カテゴリー別アーカイブ: 法改正情報

食品による健康被害防止対策強化へ。食品衛生法、食品表示法改正(平成30年6月 食品衛生法改正、平成30年11月閣議決定 食品表示法改正案)

健康食品による健康被害が多発しています。
先日の記事でもご紹介したように2016年度、2017年年度に国民生活センターに寄せられた健康被害情報件数のトップは健康食品によるもので、年間1,800件超となり、危害情報全体の約16%を占めました。

昨年には、プエラリア・ミリフィカを含む食品について、平成29年7月までの過去5年間で223事例の健康被害が報告され、ホルモン様作用をもつ成分等が含まれている食品について、製造管理が適切でなく含有量が均一でないこと、科学的根拠に基づかない摂取目安量が設定されていること等による健康被害が問題視されました。

このような状況を踏まえて、最近、法改正の動きが活発です。
平成30年6月13日に公布された食品衛生法の改正では、特定の食品による“健康被害情報の届出”の義務化及び、食品リコール情報の報告制度が創設されました。
また、平成30年11月9日に閣議決定された食品表示法の改正案では、アレルギーや消費期限の誤表示など、食品表示法違反による食品リコールの届出が義務付けが盛り込まれています。

食品による健康被害防止やリコール対応に関連する法改正のポイントを確認します。

続きを読む

AIスピーカーでの誤発注はキャンセルされるのか?「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」改訂。(経済産業省 平成30年7月)

経済産業省で、「電子商取引及び情報財取引等に関する準則(※)」の15回目の改訂が実施され、7月27日に公表されました。

——————
「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を改訂しました
(経済産業省 平成30年7月27日)
http://www.meti.go.jp/press/2018/07/20180727001/20180727001.html
—————–

今回の主な改定内容は、以下の項目です。
———————-
1.取引環境の変化に応じた改訂
I-10 AIスピーカーを利用した電子商取引(新規)
I-10-1 AIスピーカーが音声を誤認識した場合(新規)
I-10-2 AIスピーカーに対して発注者が言い間違いをした場合(新規)
III-14 ブロックチェーン技術を用いた価値移転(新規)
IV-7 国境を越えた取引に関する製品安全関係法の適用範囲(新規)

2. 特定商取引法施行規則改正等に伴う改訂
I-2-4 自動継続条項と消費者契約法第10条等
II-4-2 特定商取引法による通信販売に係る広告規制

3. 論点の削除
I-1-3 インターネット通販における分かりやすい申込画面の設定義務(消費者庁のガイドラインを参照しているのみであるため、削除)

4.その他(論点の分割、用語の統一、新規判例に伴う改訂等)
I-1-2 消費者の操作ミスによる錯誤(消費者庁のガイドラインへの参照を追記)
I-7-1 ユーザー間取引に関するサービス運営事業者の責任(ユーザー間取引にフリマサービスを含むことを明確化)
II-6イ ンターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害(ユーザー間取引にフリマサービスを含むことを明確化)
———————-

上記改訂の中で、特にAIスピーカーを使ったネット通販に関する論点と、越境ECでの製品安全関係法の適用、FAX広告規制について紹介します。

続きを読む

若者に多い、お試しのつもりが「定期購入」トラブル。適正表示方法をチェック!(平成29年度上半期 東京都消費生活相談)

昨今、お試しのつもりが「定期購入」だった「健康食品」の消費者トラブルが増加していることから、平成29年12月1日 「改正特定商取引法」 施行により、定期購入契約に関する表示義務が追加・明確化されました。

東京都が発表した、平成29年度上半期に東京都消費生活総合センター及び都内区市町村の消費生活相談窓口に寄せられた29歳以下の若者の相談においても、その傾向が表れています。
内容と併せて、ネット通販における定期購入契約に関する適正表示方法の具体的なケースを確認しておきましょう。
————————————————————————————-
「若者」の消費生活相談の概要(平成29年度上半期 東京都)
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/tokei/documents/theme_2902.pdf
————————————————————————————-

《平成29年度上半期の若者の「通信販売」トラブルの特徴》
(1)「通信販売」の若者相談は36.1%
(2)アダルト情報サイトの相談は減少傾向、定期購入相談が増加。
(3)健康食品に関する相談は123件。

続きを読む

加工食品の新たな原料原産地表示 食品製造業者の約5割が営業・販売戦略に活かせると回答(日本政策金融公庫 平成29年7月調査)

国内で製造または加工された全ての加工食品を対象に、原料原産地表示が義務付けとなる食品表示基準の一部を改正する内閣府令が、2017年9月1日に施行されました。

本ブログでは、新たな加工食品の原料原産地表示制度への移行に向けたマーケティング対応について3回シリーズで考えます。
第1回は新たな食品表示基準に対する、食品製造業者の対応状況について。

新たな原料原産地表示では、一番多い原材料の産地を国別重量順で表示することを原則としつつも、頻繁な原材料の原産地の変更に伴うパッケージの切替え、煩雑な作業の発生等、事業者の実行可能性を考慮して、困難な場合には次のような例外的な表示方法が認められました。

(1)「又は」表示、(2)大括り表示(「輸入」表示)、(3)大括り表示+「又は」表示

例外的な表示方法(表示例)
出典:食品表示基準一部改正のポイント(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/country_of_origin/pdf/country_of_origin_171027_0002.pdf

(1)「又は」表示
原産地として使用可能性がある複数国を、使用が見込まれる重量割合の高いものから順に「又は」でつないで表示する方法。過去の使用実績等に基づき表示する。
原料原産地表示_又は表示

(2)大括り表示(「輸入」表示)
3か国以上の外国の原産地表示を「輸入」と括って表示する方法。
原料原産地表示_大括り表示

(3)大括り表示+「又は」表示
過去の使用実績等に基づき、3か国以上の外国の原産地表示を「輸入」と括って表示できるとした上で、「輸入」と「国産」を、使用が見込まれる重量割合の高いものから順に、「又は」でつないで表示する方法。
原料原産地表示_大括り+又は表示

事業者の実行可能性を考慮したとしつつも、なかなか複雑で消費者にとっても混乱しそうな表示制度であることは否めません。
新たな表示方法の経過措置期間は、改正食品表示基準の施行の日(2017年9月1日)から、平成2022年3月末日までとなっています。この期間に製造した一般用加工食品、販売される業務用生鮮食品及び業務用加工食品については、改正前後のいずれの規定によっても表示可能ですが、この期間後については、改正前の食品表示基準に基づく表示では販売できません。

そんな中、2017年7月時点で、食品製造業者の約9割が新たな原料原産地表示を実施する意向を示し、5割近くが原料原産地表示を営業・販売戦略に活かせると回答しているという調査結果が出ています。
(株)日本政策金融公庫が食品製造業者1,695社を対象に実施した原料原産地表示の取扱い調査から、データを確認してみましょう。

《調査のポイント》
●食品製造業者の約9割が原料原産地表示を実施する意向
●実施予定事業者、「国別重量順表示」6割、「可能性表示」3割、「大括り表示」1割
●未実施事業者の主な課題は、商品パッケージの変更などへの対応
●食品製造業者の5割近くが原料原産地表示を営業・販売戦略に活かせると回答
●原料原産地表示の活用方法は、「商品PR」(60.8%)、「競合他社商品との差別化」
●食品製造業者の3割が営業・販売戦略に活かせないと回答

続きを読む

通販の定期購入契約で気を付けたい特商法の留意事項とは。購入手続き画面表示の具体例(特定商取引に関する法律施行規則改正(平成29年12月1日施行))

通販の定期購入施策で、購入手続き画面に定期購入の内容や条件は明確に表示されていますか?

12月15日には、適格消費者団体のNPO法人京都消費者契約ネットワークが、不適切な定期購入の表示について健康食品通販事業者2社に対して、京都地裁に差止請求訴訟を提起しています。

—————————–
健康食品関連-申し入れ・差止請求
(NPO法人京都消費者契約ネットワーク 2017年12月15日)
 http://kccn.jp/mousiir-kenkoushokuhin.html
—————————–

消費者トラブルが多く発生すると社会問題化し、規制強化につながってしまいます。

通信販売での定期購入契約に関する表示義務の追加・明確化が盛り込まれた、「特定商取引に関する法律の一部を改正する法律」(平成28年法律第60号)が、平成29年12月1日に施行されました。
特定商取引法第14条第1項第2号では、通信販売において販売業者が、「顧客の意に反して売買契約の申込みをさせようとする行為」を禁止しており、法改正において新たに定期購入に関する規定が追加されたものです。

法改正に伴い「特定商取引に関する法律施行規則」が一部改正され、通信販売の広告やインターネット通販の申込み・確認画面上に、「定期購入であること」「支払総額」「契約期間」その他の販売条件を明記することが義務付けられました。(施行規則第8条第7号等)
違反した場合は、特商法に基づく指示や業務停止命令の対象となる可能性があります。

消費者庁が公表した改正ガイドラインやQ&Aより、インターネット通販における適正表示方法の具体的なケースを確認します。

続きを読む