2017年の消費者行政の方向性はどこに向かうのでしょうか。
本年最初の岡村消費者庁長官の記者会見が1月11日に行われ、年始の抱負が述べられていました。
注目したのは「エシカル(倫理的)消費」という言葉。
消費者行政の未来への取り組みとして、倫理的消費の促進を含めた消費者教育の推進を掲げています。
「エシカル消費」とは、より正しい企業の行動を、消費という選択を通して応援するという消費スタイルです。先週ご紹介した「消費者志向経営」の対をなす、消費者の目指すべき姿勢と言えます。
岡村長官曰く、
「消費者を大切にする企業の提供する製品・サービスが消費者に選ばれる。
それによって企業も消費者も同じ目線で同じ目標を共有して、より持続可能な世界の実現を目指す」
このような消費者行政を目指したいと語っています。
また、法執行の体制に関しては、「企業の適正なビジネスを応援する」形の執行であるとしています。
つまり、既に企業が自浄能力により改善に取り組んでいるときには過大な処分は行わないものの、コンプライアンス、ガバナンスに反するような悪質商法や不当な表示の排除については厳しく対処するということです。
昨年導入された課徴金納付の行政処分権限を行使するべく、幾つかの事案については調査も進めている、とチクリ。
許可取消問題の起きたトクホ制度についても、信頼性向上に必要な対応をとっていくと述べています。
2017年、消費者庁の素晴らしい未来への取り組みに期待したいと思います。
◆岡村消費者庁長官記者会見要旨
(消費者庁 平成29年1月11日)
http://www.caa.go.jp/action/kaiken/c/170111c_kaiken.html
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