健康食品広告法規制強化の流れ。健康増進法にも「不実証広告規制」導入か?


年度末の3月、特に健康・美容関連商品・役務広告の行政処分が立て続けに行われています。

・トクホ、健康増進法の誇大表示禁止規定の初めての勧告 ライオン「トマト酢生活」(消費者庁)
・黒酢サプリ市場6年連続売上トップの「えがおの黒酢」に、景表法措置命令(消費者庁)
・村田園万能茶、パッケージ表示と原料原産国に優良誤認 景表法措置命令 (消費者庁)
・元氣ファクトリー「小顔矯正」景表法不実証広告規制による措置命令。全国で3例目の都道府県による処分(広島県)
・アサヒ食品「スリムオーガニック」、小規模事業者にも景表法措置命令(消費者庁)
・ 連鎖販売業者【(株)ナチュラリープラス】に対する業務停止命令(9ヶ月)及び指示について(消費者庁)
・特定商取引に関する法律違反の事業者(株)ファインティに対して、業務停止命令(3か月)(長野県)

景品表示法、特定商取引法、健康増進法・・・いずれも法改正の動きがあり、規制強化となっています。

特に注目は健康増進法で、よりきめ細かく迅速な取り締まりを目指しています。
3月31日に発表された、消費者委員会における「特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会」の報告書より、健康増進法の法改正と広告表示における規制強化の動きについて確認します。

●「勧告・命令権限」の地方への移譲
26年11月の景表法改正同様、28年4月から健康増進法の「勧告・命令権限」が、国に加えて都道府県知事並びに保健所設置市長及び特別区長に移譲される。
これにより、健康増進法による誇大表示の取り締まりが現在よりきめ細かく実施できるようになり、特保などの保健機能食品だけが、健康の保持・増進効果を確認されている範囲でアピールできるようになることによって、消費者の適切な製品選択を行える環境を整える。

●健康増進法への「不実証広告規制」の導入検討
同法には、景品表示法に規定されるような「不実証広告規制」がなく、不正表示の疑義が生じた場合は、行政側が実証しなければいけないということが迅速な法執行の障害となっており、これを改善する。

●「体験談」、「暗示的な表現」にも注意
現状において、健康食品において広く用いられている、他者にとって真実性が担保されない「効果に関する個人の感想」や、効果に関する暗示的な広告など、健康食品の欺瞞的な広告を、より迅速かつ的確に監視・指導する。
従わない場合には法的処置を行うことにより、有効性・安全性が担保されない「いわゆる健康食品」の淘汰を目指す。

●健康増進法から「著しい」の文言削除も
指導のレベルの平準化、迅速化のために、健康増進法第31条の「著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示」の「著しい」の具体例を充実するなど、法違反か否かの判断基準を明確化する。
同法における監視・指導を難しくしていると考えられる「著しい」の文言を同法から削除することも検討。

◆消費者委員会 特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会報告書
(2016/3/31 内閣府)
http://www.cao.go.jp/consumer/iinkaikouhyou/2016/houkoku/1603_tokuho2_houkoku.html

「不実証広告規制」に関しては、更なる規制強化のための事業予算が組まれています。
それは、2月22日に公募が開始された「健康食品の機能性に係るセカンドオピニオン事業」です。
この事業は外部委託により実施され、いわゆる健康食品の表示に疑義が生じた場合、複数の専門家による科学的根拠の文献査読・実証等を行う体制を構築し、科学的な根拠に基づく事件の措置方針を迅速に決定することを目的の一つにしています。

エビデンスレビュー(検証及び評価)を行うメンバー(セカンドオピニオン)と、メンバーを統括し、検証結果を総合的に評価し、その取りまとめを行う責任者(セカンドオピニオンリーダー)を配置し、1つの事案について、セカンドオピニオンリーダーを含む3人以上の専門家が検証にあたります。
事件措置案件に関するエビデンスレビューを年間30件実施することを目安とし、この事業に、28年度は22百万円(27年度は10百万円)の予算が組まれています。

◆健康食品の機能性等に係るエビデンスのセカンドオピニオン事業 入札広告
http://www.caa.go.jp/info/choutatsu/pdf/160222koukoku_1.pdf

エビデンスレビュー(検証及び評価)を行うメンバー(セカンドオピニオン)と、メンバーを統括し、検証結果を総合的に評価し、その取りまとめを行う責任者(セカンドオピニオンリーダー)を配置し、1つの事案について、セカンドオピニオンリーダーを含む3人以上の専門家が検証にあたります。
事件措置案件に関するエビデンスレビューを年間30件及びその他エビデンスレビューを30件実施することを目安とし、この事業に、28年度は22百万円(27年度は10百万円)の予算が組まれています。

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セカンドオピニオンリーダーの要件:
エビデンスレビューの実施に必要な、医学、薬学、栄養学等の専門知識、臨床統計学、栄養疫学、システマティック・レビュー等に精通。

セカンドオピニオンの要件:
医学、薬学、栄養学等の各分野における博士の学位を有し、査読付き学術論文の筆頭著者としての執筆経験を有するとともに、複数回文献査読の要請を受け、実施した経験を有する有識者。

実施期間:
エビデンスレビューは、消費者庁からの要請を受けてから、概ね2週間で消費者庁に結果報告。
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行政としても法改正や事業の実績を出すべく、処分が続くことは必至とみられます。

《参考記事》
・消費者庁執行体制強化!平成28年度予算実質3.6億円増額。課徴金制度対応人員9人増 (平成28年度予算案・機構定員要求の結果)

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