消費者庁も注目!口コミ・インフルエンサーマーケティングの消費トラブルと業界自主規制(第30回インターネット消費者取引連絡会(平成30年9月))


消費行動や購入意思決定に影響を及ぼすメディアとして、その影響力を増すSNSですが、消費者庁では、第30回インターネット消費者取引連絡会(平成30年9月19日)において「口コミサイト・インフルエンサーマーケティング」をテーマに討議しています。

その討議資料「口コミサイト・インフルエンサーマーケティングに関するアンケート結果」によると、購入した商品やサービスが口コミによる「評価通りであることが多い」とする者が83.3%。インフルエンサーの投稿に影響されて購入した商品やサービスが「満足できるものであったことが多い」とする者が94.1%となっていました。

消費者に支持され、消費行動や購入意思決定に大きな影響を与える口コミやインフルエンサーマーケティングですが、不適切な投稿による消費者トラブルも発生しています。
消費生活センター等に寄せられる消費生活相談の内容と、口コミサイト・インフルエンサーマーケティング事業者の消費者保護の取組について、ご紹介します。


【「口コミサイト・インフルエンサーマーケティング」に関する消費者トラブル】
ケース1
消費者が口コミやインフルエンサーの宣伝を契機に商品購入契約したが、口コミや宣伝の内容と違った。

【事例1】
スマートフォンで痩身効果に関する口コミを読んで、500円でサプリメントの「お試し」ができると知り、リンク先の商品紹介ページにアクセスし申し込んだ。
商品が届き同梱書面を確認して、定期購入だと分かった。購入時、定期購入契約であることに気付かなかった。
商品を食べたが、痩身効果は感じられなかった。2回目以降の定期購入を解約したい。

【事例2】
インターネットで副業サイトを検索し、動画の広告で、誰でも簡単に儲けられると説明されている情報商材を見つけた。口コミも良かったので1万8,000円で購入した。
ところが、動画の広告や口コミの記載とは異なり、実際には簡単に稼ぐことができない内容であった。解約し返金して欲しい。

【事例3】
インターネット通販で、定価約1万円のところタイムセールで約4,000円のワンピースを購入した。
後日商品が届いたが、商品購入ページの掲載写真と違い素材の悪い粗悪品だった。サイト内の口コミには良いことしか記載されていないが、インターネットで検索すると「商品が粗悪品だ」「詐欺だ」という情報が多数あった。
返品したいと申し出たところ、返品手数料として500円支払うよう言われたが、支払いたくない。

【問題点】
・口コミ投稿者の匿名性が高く、消費者は投稿内容に根拠があるのか否かを口コミだけで判断することが難しい。
・インフルエンサーマーケティングについても、商品等の宣伝の意図があるのか否かを消費者は判断することが難しい。
・消費者が商品やサービスの契約を結ぶ際、口コミやSNS等の情報が強く印象に残り、事業者が作成している商品購入ページの記載内容を十分確認していないケースがある。

ケース2
消費者が商品購入契約を結んだ後に、口コミで契約の相手方が問題のある事業者であることが分かった。

【事例4】
インターネットで、通常価格の半額で靴を販売するサイトを見つけ、クレジットカード決済で注文した。
サイトには商品は注文後1週間以内に届く旨や商品発送時に宅配業者の追跡番号がメールで届く旨が記載されていたが、1週間経っても商品は届かず追跡番号のメールも届かない。
サイトの口コミをインターネットで調べると、詐欺サイトであるとの口コミを見つけた。販売店に伝えた個人情報を不正使用されないか心配だ。

【問題点】
・商品購入ページの口コミやレビューには良い評価のみが掲載されていても、改めてインターネットで情報収集すると悪い評価が多数掲載されているケースがある。

ケース3
口コミサイトに掲載されている内容に誤りがある。

【事例5】
口コミサイトで見つけた飲食店で食事をした。クレジットカードの利用が可能との口コミサイト上の記載を見て、カードで支払いたいと伝えたところ、飲食店から「ランチはカードを利用できない。」と言われた。
口コミサイトを見せて交渉したが、「口コミサイトが勝手に情報を掲載しているだけでこちらは関与していない。代金に2%上乗せすればカードを利用させてやる」等と高飛車な態度をとられた。

【事例6】
口コミサイトに自営している飲食店の情報が掲載されている。営業日、メニュー、価格について掲載情報に誤りがある。他店舗の情報が混在している状況もある。
口コミサイト運営会社に、飲食店の情報全部を削除して欲しいと申し出たが、「情報全部を削除することはできない。誤情報は削除できる」と言われた。
誤りを指摘するのは面倒だし、インターネットに情報を掲載する必要がないので、情報全部を削除して欲しい。(飲食店営業者からの相談)

【問題点】
口コミの内容に誤りがあったり、口コミサイトに当事者の許可なく情報が掲載されていても、修正や削除が難しい場合がある。

このような状況の中、消費者庁では、Webサイトの「インターネット消費者トラブル防止キャンペーン」コーナーで、「口コミトラブル」への消費者被害防止の注意喚起を行っています。

◆口コミトラブル(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/internet/trouble/mouth.html

また、口コミサイト・インフルエンサーマーケティング事業者による消費者保護に対する取り組みも行われています。

【口コミサイト・インフルエンサーマーケティング事業者の取組】
●投稿者の信頼性確保
投稿者の事前登録、信頼できる口コミかユーザーが判断するための情報提供

・「携帯電話番号認証」や、登録時に実名登録のSNSプラットフォームの認証を活用するなどで、ユーザーの実在性を確認。
・サイトを通じて予約した店舗についてのみ投稿可能(複数投稿禁止)、投稿件数制限など。
・「いいね!」「フォロワー数」「レビュー数」を表示

投稿者とのコミュニケーション
•オフ会を開催し、投稿の多いレビュアー等と実際に会うことで架空アカウントを排除
インフルエンサーの選定・育成
•従来からの付き合い、発信コンテンツの事前確認などで信用できるインフルエンサーを選定
•Bot等によりフォロアーを不正に増やす行為等を検知(インフルエンサーマーケティングプラットフォーム)
・インフルエンサー向け勉強会の開催(著作権などコンプライアンス)、定例会議で事案を共有

●コンテンツの信頼性確保
対象商品/サービス等の選定

• 引き受けない商品/サービス等を規定(ギャンブル、金融商品、保険、たばこ、酒類、出会い系等)

口コミ・コンテンツについてのガイドライン等
・投稿者向けに口コミ内容に関わるガイドラインを策定、周知、薬機法等法令遵守等。
・コンテンツに関わるガイドラインを策定、運用(ハッシュタグやコンテンツで広告とわかる表示義務等)

信頼できるコンテンツかユーザーが判断するための情報を提供
•コンテンツにおいて関係性(広告主体、便益)の表示義務

モニタリング
•口コミ内容・コンテンツを審査後に掲載・発信(事前審査の徹底)
•一般消費者の口コミを全てチェック
•口コミ内容をガイドラインに照らし合わせてシステム及び目視で確認
•問題のある投稿について、他のユーザーや店舗等から通報できる機能を用意
•意図的な口コミの傾向を分析し、システム化を行い、検地
•不正な口コミを検知(投稿の急増、デバイス所在地確認等)し、アカウントの停止、口コミを削除

不正行為の排除
•店舗等が点数向上や口コミに働きかけることを禁止
•店舗等の関係者が口コミ投稿することを禁止し、該当する口コミは削除
•信頼度の高い投稿者(口コミ数が多い等)のランキング反映度を大きくした算出方法により、店舗等の関係者といった意図的な口コミの影響を低減
•店舗等に対して業者から不正操作の提案があった場合に通報できる環境を整備
•外部リンク(商品購入への導線)が張れないなど管理が容易なSNSプラットフォームを利用

問い合わせ対応
•電子メール等で口コミの削除依頼やクレーム等を受け付け
•事実確認の上、口コミの修正依頼等の対応実施
•(問題点があれば)社内関係部署で共有、対応を協議

口コミやインフルエンサーの発信するコンテンツの信頼性確保に向けて、運営事業者側の自主規制の努力は評価されます。
しかし、悪質事業者対策としては、やはり法規制が求められるといえます。

次回は、口コミサイト・インフルエンサーマーケティングに関連する法令について、解説します。

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第30回インターネット消費者取引連絡会
平成30年9月19日(水)10時~12時
テーマ:口コミサイト・インフルエンサーマーケティング
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/#m30
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≪関連記事≫

・ステルスマーケティングに関するユーザー意識と商品レビュー
http://blog.fides-cd.co.jp/article/260182233.html

・口コミサイト関連の消費者相談 は「返金、支払回避、契約解除、賠償請求等」が約6割
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