強まる「定期購入」契約に関する監視の目。適格消費者団体、行政の動向


昨年の暮れから年をまたいで、「定期購入」契約に関する特定商取引法違反処分が相次いでいます。
電話勧誘販売で2件、通信販売で3件と立て続けに出さています。

「定期購入」契約に関する監視の目は、行政処分に先立って適格消費者団体による差止請求が活発に行われてきました。

・和解に1年、ラッシャーマンの差止請求訴訟。続く、健康食品「通販定期購入」に対する適格消費者団体の差止請求

今年に入ってからの動きとして注目されるのは、消費者機構日本の(株)tattvaに対する申し入れ活動終了と、ネットワーク東海のファビウス(株)(旧メディアハーツ)に対する差止請求訴訟の棄却です。


前者は、2018年6月から行われていた申し入れが、tattvaが定期コースの販売を中止したことにより終了となりました。
販売中止の理由は、消費者機構日本が同社に要請した「定期コース購入にあたっての条件(最低継続回数、2回目以降の価格)を広告サイトの「申込みボタン」のリンク先の上部に記載すること。」について、システム上の対応が困難であることとしています。

後者は、2015年7月から申し入れが行われており、2018年1月に不当表示の差止訴状が名古屋地裁に提起されていたところ、2019年12月に請求が棄却されファビウス勝訴となりました。
差し止めを求めた内容は、ファビウスの商品ページの初回購入金額表示や返金の仕組みが、景品表示法に違反する有利誤認表示にあたるというもの。
名古屋地裁は、「(契約の)条件は十分明示されており、社会一般に許容されている誇張の程度を超えて販売価格の有利性があると誤信させるものであるとは言えない。」との見解を示しました。
ネットワーク東海は判決を不服として1月8日付で控訴しており、今後の司法の判断が気になります。

一方、行政の動きとしては、消費者庁では特定商取引法及び預託法について、法改正を視野に制度の在り方について検討を開始しました。
主な検討事項は、大きな消費者被害となったジャパンライフ事件のような悪質な「販売預託商法」対策やデジタル化に伴う消費者問題への対応に加えて、過去の法改正により導入された各種規定に関する法執行の強化・迅速化の観点から検討を行うとしています。

「定期購入」契約に留まらず、サブスクリプション・サービス、デジタル・プラットフォームを介した取引など、広範囲にわたっての環境整備が進められようとしています。

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