ダイエットサプリ「ケトジェンヌ」の健康被害と企業対応

薬事関連商品の健康被害に関する注意喚起が続いています。

先日お伝えしたのは、国民生活センターによる「まつ毛美容液」に関する危害情報(※1)でしたが、今度は9月6日に、ダイエットサプリ「ケトジェンヌ」に対して、消費者庁が消費者安全法に基づく身体被害の公表を行っています。(※2)
ケトジェンヌ

消費者庁の事故情報データバンクには、商品の使用後に下痢等の体調不良といった被害情報が、4月以降8月末までに、89件寄せられています。
(4~6月は1~6件で推移していたが、7月は33件、8月は45件に達している)
ケトジェンヌ_ 被害

これは、2019年8月に公表された「まつ毛美容液」に関する危害情報が2015年度は8件、2016年度は18件、2017年度に70件、2018年度は281件と急増したペースから考えると、一商品でこの被害件数増加は注意が必要という行政判断は、妥当であると考えられます。
まつ毛美容液_危害件数

消費者庁の注意喚起を受けて、「ケトジェンヌ」を販売している(株)e.Cycleの対応(※3)は、9月9日に本製品の広告運用の中止と、第三者機関に対して安全性分析を依頼したことを公表。

9月20日に下痢等に起因する成分の含有量に関する分析結果を公表し、下痢等を引き起こす可能性は極めて低く、また、製造工場についても日本健康・栄養食品協会の認証したGMP適合工場で製造しており、原材料及び製造工場ともに「商品は適正・安全性を保持していると認識している」として、「今後とも弊社商品をご愛顧賜りますようお願い申し上げます」と述べています。

ここで、消費者として単純に疑問を感じるのは、成分も製造工程も安全なはずなのに、なぜ体調不良を起こす人がいるのか、ということです。

e.Cycleでは、「体調や過剰摂取などにより」体調不良が生じ得ると説明していますが、消費者庁の発表した被害事例では、体調良好な適正目安量を摂取した人の事例が挙げられています。

いわゆる健康食品や機能性表示食品に関しては、トクホのように最終製品での安全性確認は義務付けられていません。しかし、このような健康被害が発生したとなれば、事業者としては直ちに販売を中止して、原材料及び製造行程だけでなく、最終製品としての安全性を含めた問題の解明に努めるべきだと思います。

また、本商品は定期購入での販売がなされており、更に被害を深刻にする可能性もあります。
伊藤消費者庁長官の記者会見(※4)での発言からも、消費者庁では、契約上の問題(定期購入)についても注視しているようです。

(※1)
まつ毛美容液による危害が急増!
-効能等表示の調査もあわせて実施-(国民生活センター 2019年8月8日:公表)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190808_2.html

(※2)
「ケトジェンヌ」と称する健康食品を使用した消費者に身体被害が生じていることについて
 -下痢等の体調不良が生じた場合は、速やかに使用を控えてください-
(消費者庁 2019年9月6日)
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms204_20190906_1.pdf

(※3)
(株)e.Cycle「ERUFLE」
 ・弊社商品「ケトジェンヌ」について 2019.09.09
 http://erufle.jp/archives/news/20190909
 ・「ケトジェンヌ」の安全性について 2019.09.24
 http://erufle.jp/archives/news/keto_190924

(※4)
伊藤消費者庁長官記者会見要旨(2019年9月11日)
 https://www.caa.go.jp/notice/statement/ito/016543.html

≪参考記事≫
・急増するまつ毛美容液による危害。医薬部外品、効能等表示に注意!
(国民生活センター調査 2019年8月)

・通販で定期購入契約を行う際の広告に、販売条件の明記が義務付けに
(特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する命令(平成29年6月30日公布))

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。