新制度施行後初。H27上半期食品表示法指導状況

食品表示法が平成27年4月1日に施行され、間もなく1年。
平成28年4月1日より製造所固有記号制度も運用開始されます。

これまで消費者庁と農林水産省では、「JAS法違反に係る指導件数の集計等」を行い、定期的に公表しています。
今回は、新制度施行後初めてとなる、平成27年度上半期(27年4月~27年9月)の食品表示法による指導の件数等を確認してみます。(※)

注:食品表示法では、次に掲げる項目全てに該当する場合は、業者名・違反事実等の公表はせず「指導」に留めています。
1)食品表示基準違反が常習性がなく、過失による一時的なものであること。
2)違反事業者が直ちに表示の是正(表示の修正・商品の撤去)を行っていること。
3)事実と異なる表示があった旨を、社告、ウェブサイトの掲示、店舗等内の告知等の方法を的確に選択し、速やかに情報提供しているなどの改善方策を講じていること。

・食品表示法第4条第1項の規定に基づいて定められた食品表示基準の違反に係る同法第6条第1項及び第3項の指示及び指導並びに公表の指針
(消費者庁 国税庁 農林水産省 平成27年3月20日)


●H27年度上半期は144件、うち、生鮮食品61件、加工食品95件
食品表示法の食品表示基準に係る国(消費者庁、国税庁及び農林水産省)による指導の件数等は、以下のとおりです。

●生鮮食品では「原産地の誤表示・欠落」が77%、加工食品では「原材料名の誤表示・欠落」が45.3%
平成27年度上半期における指導の分類



更に詳しい品目別の違反内容の内訳は以下の表のとおりです。

食品表示基準の経過措置期間(旧基準の表示方法が認められる期間)は、生鮮食品は施行後1年6か月(平成28年9月30日)、加工食品及び栄養成分表示は5年(平成32年3月31日)までです。
※経過措置期間中は、旧基準による表示も認められますが、旧基準と新基準の表示方法が混在された表示は原則認められません。

(※)
平成27年度上半期食品表示法の食品表示基準に係る指導の件数等
(平成27年12月 消費者庁 国税庁 農林水産省)

≪参考記事≫
・JAS法の品質表示基準に係る国による指導状況
(平成26年下半期 消費者庁・農林水産省)
(平成26年上半期 消費者庁・農林水産省)
(平成25年度下半期 消費者庁・農林水産省)
・食品の表示違反動向
(JAS法:平成26年度、警察庁:平成26年)
(JAS法:平成25年度、警察庁:平成25年)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。