5月20日、消費者庁は全国に学習塾を運営する事業者(株)進学会(札幌市)に対し、同社が運営する学習塾の夏季講習や冬季講習の受講者を募集する広告に関する表示について、景品表示法違反(優良誤認) の措置命令を行いました。
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株式会社進学会に対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 平成26年 5月20日)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140520premiums_1.pdf
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【違反内容】
対象役務:進学会が運営する学習塾において一般消費者に提供する学校教育の補習教育及び学習指導に係る役務
表示媒体・期間:
「北大学力増進会」、「東北大進学会」及び「名大進学会」と称する学習塾に関する新聞折り込みチラシ(平成23年5月23日から平成25年3月11日まで)
北海道、東北をはじめ、愛知、三重両県の9道県で約1300万枚配布
表示内容:
例えば、
「国公立大出身98% 増進会・進学会全国講師出身大学構成比 精鋭講師陣が皆さんを指導!」
「■塾は講師で決まる! 『塾は講師で決まる』の言葉にあるように、当会は有名国立大出身の講師を中心に、厳しい研修を積み重ねてきた精鋭講師陣がみなさんの指導にあたります。 増進会で『講師の力』を実感して下さい!」
等と記載するとともに、氏名及び卒業した国公立大学・大学院の名称を併記した自社講師の写真を掲載【別紙1】
実際には、講師のうちの国公立大学・大学院出身者が占める割合は、約14パーセントにすぎなかった。
報道によると、以下のように報じられています。
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進学会の講師の83.5%はアルバイトの現役国公立大生で、専任講師に足せば98%を超える。同庁は「出身」と宣伝すれば、消費者はアルバイトを専任の講師と誤解するとして、虚偽の広告に当たると判断した。
進学会は調査に「『出身』という言葉の響きが良かったので安易に使ってしまった」と説明したという。同社は「心よりおわび申し上げる。再発防止に努める」とのコメントを出した。
≪日本経済新聞2014/5/20≫
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消費者(今回のケースでは学習塾に通わせる保護者)にとって、その学習塾のサービスの質を判断する点において、プロの講師かアルバイト講師かは、大きな判断要素となると消費者庁は判断しました。「出身校」か「在籍校」か。
大きな違いではないようにも思われますが、それがサービスに対してどのような価値となり、消費者にどのような認識を持たせるのかを意識することが重要です。
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