続く、東京都の子供用ライフジャケットの浮力表示に対する景品表示法措置命令(東京都 2020年4月7日)


4月7日、東京都は大阪府の釣具の製造・輸入販売事業者ジェネシス(高階忠生)に対し、同社が販売していた子供用ライフジャケットの浮力表示に、景品表示法違反(優良誤認)の措置命令を行いました。
また、自ら任意に設定した「メーカー希望小売価格」による二重価格表示で、有利誤認とみなされました。

東京都では子供用ライフジャケットの浮力表示について、2019年 12月17日にも大阪府の釣具・レジャー用品の製造・輸入販売事業者(株)ラムセスに対し、措置命令を行っています。
ラムセスの事案は、優良誤認のみで、表示媒体は取扱説明書でしたが、ジェネシスについては、有利誤認と「楽天市場」の自社ウェブサイトの表示も対象となっています。

処分のポイントについて確認します。
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子供用ライフジャケットの浮力について不当表示を行っていた事業者に景品表示法に基づく措置命令 (東京都 2019年4月7日)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/04/08/09.html
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【事業者の概要】
名称: ジェネシスこと高階忠生 (設立:平成25年1月 ※事業者報告による)
所在地: 大阪府東大阪市西石切町七丁目6番7号2階

【対象商品】
「ジュニア用フローティングベスト」と称する子供用ライフジャケット
(型番 ジェネシス FV-1007)

【表示媒体】
「楽天市場」に開設した「ジェネシスフィッシング」と称する自社ウェブサイト(https://item.rakuten.co.jp/genesis-fishing/fv-1007/)
商品に添付している「取扱説明書」

【表示期間】
自社ウェブサイト:遅くとも2019年4月頃~2020年2月13日までの間(優良誤認)
         遅くとも2019年3月1日~2020年1月6日までの間(有利誤認)
取扱説明書:2013年4月1日~遅くとも2019年12月20日までの間

【違反内容】
●優良誤認
表示内容:

・自社ウェブサイトにおいて、「安全第一 国土交通省安全基準のテストと同様基準品を使用しております。」等と記載。
・取扱説明書において、「もちろん、浮力については、運輸省「小型船舶安全規則」に定める、7.5kg/24 時間(小児用は5kg)以上の性能を備えています。」
と記載することにより、あたかも、本件商品が、小型船舶安全規則に定める5キログラムの質量の鉄片を淡水中で24時間以上支えることができる浮力を備えているかのように表示していた。

実際:
同社が本件商品の製造工場において浮力試験を実施した結果は以下の通りで、同規則に定める浮力を備えていなかった。
Sサイズ:2.8kg
Mサイズ:3.5kg
Lサイズ:4.0kg
LLサイズ:5.0kg

優良誤認表示例(自社ウェブサイト):
ジェネシス1

(東京都公表資料より引用)

打消し表示について:
自社ウェブサイト等において、下図のように各サイズの浮力等を別途記載していたが、これらの記載は同規則に定める浮力を満たしておらず、「基準をクリアしている」等の強調表示の内容と矛盾しており、消費者が強調表示から受ける対象商品の効果に関する認識を打ち消すものとは認められませんでした。

打消し表示・有利誤認表示例(自社ウェブサイト):
ジェネシス2

(東京都公表資料より引用)

●有利誤認
表示内容:

自社ウェブサイトにおいて、「メーカー希望小売価格はメーカーサイトに基づいて掲載しています。」等と記載。
あたかも、本件商品にメーカー希望小売価格が設定されており、実際の販売価格が当該メーカー希望小売価格よりも安いかのように表示していた。
(上記表示例参照)

実際:
本件商品は同社が自ら企画、製造及び輸入したものであり、「メーカー希望小売価格」と称する価額は、同社が自ら任意に設定したものであった。

希望小売価格とは、製造業者、卸売業者、輸入総代理店など小売業者以外の者が、小売業者の価格設定の参考として広く呈示している価格です。
次のような表示は、景品表示法、特定商取引法上、不当表示とみなされます。

《不当表示に該当するおそれのある希望小売価格の二重価格表示》
 —–
1)希望小売価格(参考小売価格)が設定されていない場合(撤廃されている場合を含む)に、小売業者が設定した任意の価格
2)プライベートブランド商品について小売業者が自ら設定した価格
3)製造業者等が専ら自ら小売販売している商品について自ら設定した価格
4)特定の小売業者が専ら販売している商品について、製造業者等が当該小売業者の意向
 を受けて設定した価格
——–
本件では、3)の要件に該当します。

東京都は、事業者に対して、以下の要請を行っています。

・広告表示の作成時は、商品・サービスの品質等の正しい情報を分かりやすく消費者に届けるよう心がけ、合理的な根拠なしに商品・サービスの優良さや安さをアピールしない。
・表示責任者として広告表示の内容について常に自主的にチェックを行う。他社の広告表示や雑誌の記事等を内容の確認なしに、そのままコピー&ペーストして広告表示に使用しない。
・表示全体から受ける認識と実際のもの等との間に差が生じないように留意する。強調表示と打消し表示が矛盾していたり、読んでもその内容を理解できなかったりする場合、一般消費者に誤認されるおそれがある。

2019年3月に、消費者や事業者等に子供用ライフジャケットの安全な使用についての情報提供を行うことを目的として、各種調査を行っており、浮力についての試験・表示調査も行っていました。

平成31年3月「子供用ライフジャケットの安全な使用に関する調査」
(東京都生活文化局)
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/torihiki/hyoji/keihyo/documents/lifejacket3.pdf

《関連記事》
・東京都 子供用ライフジャケットの浮力表示に優良誤認の景品表示法措置命令。表示の裏付けとなる根拠資料の確認を(東京都 2019年12月17日)

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