消費者庁、健康志向食品でチラシの「お勧め商品欄」による広告効果を検証(消費者庁「健康と生活に関する社会実験プロジェクト」2019年11月)


コンテンツと合わせた商品紹介という広告手法は、あまりにも当たり前の手法だと思いますが、消費者庁が、ちょっと面白い社会実験を行っています。
生協の会員向けの健康情報チラシに「お勧め商品欄」を設けて商品を紹介することで、購買率(推定値)の増加に一定の効果があることを公表しました。

この実験は、消費者庁が2017 年7月に徳島県内に開設した「消費者行政新未来創造オフィス」において実施している「健康と生活に関する社会実験」で、とくしま生協購買データを用いた介入(お勧め商品欄有りのチラシを配布すること)の効果分析を行ったものです。

当社会実験における購買データを分析した結果、チラシにお勧め商品欄を設けることで、消費者の購買行動に変化が表れることが分かりました。


実験方法:
・モニター2,448名をランダムに2グループに分ける。
・一方にお勧め商品欄なしのチラシを配布し、もう一方に、お勧め商品欄ありのチラシを配布する。
・モニターに配布するチラシには、毎回健康に関するテーマを設定し、テーマに沿った健康情報を盛り込んでいる。
・お勧め商品欄有りのチラシには、テーマに沿った商品や、健康に寄与すると考えられる商品3品を掲載。
・お勧め商品欄の有無により、購買データ(行動)に差が出るかについて分析した。

情報チラシのテーマとお勧め商品は、以下の通り。
2018 年9月:
テーマ「カロリー摂取と BMI」
お勧め商品『カル鉄低脂肪乳』、『産直PHF若鶏 スジとりササミ』、『菌床生しいたけ(徳島県産)』

2018 年10月:
テーマ「朝食の大切な働き」
お勧め商品『1日分の鉄分ヨーグルト』『さんまみりん干』、『充てん絹ごしとうふ』

2018 年11月:
テーマ「おやつの食べ方・選び方」
おすすめ商品『食塩不使用 ミックスナッツ(徳用)』、『毎日鉄&Caウエハース』、『茹でうま野菜調理容器』
とくしま社会実験‗1

実験の結果、チラシ配布直後(1週間)の購買率の変化を見ると、「お勧め商品欄」ありのチラシ配布グループでは9品中5品(有意水準(※)5%)で購買率が増加。
特に『カル鉄低脂肪乳』(0.7%増加)、『1日分の鉄分ヨーグルト』(0.7%増加)、『毎日鉄&Caウエハース』(0.6%増加)については、有意水準1%でも有意差が認められた。
さらに、この3商品では持続的な効果も示唆された。

(※)優位水準
統計上、ある事象が起こる確率が偶然とは考えにくい(有意である)と判断する基準となる確率をいう。多くの場合5%を使うが、1%になるとより厳密になる。

今回の分析は、社会実験で配布しているチラシをモニターはどの程度活用しているか(見ているのか)、チラシを複数回配布することでモニターの購買行動は変わるのかといった、提供される情報に対する消費者の反応(購買行動への影響)やチラシの効果(情報提供の効果)を客観的に検証したものと考えられます。

本社会実験の目的は、行政による情報提供がもたらす消費者の行動への影響と、効果的・効率的な情報提供の在り方を把握し、今後の周知・広報等に活用するための基礎資料を提供することとしていますが、なんだか、健康食品の広告効果測定のようにも見え、消費者庁が実施した「打消し表示に関する実態調査報告書」のアプローチを思い起こしてしまいます。

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「健康と生活に関する社会実験プロジェクト―とくしま生協購買データを用いたナッジの効果分析―」の公表について
(消費者庁 2019年11月21日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/017953/
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