化粧品購入時の後押しに有効な施策と消費者トラブル  ( 電通ダイレクトマーケティング 「健康食品・スキンケア化粧品の定期購入者実態調査」)


経済産業省の電子商取引に関する市場調査報告書より、今回は物販系BtoC-ECの化粧品関連市場にフォーカスしてみます。

2018年BtoC-EC市場のうち、「物販系分野」は9 兆2,992億円で前年比伸び率8.12%となる中、化粧品・医薬品カテゴリーの市場規模は6,136億円で、対前年比8.21%プラスと物販系全体の伸び率を上回って拡大しています。
※調査での「化粧品・医薬品」カテゴリーは、化粧品全般、医薬品、および美容・健康関連器具が対象。
経産省_EC市場物販系2019(BtoC)

本報告書ではその背景について、ネットで商品購入する消費スタイルの定着、スマートフォンの普及、口コミサイトの充実など、一般的なネット通販利用環境に加えて、商品の品質を体験してもらうための無料サンプル提供、サブスクリプション型サービス、メイクアップの方法やコツ等のライブコマース配信事例に言及しています。

他方、電通ダイレクトマーケティングが発表した「健康食品」「スキンケア化粧品」の定期購入に関する調査では、「購入決定における重視ポイント」、「購入あと押しに有効なオファ-」、「定期購入の継続・解約理由」について、以下のような結果が出ています。

購入決定における重視ポイント:
「効果・効能」「身体(肌)に合う」「価格」「原材料が安全・安心」が上位。

購入あと押しに有効なオファ-:
「送料無料」「無料サンプル」「初回購入時割引」「定期コース申込割引」が有効。

定期購入の継続・解約理由:
継続理由として、健康食品では「メーカーが信頼できる」「効果がある」「安心・安全」がトップ3。スキンケア化粧品では「使用感が良かった」がトップで、次いで「効果がある」「安心・安全」。
定期購入をやめた理由は、「効果がなかった」「価格が高かった」が高い。

「送料無料」「無料サンプル」「初回購入時割引」「定期コース申込割引」といった販促施策や販売方法が有効であるからこそ、行き過ぎた事業者による消費者トラブルも後を絶ちません。

「お試しのつもりが定期購入」トラブルは2015年あたりから急増していますが、最近もまだまだ収束していない模様です。

2019年4月にも中野区が注意喚起を行っています。
また、適格消費者団体による差止請求の取り組みも活発です。

消費者機構日本が、(株)エスタの「スピーナコリー公式オンラインショップ」の定期購入表示内容に対して是正申し入れを行っていましたが、2019年4月15日に協議が調ったことが公表されています。

これらの販促施策の本来の目的は、使用感や効果の確認やお得な価格で消費者の購入のハードルを下げることにあります。
消費者に喜ばれるサービスと、トラブルになるサービスのさじ加減を間違わないように客観的な基準を持つことが重要です。
消費生活アドバイザーが、そのような担い手であってほしいと思います。

◆「健康食品・スキンケア化粧品の定期購入者実態調査」
(株式会社電通ダイレクトマーケティング 2019年5月20日 )
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000017763.html

◆お試しのつもりが定期購入に!
(中野区 消費者相談の現場から 2019年4月号)
 https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/211500/d026944.html

◆消費者機構日本と株式会社エスタとの間で差止請求に関する協議が調ったことについて
(消費者庁 2019年4月15日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/collective_litigation_system/about_qualified_consumer_organization/release39/2019/pdf/release39_180415_0003.pdf

消費者機構日本:
株式会社エスタの「スピーナコリー公式オンラインショップ」の表示において、「定期便代金最低総額」が明記され、また「最低購入回数」が明瞭に表示されるなど、表示が改善されました。
http://www.coj.gr.jp/zesei/topic_181005_01.html

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