EMS機器のTV通販、TBSグロウディアに景表法措置命令 モニター使用テストの合理性に注意(消費者庁 2020年12月18日)


消費者庁は2020年12月18日、TBSホールディングスの子会社の通信販売業者(株)TBSグロウディア(東京都)に対し、景品表示法違反(優良誤認)の措置命令を行いました。

優良誤認は、テレビショッピング番組での、筋肉に電気刺激を与える美容機器の使用による痩身効果に関する表示について、不実証広告規制(※)を用いた処分となっています。

同様の事案として、2020年3月にEMS機器の販売業者4社((株)オークローンマーケティング)、(株)ディノス・セシール、(株) プライムダイレクト、ヤーマン(株))に対して一斉処分が行われています。
処分のポイントと、モニター使用テストを行った広告表現を行う際の景表法における留意点について考えます。

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株式会社TBSグロウディアに対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 2020年12月18日)
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_201218_01.pdf
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(※)
不実証広告規制(7条2項)
消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
⇒ 事業者が資料を提出しない場合又は提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされる。


●違反概要
【対象商品・表示媒体・期間】
商品:①「TBCスレンダーパッド」と称する商品
②「トルネードRFローラー」と称する商品
表示媒体・表示期間:
「プレミアムカイモノラボ」と称するテレビショッピング番組(BS放送)
① 2018年12月29日
② 2019年3月17日

【違反内容】
《優良誤認表示》
①「TBCスレンダーパッド」
例えば、
「今回御紹介するアイテムを使えば、寸胴ボディもたった3週間でこんなすっきりくびれボディに」及び「下腹部がなんとマイナス8.5センチ」との音声、「使用前 81.0㎝」、「3週間使用後 72.5㎝」及び「下腹部 -8.5㎝」との文字の映像等と表示することにより、あたかも、本件商品①を腹部に使用すれば、商品の電気刺激によって腹部の筋肉が鍛えられることにより、特段の食事制限や激しい運動をすることなく、1日20分間の使用を3週間継続することで腹部の痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた。

打消し表示:
「※効果には個人差があります」
「食事摂取に気を配り、軽微な運動を併せて行った結果です」
「※一時的な効果です」
「※他モニター3名平均値 へそ周り-5.1㎝ 下腹部 -4.4㎝」及び「※モニター3名平均値 下腹部-7.2㎝」と表示

違反表示例:TBCスレンダーパッド
TBS1
(消費者庁発表資料より抜粋)

【違反内容】
《優良誤認表示》
② 「トルネードRFローラー」と称する商品
例えば、
「そこで、お腹周りでお悩みの皆さんに、軽微な運動を併せて、EMSモードで4週間使っていただきました」との音声、「使用前 へそ周り74.3㎝」との文字の映像、「へそ周り63.8センチ。 マイナス10.5センチです」、「1回僅か10分間の使用を4週間続けていただけでなんとマイナス10.5センチ」との音声等と表示することにより、
あたかも、本件商品②を身体の部位に使用すれば、当該部分がもみ出されるとともに温められ、かつ、本件商品②の電気刺激によって当該部位の筋肉が引き締められることにより、1日10分間の使用を3週間又は4週間継続することで当該部位の痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた。

打消し表示:
「※使用条件=1回1部位10分を1日1回以上」
「※効果には個人差があります」
「※食事摂取に気を配り軽微な運動を併せて行った結果です」
「※モニター5名平均値 へそ回り-1 0㎝」及び「※一時的な効果です」と表示。

違反表示例:トルネードRFローラー
TBS2
(消費者庁発表資料より抜粋)

実際:
同社に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出された。しかし、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった。

●打消し表示について
一般消費者が対象表示から受ける商品の効果に関する認識を打ち消すものではない、とみなされています。

本件の打消し表示には、「食事摂取に気を配り、軽微な運動を併せて行った結果です」「※一時的な効果です」といった記載がありました。
2020年3月にEMS機器の4社一斉処分となった事案においても、痩身効果の体験談表示に対する同様の打消し表示がなされておりましたが、打消し効果は認められず、表示の裏付けとなる合理的な根拠が認めらなかったことから、不実証広告規制による優良誤認の措置命令を受けています。

例)
株式会社プライムダイレクト
「バタフライアブスディープテック」
《優良誤認表示》
「バタフライアブスディープテック1ヶ月チャレンジ」、並びに 人物の前後比較画像と共に、「BEFORE」、「AFTER」、「ウエスト-13㎝」及び「■■さん 42歳」等と記載。
あたかも、
商品を身体の部位に使用すれば、商品の電気刺激によって当該部位の筋肉が鍛えられることにより、1か月で当該部位の痩身効果が得られるかのように示す表示。
打消し表示:
「※結果には個人差があり、すべての方が同様の結果になるとは限りません。」
「※ダイエットの結果は、適切な食事管理とプログラムに基づいた運動、軽い運動や10分程度のウォーキング)の併用によるものです。」
「※効果には個人差があります。適度な運動と食事制限を行った結果です。」と表示。

・EMS機器の通販、製造販売業者4社に景表法措置命令 痩身効果に不実証広告規制

たとえ、打消し表示において、食事摂取量や運動の併用内容について具体的に記載したとしても、モニター体験期間中の摂取エネルギーが著しく低かったり、運動量が大きい場合は、実際に体重・ウエストサイズの減少が確認されたとしても、「商品の効果によって得られたものとは認められない」と判断される可能性が高いと考えられます。

モニター使用テストを行った広告表現を行う際は、表示の裏付けとなる合理的な根拠データとして認められるよう、試験デザイン、被験者数等、テストの科学的合理性が求められます。

《参考記事》

・EMS機器4社の景表法措置命令の社会的インパクト

・ダイエットパッチの販売業者3社に景表法措置命令 痩身効果に不実証広告規制
(消費者庁 2019年11月29日)

・埼玉県 接骨院MJGの「お客様評価」「やせプログラム」表示に景表法措置命令
(埼玉県 2019年11月18日)

・着圧痩身下着通販トラスト(旧MRZ)に景表法措置命令。措置命令後も違反表示を継続(消費者庁:2019年9月20日)

・痩身効果及び筋肉増強効果を謳った加圧シャツの表示に景表法措置命。消費者庁による9社一斉処分(消費者庁 2019年3月22日)

・景品表示法(優良誤認)の不実証広告規制。表示の裏付けとなる「合理的な根拠」の判断基準とは

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