日以降 ¥14,580 本日価格 \9,800」
ショップチャンネル1

表示内容(B):
平成28年12月9日放送(32V型、40V型テレビ)において、ジュピターショップチャンネルの実際の販売価格は、同日時点において他の販売事業者では通常設定できない安いものであるかのように表示していた。
平成29年3月20日放送(40V型テレビ)において、同日時点において他の販売事業者の販売価格は最低でも15万円程度であって、ジュピターショップチャンネルの実際の販売価格が他の販売事業者の販売価格に比して安いものであるかのように表示していた。

実際:
平成28年12月9日放送の同日時点において、本件32型、40V型テレビを同社と同程度又は下回る価格で販売する他の販売事業者が複数存在していた。
平成29年3月20日放送の同日時点において、本件40型テレビの他の販売事業者の販売価格は15万円を下回るものが複数存在し、ジュピターショップチャンネルの実際の販売価格を下回るものも複数存在していた。

【表示例】
ショップチャンネル2
ショップチャンネル3
ショップチャンネル4
「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」(平成12年 6月30日公正取引委員会 改定 平成28年4月1日消費者庁)によれば、将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示についての考え方が以下のように示されています。

将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示
販売当初の段階における需要喚起等を目的に、将来の時点における販売価格を比較対照価格とする二重価格表示が行われることがある。
このような二重価格表示については、表示された将来の販売価格が十分な根拠のあるものでないとき(実際に販売することのない価格であるときや、ごく短期間のみ当該価格で販売するにすぎないときなど)には、一般消費者に販売価格が安いとの誤認を与え、不当表示に該当するおそれがある。
将来の価格設定は、将来の不確定な需給状況等に応じて変動するものであることから、将来の価格として表示された価格で販売することが確かな場合(需給状況等が変化しても表示価格で販売することとしている場合など)以外において、将来の販売価格を用いた二重価格表示を行うことは、適切でないと考えられる。

「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/pdf/100121premiums_35.pdf

同社のケースでは、セール期間終了後、表示していた将来の販売価格で販売をしていましたが、その期間が3日間と短期間であること、また、その価格での販売実績も同社において実質的に問われないものであったことから有利誤認表示と認定されました。
どの程度の期間であれば適切なのかについて、具体的に示されていませんが、対象となっている商品の一般的価格変動の状況、当該店舗における販売形態等を考慮しつつ、個々の事案ごとに検討されると考えられます。

≪参考記事≫
・アビバ、二重価格表示に措置命令。「通常」価格と表示してよい販売期間の考え方

・二重価格表示の注意点~セール時の価格表示~

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。