JAROへの新型コロナウイルス関連広告への苦情、6月減少。7月再び増加。「除菌関連商品」、「交通・レジャー」(日本広告審査機構 2020年6月~7月)


JARO(公益社団法人 日本広告審査機構)が、消費者から受け付けた苦情の中から、2020年1月末から寄せられている新型コロナウイルス感染症やそれに伴う自粛、新しい生活様式などに関連した意見を取りまとめて公表しています。

これまでに、1~3月分、4~5月分を公表し、今回、6~7月分を取りまとめ、1月からの推移を分析しています。

・JAROへの新型コロナウイルス関連広告への苦情、4月に急増。「マスク」「除菌」「行政・公共・その他啓発」(日本広告審査機構 2020年1月~5月)

意見の内容は、下記のようなもの対象としています。
・新型コロナウイルスやそれに類する用語(ウイルス、新型肺炎、コロナなど)を明示・暗示した広告に関するもの。
・新型コロナウイルス感染症への対策等に供すると思われる商品・サービス(マスク、除菌剤など)に関するもの。
・新型コロナウイルスに関する表示・表現はないが、感染症による環境変化などにより、広告への意見を述べるもの。

コロナ関連の意見の件数は、感染者の増減と連動しているようです。
内容を確認してみましょう。


●新型コロナウイルス関連意見、6月減少。7月再び増加
新型コロナウイルスの影響が広がるに連れて、前年同月に比べ「苦情」全体が増加。7都府県への緊急事態宣言が出された4月7日から件数が増え、4月の苦情件数は前年度比165%に上った。
「コロナ関連ご意見」は4月の223件(苦情に対する割合21.6%)をピークにその後減少し、感染者が再び増え始めた7月に109件(苦情に対する割合8.7%)と増加に転じた。
3~4月には「表現」に関するものが多かったが、その後「表示」に関するものが上回っている。

「表示」とは:
新型コロナウイルスへの効果を標ぼうするもの、新型コロナウイルス等と明示・暗示するもの、マスクの高額販売、欠品しているのに広告に掲載、など。(違反するかどうかの判断をしていないものも含まれる)
「表現」とは:
新型コロナウイルスの感染拡大や外出自粛の状況に関連付け、広告表現が不適切などとする苦情。
JAROコロナ20201-7_件数

●表示に関する意見で増加したのは「対象範囲を誤認させるもの」、「表示その他」
「表示関連」の意見を内容別みると、6-7月期に増加したのは「対象範囲を誤認させるもの」26件、「表示その他」39件。
1-7月計では、「効果をうたうもの」、「表示その他」が64件、「便乗と思われるもの」55件、「価格」51件、「対象範囲を誤認」49件、「欠品・遅延、おとりが疑われるもの」43件、「虚偽」22件となっている。
JAROコロナ20201-7_内訳

主な事例(表示関連)
【表示その他】

「表示その他」39件のうち「優良誤認・有利誤認」と思われるものが22件を占めた。
内訳は「マスク」6件、「交通レジャー」6件のほか、除菌関連商品、通信サービス、健康食品など。
◆ 県内在住者限定の超格安キャンペーンに申し込み、予約を受け付けた旨のメールを受信したが、その後一方的にキャンセルされた。(宿泊施設)
◆ 格安航空券予約サイトで予約した飛行機がコロナの関係で欠航となったが、その返金手数料が高い上、返金は3カ月後と言われた。欠航時にそのようなことがあるとは、申込前のサイト上では見ていない。
◆ 宿泊施設の折込広告に「応援キャンペーン」「通常よりも5,000円引き」とうたっているが、通常価格が普段よりも高く設定されており、実際は5,000円引きではない。
◆消臭性、調湿性があると表示されていたが、よく見ると一部の素材の効果だと小さく書いてあった。マスク自体に効果があると誤認させる。(マスク、通販サイト)

【対象範囲を誤認させるもの】
「除菌関連商品」20件、「空気清浄機」2件、「雑品(除菌剤除く)」1件、「教室・講座・スポーツクラブ」1件、「除菌・消毒サービス」1件など。
◆ さまざまな雑菌に効果があるように宣伝しながら、画面隅に小さな文字で「すべての雑菌に効くわけではない」と逃げを打っている。商品についても具体的にどのような効果があるか科学的根拠を示さず、一方で体に害になるものは含んでいないとあおっている。
※業界によっては「除菌」の表示をする場合の自主基準があり、全ての菌種・菌数について実証されているかのように誤認させないよう、全ての菌を除菌するわけではない旨の表示をするよう規定している。
◆ 99.9%除菌できるとうたったスプレーをテレビで宣伝していた。当該商品を利用すれば感染しないような表現は、コロナ状況下で問題があると思う。
◆ そもそも、菌とウイルスではその特性も違い、抗菌でウイルスを不活性化できる根拠はないにもかかわらず効果あると言い切っていて、危険ではないかと思った。

●商品・サービスで6-7月多いのは、「除菌関連商品」、「交通・レジャー」
「表示」「表現」合わせた意見の対象となった商品・サービスについて6-7月計で多いのは、「除菌関連商品」42件、「交通・レジャー」15件、「マスク」「行政・公共・その他啓発」12件、「食品(飲料・健康食品含む)「オンラインサービス」」11件と続く。
「除菌関連商品」は1-7月計においても100件とトップで、7月が27件で最多月となっている。
JAROコロナ20201-7_商品

主な事例
【除菌関連商品】

◆「ウイルスが心配」などと出演者が述べており、あたかも新型コロナウイルスに効果があるかのように宣伝している。
◆エレベーターのボタンに直接液体を吹き付けていたが故障のおそれがある。このような使い方を推奨することは問題だと思う。
◆99%除菌できると表示しているが、広告主に確認すると新型コロナウイルスには効かないと言う。この時期にアルコール除菌と言われると、殺菌効果があると思う。
◆飲めるくらい安全などとうたっているのは問題ではないか。

6-7月期は、コロナ状況下における「ウイルス」「除菌」などの表示により、新型コロナウイルスに効果があると誤認を与える、意図的に誤解させようとしているといった意見。購入に至っていない人が多く、企業の表示に対する姿勢に意見を述べるものが目立つ。
1-3月期には、「99%」「菌」「ウイルス」とうたうことで新型コロナウイルスへの効果を暗示している、小売店の折込広告に表示されていたが未入荷(または売り切れ)だったなど。4-5月期には、アルコール濃度が不明瞭、除菌の対象が不明瞭、殺菌とうたいながらそのレベルではない商品であるなど。

【交通・レジャー】
◆旅行比較サイトが登録施設からの手数料が上乗せされていないかのように表示しているが、実際には他の旅行会社同様、登録施設から手数料を取っている。ユーザーに誤認されると同時に比較広告の不当表示にあたるのではないか。

3月ごろから外出自粛、4-5月期には緊急事態宣言が出された時期であるため、アミューズメント施設、旅行、映画、イベントなどの広告に対して「なぜこの時期に広告するのか」といったご意見が寄せられた。5月になると広告出稿が控えられ、意見も減少。6-7月期になるとGoToトラベルに関するものが寄せられた。

【マスク】
◆ウイルスが侵入しない旨が書かれているが、飛沫は防げてもコロナウイルスは特に小さいので技術的に無理である。しかも非常に高額。コロナの状況下で悪質だ。

1-3月期にはマスクの欠品・遅延、おとりに関するもの、4-5月期にはマスクの価格や品質・素材、原産国など。6-7月期になって涼しいとうたうアイスシルク、アイスコットンなどの素材、通気性などの性能・効果、米国FDAやEUのCEマークなど認証などへの疑義が寄せられた。

コロナ関連広告への消費者からの意見は4月をピークにその後減少し、感染者が再び増え始めた7月に増加に転じており、内容も社会情勢に対応したものに変化しています。
また、マスクや除菌関連商品、交通・レジャー関連の表示に対する指摘が強まっています。

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公益社団法人 日本広告審査機構
[2020年6月~7月]
新型コロナウイルスに関連した広告へのご意見(2020年10月5日)
https://www.jaro.or.jp/news/20201005.html
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《関連記事》
・JAROへの新型コロナウイルス関連広告への苦情、4月に急増。「マスク」「除菌」「行政・公共・その他啓発」
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