健康食品通販86品目すべてに表示違反の疑い(2019年度東京都健康食品試買調査)


東京都では、毎年、法令違反の可能性が高いと思われる健康食品の試買調査を行い、不適正な表示・広告を行った事業者に対し改善等を行っています。
成分検査による医薬品成分の検出も確認しています。

2019年度の調査では、消費者への注意喚起として、以下の事例が示されています。
【不適正な事例】
「免疫力を高める」
「風邪の予防に」
「抜け毛や白髪の予防」
「アレルギー改善」

広告表示違反の傾向について、確認してみましょう。
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健康食品の不適正な表示・広告にご注意!平成30年度健康食品試買調査結果
(2020.3.24 東京都福祉保健局生活文化局)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/03/24/09.html
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●試買品目数の93%が法令違反の疑い
今回調査で購入した健康食品125品目のうち116品目で、試買品目数の93%に製品表示や広告に法令違反又は違反の疑いあり。
購入方法別では、店舗購入39品目中30品目、ネット購入86品目中86品目と、ネット購入品目では100%が不適正な表示・広告となっている。
前回2018年度調査では、店舗購入44品目(内、違反品目29品目)、ネット購入86品目(内、違反品目79品目)で、店舗、ネット購入品ともに違反品目割合は上昇した。

また、4製品からアミノタダラフィル及びクロロプレタダラフィルを含む製品、タダラフィルを含む製品、GBL(ガンマブチロラクトン)を含む製品等、医薬品成分が検出された。

注目されている製品テーマ(購入品目の多いもの)として、特に店舗では「男性機能向上」、「免疫力増強」、ネットでは「ダイエット効果」、「美白、美容、美肌」、「免疫力増強」、「抗糖化・エイジングケア」。
健食試買調査2019_購入方法

●表示違反が多い法律は、薬機法、特商法
医薬品医療機器等法が90件と突出している。次いで、特定商取引法79件、食品表示法(衛生事項)58件、食品表示法(保健事項)48件となっている。

製品テーマ別では、主に以下の法律での違反が目立つ。
男性機能向上:食品表示法(保健事項・衛生事項)、医薬品医療機器等法
免疫力増強:医薬品医療機器等法、食品表示法(保健事項・品質事項・衛生事項)、特定商取引法
ダイエット効果:医薬品医療機器等法、特定商取引法、食品表示法(保健事項・衛生事項)
美白、美容、美肌:医薬品医療機器等法、特定商取引法、景品表示法
抗糖化・エイジングケア:医薬品医療機器等法、特定商取引法、食品表示法(保健事項・衛生事項)、景品表示法
健食試買調査2019_法令

今回の調査で、違反又は違反の疑いがあるとみなされた表示です。
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●製品についての不適正な表示・広告の事例
健康増進法(健康保持増進効果等の虚偽誇大表示):
・著しく事実に相違する又は人を誤認させるおそれのある表示
「高齢者が迷子になっているような絵」とともに「認知症で現れると思われる行動を列挙」し、またそのような行動が改善しているという体験談を掲載し、あたかも認知症を改善・予防するかのような表示
(これら文言だけではなく、写真・絵なども含めた表示全体から判断)
広告では、栄養機能食品と表示をしているが、実際の商品は栄養機能食品ではない。

景品表示法:
・優良誤認に該当するおそれのある表示
「成長期を過ぎてから身長が〇cmも伸びました」「飲んで眠るだけで理想のボディに」等と合理的根拠無く、他社の商品よりも優れているかのように表示。
・有利誤認に該当するおそれのある表示
根拠の無い比較対照価格による二重価格表示。

医薬品医療機器等法:
・疾病の治療又は予防を目的とする効能効果に該当
「風邪の予防に」「緑内障や不妊症、ガン治療にも」「脳梗塞の後遺症が改善」
「食中毒や各種感染症を予防 する」「黄斑変性症の改善」「冷え性が改善する」
・身体の組織機能の一般的増強・増進を主たる目的とする効能効果に該当
「血行促進」「代謝アップ」「免疫力を高める」「悪玉コレステロールの減少」「白血球増加」
「血圧の上昇を抑える」「抗ウイルス作用」「アレルギー改善」「5α リダクターゼを阻害」
「傷ついた血管を修復します」「脳の海馬の神経細胞を再生させる」「滋養強壮・疲労回復」
「やせホルモン(GLP-1)の分泌を促す」「利尿作用」

●法令で義務付けられている表示についての不適正な事例
食品表示法(容器包装の表示):
・一括表示の欠落
・原料原産地名表示が不適正
・食品添加物以外の原材料と食品添加物が混在している
・新旧混在の表示
・保存方法の表示が不適正
・栄養成分表示が正しく記載されていない
栄養強調表示をしているにもかかわらず、栄養成分表示に強調している成分の表示がない。
・栄養機能食品の必要表示事項が正しく記載されていない
栄養の機能表示を行っている栄養成分に対する栄養素等表示基準値に対する割合が正しく記載されていな い。
・表示禁止事項が記載されている
保健機能食品以外であるにもかかわらず、含有成分に関して特定の健康の増進効果が期待できる表示を行っている。

特定商取引法(通信販売広告の表示):
・「申込み最終確認画面」に返品特約が表示されていない
返品に関する事項(返品の可否・返品の期間等条件・返品に係る送料負担の有無)について、「申込みの最 終確認画面」に表示されていない。
・定期購入の場合の条件表示が不十分
「初回500円!」と大きく表示されているが、購入者から解約の申入れがない限り契約が継続される定 期購入である旨や、解約条件、支払代金の総額、契約期間等販売条件についての表示が、薄い色で小さく 表示されているなど確認しづらい。

不適正な表示・広告を行った事業者に対しては改善等を指導しており、他の自治体が所管する事業者については当該自治体に通報し、指導等を依頼しています。

他にも東京都では、インターネット広告表示監視事業により発見された不当表示に対して改善指示を行ったり(※)、消費者庁では、国と地方、地方の間での調査情報、被疑事案情報の共有を図ることを目的とした『景品表示法執行NETシステム』を、2012年4月から運用しています。

(※)平成30年度インターネット広告24,000件監視結果公表(東京都)

<関連記事>

・東京都サイバー薬事監視の取組(1)【ネットショッピングモール(B to C)編】

・平成30年度健康食品試売調査(東京都)

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