模倣被害1社あたりの平均被害額1.8億円。ネット上の模倣被害は6割!(特許庁 2015年度 模倣被害調査)


近年、模倣品・海賊版の流通は世界的に拡大しており、その被害の内容も多様化・複雑化しています。特許庁の「2015年度 模倣被害調査報告書」によると、2014年度の模倣被害率は、21.9%、インターネット上で被害※を受けた企業は模倣被害を受けた企業のうち62.3%となっています。
※インターネット上の被害とは、インターネット通販サイトやオークションサイトを使った模倣品の販売取引、インターネットにおけるコンテンツ等の著作物の違法コピーなどを指します。

模倣品・海賊版による被害は日本企業にとって潜在的市場の喪失、消費者に対するブランド・イメージの低下、製造物責任を巡るトラブルの増加等の悪影響を及ぼすため、その対策に積極的に取り組む必要があります。

調査結果より、特にインターネットによる模倣被害状況と対策情報をご紹介します。
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2015年度 模倣被害調査報告書
(特許庁 2016年3月)
http://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/jittai/jittai.htm
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まずは、模倣被害の全体的傾向について。
●模倣被害率の推移
2014年度の模倣被害調査において、回答社数4,090社のうち、模倣被害があったと回答した企業は896社、模倣被害率は21.9%で前年度被害率のからより0.1ポイント減少。模倣被害率の推移は 2002 年度(28.8%)をピークとして数年低下傾向に、2006 年度から増加に転じた後、2009 年度から減少し、2010 年度以降は増減を繰り返している。
模倣被害率推移2015

●模倣被害総額(逸失利益総額)の推移
2014年度模倣被害総額(逸失利益総額)の 有効回答社合計は1,028億円で、前年度(1,116億円)比で減少した。1社あたりの平均被害額では、調査年度毎の振れ幅の大きい模倣被害額100億円以上の被害を外れ値として除くと、2014年度は1.8億円となり、前年度比でやや増加となった。 模倣被害額の規模別被害社の構成比の推移では、2012年度まではほぼ横ばいで推移していたが、2014年度は 5 千万円未満、10億円以上で減少、5 千万円~10 億円未満で増加となった。
模倣被害額2015

●模倣被害の被害額以外の影響
上位5分野における模倣被害における被害総額以外の影響は、「ブランドイメージの低下」が各商品分野において最も大きく、特に「食品」が97.1%と最も高い。その他の影響については、雑貨で「取引先とのトラブル」が40.4%、電子・電気機器で「消費者からのクレーム」が39.2%と高くなっている。
模倣被害額以外の影響2015

次に模倣被害を受けた企業の中で、商標、意匠、特許・実用新案、著作物、その他の知的財産権の何れかについて、インターネット上で模倣被害を受けた企業の被害状況です。

●インターネットによる模倣被害状況
模倣被害を受けた企業のうち、インターネット上で被害を受けた企業は62.3%(前年度比1.8ポイント増)となった。2010年度から 2014年度までの推移を見ると、インターネットによる被害は増加傾向にあり、2012 年度以降は 6 割を超える高い水準にある。被害の傾向としては、増加傾向とする企業の割合が4 割、横ばいとする企業の割合が5割となっている。
国内ネット模倣被害状況2015

●インターネット上での模倣被害の内容と商品分野特徴
インターネット上の模倣被害内容は、海外インターネット通販サイトによる模倣品の販売取引が48.2%で最も多く、国内インターネット通販サイトによる模倣品の販売取引が32.3%、インターネット上のコンテンツやデザイン等の著作物の違法コピーが25.1%と続く。
インターネットによる模倣被害の内容別に被害の多かった商品分野を見ると、「国内通販サイトによる販売取引」では「台所・食卓・洗面用品」58.3%、「卸・小売業」57.9%、「その他雑貨」52.4%。「海外通販サイトによる販売取引」では「化粧品等」63.2%。「国内オークションサイトによる販売取引」では「印刷物・フィルム」35.7%、「繊維」32.3%。
国内ネット模倣被害内容2015 模倣被害内容(商品分野)2015

更に、模倣品・サービスが販売提供された国・地域を「日本」と回答した企業のインターネット上での模倣被害状況です。
●日本での販売提供被害におけるインターネット上の模倣被害
日本での模倣品・サービス販売提供被害においては、その69.9%がインターネット上の被害となっている。「海外」における模倣被害も含む総回答結果では、インターネット上での被害は62.3%であり、日本での販売提供被害がある企業の方が7.6 ポイント高い傾向にある。

また、インターネットによる模倣被害を受けた知的財産権で最も多いのは、商標等の無断使用・類似商標の使用での被害で65.8%となっている。
国内ネット模倣被害状況2015

●日本での販売提供被害がある企業におけるインターネットによる模倣被害内容
日本での模倣品・サービス販売提供被害におけるインターネットによる模倣被害の内容では、「国内インターネット通販サイトによる模倣品の販売取引」が最も多く 55.0%。次いで「海外インターネット通販サイトによる模倣品の販売取引」が44.3%となっている。
販売提供国が日本と回答した企業の回答データのみを抽出しているが、海外インターネット通販サイトや海外オークションサイトによる模倣品の販売取引についても、合わせて 5 割弱の被害が確認できる。
国内ネット模倣被害内容2015

このような模倣被害状況における企業の対策状況は以下の通りです。
●インターネット上の模倣被害対策
インターネット上の模倣被害に対する対策としては、「販売・出店業者への通報・警告」が 57.0%で最も多く、次いで「弁理士や弁護士に相談し法的手段の検討」が 49.3%、続いて、「インターネット上での監視強化」が 29.0%となった。
特に効果のあった対策としては、「ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)への相談」が 72.4%で最も多く、次いで「販売・出店業者への通報・警告」が 67.9%と回答が続いている。
しかし、「対策をしていない又は検討中」との回答も 14.9%存在している。
ネット模倣被害対策2015
様々な業種の企業の被害への取り組み事例もまとめられていますので、ご参考ください。
模倣被害対策事例2015
◆企業の取組例 模倣被害の傾向と対策
http://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/jittai/pdf/2015_houkoku/2015torikumi.pdf

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