大阪府、景表法と特商法の同時適用。健康機器のSF商法エコ関西に措置命令と業務停止命令(大阪府 2020年3月18日)


令和元年度、大阪府による5件目の景品表示法の措置命令事案です。
景表法と特商法の同時適用となっています。

大阪府は3月18日に、いわゆるSF商法(※)により健康機器を販売する(株)エコ関西に対して、景品表示法違反(優良誤認)の措置命令と、特定商取引法違反(勧誘目的の不明示、不実の告知)で業務の一部(訪問販売での食品を除く商品の、勧誘、申込受付および契約締結)の3カ月間停止命令と再発防止を求める指示、代表者個人に対する業務禁止命令を行いました。

(※)
催眠商法(SF商法)(長野県消費生活情報)
https://www.nagano-shohi.net/akushitsu/saimin.html

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健康機器販売事業者に対する景品表示法及び特定商取引法に基づく行政処分について 株式会社エコ関西
(大阪府 2020年3月18日)
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=37705
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【事業者の概要】
事業者名:株式会社エコ関西
代表者:代表取締役 末川吉則

【違反概要】
●景品表示法違反について(措置命令)
対象店舗:
「エコショップ」と称する期間限定の宣伝講習販売会場
5府県(大阪府、兵庫県、鳥取県、愛媛県、奈良県)51か所
(エコショップ一覧)

http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/attach/hodo-37705_5.pdf

対象商品・表示媒体・表示期間・表示内容:
(1) 電気マッサージ器(イオン棒)
商品:「ウォーキングイオン棒」、「アイセファイブ」、「プチイオン棒」
表示媒体:口頭の勧誘
表示期間:遅くとも2017年1月27日~2020年1月22日までの間
表示内容:
イオン棒が静電気コントロール機器であると称して、その効果効能について体の不調の原因となる静電気を除去することにより、「癌、認知症、内臓疾患、難病に効果がある」など、あたかも、イオン棒に疾病等の治療に効果があるかのように表示。

(2) セラミック製の板状の機器(マルチプレート)
商品:「EPマルチプレート」
表示媒体:口頭の勧誘、案内チラシ
表示期間: 2018年4月27日~2020年1月29日までの間
表示内容:
素粒子プレートであると称して、その効果効能について「テレビの前に置く電磁波・ブルーライトの悪影響を軽減します 脳神経を守るマイクログリアが守られます」、「 パソコン・プリンターの下に敷く VDT症候群から守られます スマホ・ゲームなどから脳・目を守ります」、などと 記載された書面を配布するなど、あたかも、マルチプレートに各種の効果効能があるかのように表示。

実際:
同社に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、資料が提出された。しかし、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった。

表示例:(マルチプレート説明資料)
エコ関西1(大阪府公表資料より引用)

●特定商取引法に基づく業務停止命令等について
特定商取引法の適用:
エコショップは、商品が陳列され、消費者が自由に商品を選択できる販売形態ではなく、チラシなどにより誘引した消費者に対して、健康に関する情報などについて宣伝講習し、商品の売買契約の締結を勧誘するもので、特定商取引法に規定する営業所、代理店その他の主務省令で定める場所には当たらず、同法の規制対象となる訪問販売に該当。

【認定した違反行為】
(1)氏名等不明示(勧誘目的の不明示:特定商取引法第3条)
無料で食品をプレゼントする旨や安価な食品等を販売することを告げるのみで、当初から本件商品を販売する目的があったにも関わらず、高額の健康機器である本件商品を販売する目的であることを消費者に告げずに契約締結の勧誘を行った。

(2)不実告知(特定商取引法第6条第1項第1号)
エコショップにおいて、消費者との売買契約締結の勧誘する際、前記「景品表示法に基づく措置命令」の違反事実のとおり、それぞれの商品について不実にあたる合理的根拠のない効果効能を消費者に告知していた。

【処分の内容】
(1) 業務停止命令(法人)
内容:
訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
1)食品を除く商品の売買契約の締結について勧誘すること。
2)食品を除く商品の売買契約の申込みを受けること。
3)食品を除く商品の売買契約を締結すること。
期間:
2020年3月19日から2020年6月18日まで(3か月間)

業務停止命令に違反した場合は、行為者に対して3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、又はこれを併科する手続きを、法人に対しては3億円以下の罰金を科する手続きを行うこととなっています。

(2)指示(法人)
前記違反行為の発生原因について検証し、違反行為の再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築する。
これを同社の役員、従業員に、業務停止命令に関する業務を再開するまでに周知徹底すること。
・違反行為の発生原因を調査分析し検証すること
・再発防止策を構築すること
・検証結果と再発防止策を知事に報告すること

上記指示に違反した者には、6月以下の懲役又は100 万円以下の罰金、又はこれを併科、違反が法人の業務の場合には、行為者を罰するほか、その法人に対し100 万円以下の罰金が課せられます。

(3) 業務禁止命令(個人)
名宛人:
株式会社エコ関西 代表取締役 末川 吉則
内容:
代表者個人が業務停止命令と同様の業務を新たに開始すること(別法人の役員となることを含む)を禁止すること。
期間:
2020年3月19日から2020年6月18日まで(3か月間)

平成29年12月1日に施行された特商法の改正では、刑事罰の強化として以下が盛り込まれています。
●次々と法人を立ち上げて違反行為を行う事業者への対処
・業務停止を命ぜられた法人の「取締役」や「取締役と同等の支配力を有すると認められるもの等」に対して、停止の範囲内の業務を、新たに法人を設立して継続することを禁止する。
⇒違反した場合、個人は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金<新設>

大阪府の発表によると、本件商品の過去3年間の売上は『イオン棒(3商品)』が総額2億908万円、『マルチプレート』は同8,918万円で、健康機器4商品の合計で約3億円に上っています。また、本件4商品の購入者数は、586名(平均年齢74.5歳)。内163名が大阪府以外、73名が100万円以上の購入となっており、平成29年度以降に府内の消費生活相談窓口に寄せられたエコ関西に関する苦情相談は34件(このほか、全国で12件)と発表しています。

エコ関西2(大阪府公表資料より引用)

今回のように他府県にまたがり高齢者を対象にした多くの高額な金銭的被害に繋がった事案について、特商法により業務を停止させ、景表法により違反表示の差し止めと全国的に周知させるという、都道府県の持つ権限を最大限生かした処分となっています。

なお、大阪府による特商法、景表法及び大阪府消費者保護条例に基づいた行政処分件数は、以下の通りです。

令和元年度:
景品表示法(措置命令)・特定商取引法 2件
景品表示法(措置命令) 3件
特定商取引法 2件

平成30年度:
景品表示法(措置命令) 4件
特定商取引法 1件

都道府県による悪質業者の取り締まりは、今後、一層強化される見込みです。

大阪府が行政処分、情報提供又は公表を行った事業者の一覧
http://www.pref.osaka.lg.jp/shouhi/syobun/index.html

≪参考記事≫

・大阪府、スーパーマーケットの広告チラシの割引価格に景表法措置命令。通常価格を任意に設定(大阪府 2020年2月26日)

・大阪府が新聞販売店の高額景品に2事例目の景表法措置命令。産経新聞に続き毎日新聞に(大阪府:2019年12月10日)

・大阪府、温浴施設運営事業者2者(大和ハウス工業(株)、(株)オンテックス)に景表法措置命令。温泉成分に虚偽(大阪府:2019年8月27日)

・大阪府、かなたに「佐賀牛」弁当の表示に景表法措置命令。不実証広告規制とDNA分析による(大阪府:2019年6月12日)

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