ネット通販定期購入に特商法での処分 (株)wonderと(株)GRACEの代表取締役に業務停止命令


健康食品や化粧品のネット通販「定期購入」契約に関する処分が続いています。

2019年12月26日の(株)TOLUTO、(株)アクア、2020年1月22日の(株)GRACE(グレース)に続いて、4件目の特定商取引法違反処分です。

消費者庁は、2020年8月7日、健康食品(ダイエットサプリメント)等を販売する通販事業者の(株)wonder(ワンダー)(本店所在地:栃木県宇都宮市)と、同社の業務の遂行に主導的な役割を果たしている者に対し、特定商取引法違反で6カ月間の業務停止(禁止)を命じました。
また、業務停止命令と併せて、今回の違反行為の発生原因について調査分析の上検証することなどが指示されています。

なお、本件で同期間の業務禁止命令を受けた「同社の業務の遂行に主導的な役割を果たした者」とは、今年1月に特商法違反の指示処分を受けた(株)GRACEの代表取締役江頭竜輔でした。

処分の内容を確認します。

——————————————————
通信販売業者【株式会社wonder】に対する行政処分について
特定商取引法違反の通信販売業者に対する業務停止命令(6か月)及び
指示並びに当該業者の業務の遂行に主導的な役割を果たしている者に対する
業務禁止命令(6か月)について(消費者庁 2020年8月7日)

https://www.caa.go.jp/notice/entry/020964/

——————————————————


【事業概要】
取扱商品:「麹まるごと贅沢青汁」と称する健康食品(ダイエットサプリメント)等
取引類型:通信販売 ウェブサイト「WONDER STORE」
代表者:代表取締役 三品 考史

【認定した違反行為】
同社は、次のとおり、特定商取引法の規定に違反する行為をしており、通通信販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認められた。

顧客の意に反して通信販売に係る売買契約の申込みをさせようとする行為
(特定商取引法第14条第1項第2号の規定に基づく施行規則第16条第1項第2号)

遅くとも2020年4月16日以降、申し込みの最終確認画面上において、定期購入契約の主な内容である、
(1) 契約期間について、購入者から解約通知がない限り契約が継続する無期限の契約である旨を明記せず、
(2) 解約条件について、最終確認画面の「特定商取引に関する法律」というリンク表示先ページにのみ記載し、最終確認画面に解約条件を表示していない上に、
(3) リンク表示を、定期購入契約の申し込みを完了させるボタンよりも下に、そのボタンの文字及び初回の合計金額が表示された部分等と比して小さくかつ目立たない色調で表示することにより、当該ページに解約条件が記載されていることが容易に認識できないようにしていた。

顧客が申し込み内容を容易に確認・訂正できるようにしていなかった。
(施行規則第16条第1項第2号)

【表示例】
WONDER
(消費者庁公表資料より引用)

【処分の内容】
(1) 業務禁止命令
内容:
通信販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
1)同社の行う通信販売に関する商品の販売条件について広告を行うこと。
2)同社の行う通信販売に関する商品の売買契約の申込みを受けること。
3)同社の行う通信販売に関する商品の売買契約を締結すること。
期間:
2020年8月7日から2021年2月6日まで(3か月間)

業務停止命令に違反した場合は、行為者に対して3年以下の懲役又は300万円以下の罰金又はこれを併科する手続きを、法人に対しては3億円以下の罰金を科する手続きを行うこととなっています。

(2)指示
1.前記違反行為の発生原因について検証し、違反行為の再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築して、これを同社の役員及び従業員に、業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。

2.同社は、業務停止命令に係る業務を再開するときは、同社の行う通信販売について、特定商取引法の各規定を遵守した表示をすること。

上記指示に違反した者には、6月以下の懲役又は100 万円以下の罰金、又はこれを併科、違反が法人の業務の場合には、行為者を罰するほか、その法人に対し100 万円以下の罰金が課せられます。

また、本件では、2019年12月の(株)TOLUTOの事案と同様、wonderの業務の遂行に主導的な役割を果たしている者((株)GRACEの代表取締役江頭竜輔)に対して、同社が命ぜられた業務停止の範囲内の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を禁じる処分が下っています。

これは、平成29年12月1日に施行された特商法改正で盛り込まれた、以下の刑事罰強化の規定適用です。

●次々と法人を立ち上げて違反行為を行う事業者への対処
・業務停止を命ぜられた法人の「取締役」や「取締役と同等の支配力を有すると認められるもの等」に対して、停止の範囲内の業務を、新たに法人を設立して継続することを禁止する。
⇒違反した場合、個人は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金<新設>

次回の記事では、本件を含め過去4件のネット通販「定期購入」契約に関する処分内容を確認してみましょう。

《参考記事》
・通販の定期購入契約で気を付けたい特商法の留意事項とは。購入手続き画面表示の具体例(特定商取引に関する法律施行規則改正(平成29年12月1日施行))

===================================
◆フィデスの広告法務コンサルティング◆
消費生活アドバイザーが、貴社の広告コンプライアンス
体制構築をサポートします。
http://compliance-ad.jp/service03/
===================================

————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの更新情報を、ダイジェストでお届けしています。
登録はこちら
————————————————————