ファミリーマートと山崎製パン、食パン原材料の表示違反への対応と景表法・食品表示法処分の視点(消費者庁:2020年3月30日)


先日の記事では、消費者庁による(株)ファミリーマートと山崎製パン(株)に対する、食パンの原材料の表示に対する景品表示法の措置命令と、山崎製パンに対する食品表示法違反の指示を取り上げました。

今回は、両社の対応と、各法律による処分の視点について確認します。

小売業者が製造業者に対してPB商品の製造委託をしていた場合の規制対象は?
食品表示法の「指導」と「指示」の判断基準は?

———-
株式会社ファミリーマート及び山崎製パン株式会社に対する景品表示法に基づく
措置命令について (2020年3月30日 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms215_200330_1.pdf

山崎製パン株式会社に対する食品表示法に基づく指示について
(2020年3月30日 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms214_200330_01.pdf
———-

●景品表示法の違反行為に対する処分の対象について
小売業者が製造業者に対してPB商品の製造委託をしていた場合、商品の包装に記載する表示について、以下のいずれの場合も製造業者とともに表示規制の対象となります。
(1) 製造業者と共同して積極的に不当な表示の内容を決定した場合
(2) 製造業者からの誤った説明に基づいて表示内容を定めた場合
(3) 表示の作成も製造業者に任せていた場合

今回、ファミリーマートは、「対象商品の容器包装の表示内容について、山崎製パンから提案を受けて同社と協議を行うなど、同社と共同して決定している」ということなので、(1)に該当しています。

また、対象になった商品はファミリーマートのオリジナル商品である「バター香るもっちりとした食パン」のみで、原材料表示違反のあった他の商品(「味わいの食パン」(ローソン)、「朝の笑顔」(CGCグループ)、「恵みの朝」(ラルズ、他)「こむぎのかおり 山型」(サッポロドラッグストアー)は、措置命令の対象外でした。
これは、一般消費者に優良誤認させるという景品表示法上の観点からの判断が適用されています。

●表示違反に対する両社の対応
両社のHPでの「お詫び」告知によると、山崎製パンは社内調査により不適正表示を確認し、直ちに是正するとともに、消費者庁に自主申告したとしています。
ファミリーマートでは、事件発覚後直ちに商品の撤去、自主申告、消費者への周知と返金対応を実施しています。
両者は、2019年12月6日、社告を日刊新聞紙3紙に掲載しました。
ファミマ
消費者庁からの景品表示法に基づく措置命令について
(株式会社ファミリーマート 2020年03月30日)
https://www.family.co.jp/company/news_releases/2020/20200330_01.html

消費者庁からの「指示」及び「措置命令」に関するお詫びとお知らせ
(山崎製パン株式会社 2020年03月30日)
https://www.yamazakipan.co.jp/news/pdf/20200330_2.pdf

●山崎製パンに対する食品表示法の「指示」処分の判断
当初、山崎製パンの方は、2019年10月24日付の「お詫び」告知では、「原材料の配合が異なる他の食パン生地を使用したことによる表示間違い」と述べています。
ヤマザキ2
北海道内で販売した食パンの不適正表示に関するお詫び
(山崎製パン株式会社 2019年10月24日)
https://www.yamazakipan.co.jp/oshirase/20191024.pdf

報道によると、原因について山崎製パンは、製造にかける時間を短縮するためにほかの商品の生地を流用したと説明しているということです。

食パン 表示した材料使わず製造
(NHK 2020年3月30日)

山崎製パンに対する消費者庁の食品表示法に基づく「指示」において、「基準で定められた遵守事項が遵守されていなかった主たる原因として、消費者に対し正しい表示を行うという意識及び食品表示に関する認識の欠如並びに表示内容の確認及びその管理体制の不備があると考えざるを得ない」と記されています。

食品表示法では、次に掲げる項目全てに該当する場合は、業者名・違反事実等の公表はせず「指導」に留めています。
1)食品表示基準違反が常習性がなく、過失による一時的なものであること。
2)違反事業者が直ちに表示の是正(表示の修正・商品の撤去)を行っていること。
3)事実と異なる表示があった旨を、社告、ウェブサイトの掲示、店舗等内の告知等の方法を的確に選択し、速やかに情報提供しているなどの改善方策を講じていること。

一方、「指示」については、「食品表示法に基づく指示及び指導並びに公表の指針」に照らし、指導に該当しない場合に行う行政指導(食品表示法第6条第1項及び第3項)とされています。

今回の山崎製パンの事案は(2)(3)については、「指導」の要件は満たしていたと考えられますが、(1)の要件を満たしていないものと認められたようです。

2015年に施行された新たな食品表示制度では、全ての一般用加工食品等に、原則、栄養成分表示を義務付けられ、2020年4月1日に完全施行されています。

◆新たな食品表示制度の完全施行について(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/019486/

≪関連記事≫
・平成30年度食品表示法違反「指導件数」は218件 加工食品では「原材料名の誤表示・欠落」が60%

・平成30年の食品表示法違反「指示件数」国12件、都道府県11件、検挙事件数26件(食品表示法:H30年度、警察庁:H30年)

===================================
◆フィデスの広告法務コンサルティング◆
消費生活アドバイザーが、貴社の広告コンプライアンス
体制構築をサポートします。
http://compliance-ad.jp/service03/
===================================

————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの更新情報を、ダイジェストでお届けしています。
登録はこちら
———————————————————