事業者が講ずべき管理上の措置に対する指導、助言は100件!28年度の消費者庁の広告表示適正化への取組

前回の記事では、消費者庁の「景品表示法の運用状況及び消費者取引の適正化への取組」(※1)より、28年度の景表法違反状況を取り上げました。
今回は、28年度の消費者庁の表示適正化への具体的な取組について報告します。
自社のコンプライアンス対策に、チェックしてみてください。

●課徴金納付命令 1名の事業者に対して4億8507万円
●事業者が講ずべき管理上の措置の執行 「指導及び助言」が100件
●公正競争規約の変更
●インターネット上の広告表示の監視調査は継続中
●都道府県との連携、協力関係強化
●健康食品に対する景品表示法と健康増進法との一体的な執行


●課徴金納付命令 1名の事業者に対して4億8507万円
平成28年度は、1名の事業者に対して、4億8507万円の課徴金納付命令を行った。
また、提出された実施予定返金措置計画について、2件の認定及び1件の不認定を行った。

◆認定された返金措置一覧(消費者庁HP)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/authorization_list/

※景品表示法の課徴金制度は、「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律」が平成26年11月19日に成立し、平成28年4月1日から施行され、運用が始まった。

●事業者が講ずべき管理上の措置の執行 「指導及び助言」が100件
不当表示等の発生を防止するために、事業者が講ずべき必要な体制の整備その他の必要な措置について、消費者庁は必要な指導及び助言、勧告をすることができる(景品表示法第27条、第28条第1項)。
勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。(第28条第2項)
28年度は「指導及び助言」が100件となった。

●公正競争規約の変更
平成28年度に消費者庁長官及び公正取引委員会の認定した規約変更47件のうち、内容に実質的な変更があったものは次のとおり。

医療用医薬品卸売業(景品)
景品類の提供が制限されない例として挙げられている医療機関等を対象として行う講習会・研修会における景品類の提供について、対象とする医療機関等が単独の場合も含まれるように、「複数の」の文言を削除する変更を行った。(平成28年5月27日承認)

医療用医薬品卸売業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約施行規則
(施行日:平成28年6月1日)
http://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_keihin/K034.pdf

釣竿(表示)
「先径」及び「元径」について、一部釣竿を除き、一般消費者が釣竿を選択する際の必要な表示となっていない状況等を踏まえ、必要表示事項から削除し特定表示事項として規定するとともに、用語の整理等を行う変更を行った。(平成28年10月28日認定、承認)

釣竿の表示に関する公正競争規約及び同施行規則(施行日:平成28年11月24日)
http://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/049.pdf

●インターネット上の広告表示の監視調査は継続中
・消費者庁では、一般消費者に「電子商取引表示調査員」として、インターネット上の広告表示の調査を委託している。
・電子商取引表示調査員からの報告は、景品表示法違反事件の端緒の発見、景品表示法違反行為の未然防止の観点から行う事業者への啓発活動に活用している。
・28年度は、923件(前年度1,177件)が報告され、そのうち、景品表示法違反の問題があると認められたサイトは、164サイト(前年46サイト)142事業者(前年29事業者)。景品表示法の未然防止の観点から注意が行われた。

●都道府県との連携、協力関係強化
・都道府県における景品表示法の執行力の強化に向けて、公正取引委員会事務総局地方事務所・支所等と協力して北海道・東北地区、関東甲信越地区、中部地区、近畿地区、中国地区、四国地区、九州・沖縄地区のブロックごとに年2回都道府県との連絡会議を開催し、景品表示法担当職員向けに研修を実施。
・都道府県職員対象の執行研修や、都道府県が行う景品表示法の運用に関して助言を行う。
・消費者庁は、平成24年4月1日から景品表示法に関する調査情報等を共有するネットワーク(景品表示法執行NETシステム)の運用を開始し、公正取引委員会事務総局地方事務所・支所等及び都道府県等との情報共有の緊密化、協力関係強化を図っている。

●健康食品に対する景品表示法と健康増進法との一体的な執行
・平成28年6月30日に「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」の全面改訂を行った。
・消費者庁の表示対策課食品表示対策室において、平成28年度においては、景品表示法措置命令7件(前年度6件)のほか、健康増進法第31条第1項(誇大広告の禁止)に違反するおそれがある事案について46件(前年度27件)の指導を行った。

●健康⾷品に関する景品表⽰法及び健康増進法上の留意事項について(要約版)
(パンフレット:消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_9.pdf

●健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について
(全部改定 平成 28 年6月 30 日 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_8.pdf

27年度に減少した景表法違反の処分件数ですが、28年度は再び増加しています。
課徴金制度を始めとした法執行や、健康食品に対する景品表示法と健康増進法との一体的な執行強化の流れはさらに進むと考えられます。
事業者が講ずべき管理上の措置に対する「指導及び助言」も100件に上っています。

事業者の皆さんには、一層の管理体制への取り組みが求められます。
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(※1)
平成28年度における景品表示法の運用状況及び表示等の適正化への取組
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170630_0001.pdf

《関連記事》
・消費者庁が本気で調査!打消し表示は明瞭に

・景表法改正、事業者が講ずべき広告表示の適正管理の指針案(消費者庁 平成24年8月8日)

・景表法改正、広告表示の適正管理のための7つのポイン+1

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。